2014年12月31日水曜日

良き上司にめぐりあえる幸せ

 私が店長を務めていたお店のオーナーは、私が以前に勤めた会社で、直属の上司でした。

 その方とは、足かけ20年以上のお付き合いになります。

 私が初めてコンビニ業界に入って1年余りが経過し、当時私が目標としていた職務に新人として就いた時の上司がその方でした。

 社会人としての心構えをはじめ、仕事において重要なことを私たちに叩き込んでくださいました。

 20代後半の、職業人として最も大切な時期に、その上司とめぐりあったことは、今から振り返れば、その後の私の仕事人生を大きく左右したものだったと感じます。

 一番最初の面談で、その方から言われたことは、「仕事のできないやつになるな仕事バカにもなるな」でした。

 その言葉に対して、私は、「仕事はとても大切なものであるが、人生においては仕事だけが重要なのではない」というメッセージとして受け止めました。

 そして、その言葉の通り、その方は職場の上司という立場を超えて、一人の人生の先輩として、私たちに様々な言葉を投げかけたり、一緒に遊んでくれたりしてくださったのです。

 仕事に対しては非常に厳しい反面、プライベートなことはとても温かく見守ってくださる方でした。

 6年半の店長としての務めを終えて、オーナーにとって私は本当に良い部下だったのかという疑念はぬぐえませんが、学ばせていただいたことを胸に、これから真っ直ぐ進んでいこうと思います。

 そして、ときおり、自分の成長した姿をその方に見せられたらいいなと思っています。

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 この一年も、今日1日で終わろうとしています。

 来年も皆さまにとって良い一年であることをお祈りいたします。

 どうぞ良いお年をお迎えください。来年もよろしくお願いいたします。

2014年12月30日火曜日

魅力的な働き手としての「シルバー世代」

 先週の記事(ターゲットとしての団塊の世代)で、お客様としてのシルバー世代の魅力について書きました。

 今日は、働き手としてのシルバー世代の魅力について考えたいと思います。

 先月の初め、興味深い記事が報道されました。

 『モスバーガー 高齢店員「モスジーバー」積極採用して好影響
 http://news.livedoor.com/article/detail/9424326/

 私が記事の中で注目したのは、
おじいちゃんやおばあちゃんの笑顔は、マニュアルにはない温かみが感じられて和みます」という30代OLのお客様の反応
 「高齢者の方々は無遅刻無欠勤で非常に真面目に働いてくれる。それにお客様の反応も良かった。弊社は若い世代が中心の客層でしたが、同世代の方が働く姿に安心感があるためか、高齢者のお客様が増えるという相乗効果もありました」というモスバーガー広報担当者のコメント
の2か所です。

  新しい商品やサービスがますます増える一方のコンビニエンスストアにあっては、温かみ和みはなかなか実現しにくい方向にあると言えます。

 そういった中で、シルバー世代の方々が生み出す温かみ和みは、とても魅力的なものに映ります。

 先週の同記事で書いた、接客のプロとしてのコンビニ・コンシェルジュには、このシルバー世代の方々が適任のような気がするのは私だけでしょうか。

2014年12月29日月曜日

業務分担の理想的な姿とは

 お店での理想的な仕事分担のかたちとは、どのようなものでしょうか。

 多くのお店では、同じ時間帯に働くスタッフに対して、レジ接客や品出し、清掃などの業務をできるだけ平等(同じ割合)に与えようとしているのではないでしょうか。

 スタッフ個人に担当が任されている発注業務は別にして、それ以外の(どのスタッフが実施してもよい)業務については、実施するスタッフに偏りがあると、何か不公平な感じがしてしまうのは私だけでしょうか。

 以前の記事で紹介した性格診断テストを実施してスタッフの皆さんの資質などを理解しようとする中で、次第に私は、個々のスタッフの仕事に対する適性や好みに応じて、担当してもらう業務の内容と時間配分を変えた方がよいのではないかと思うようになりました。

 実際に、採用時に「品出しが好きです」と言っていたスタッフは、確かに品出しをさせれば予想以上のスピードで習得していきます。しかも、作業は「正確かつ速い」のです。

 また、「こまめに身体を動かすのが好きです」と言うスタッフは、自ら進んで、清掃や片づけに精を出してくれます。しかも「喜んで」やってくれます。

 私のような、清掃や片づけが苦手な人間からすれば、信じられないような気持ちになりますが、それこそが「人間」というものであり、「十人十色」ということなのでしょう。

 このことにやっと気づいた私は、できるだけスタッフご本人の好みに合わせた人員配置を心がけましたが、先進的なオーナーさんや店長さんは、とっくの昔に気づいていて、すでに実施していることかもしれません。

 接客が好きなスタッフにはレジカウンター周りでの仕事を多くし、発注が好きで得意なスタッフには担当カテゴリーを多くするなどして、スタッフの適性や好みと実際の業務分担をできるだけ適合させることによって、スタッフご自身の仕事への意欲や働きがいを向上させるだけでなく、数字としての成果にも結びつけられるのではないかと思います。

2014年12月26日金曜日

トップはつらいよ

 過去の記事の中で、私自身のマネジメントの問題について、何回かお話ししました。

 2008年の開店以降、私はまさに「突っ走る存在」でした。

 お店を守る責任と重圧から来る、強いトップダウンのマネジメントで、スタッフの皆さんを良くも悪くも巻き込んできました。

 初期の頃から、私は、「自分の感情を抑えながら仕事をするのは良い結果を生まない」と考えていて、スタッフの皆さんに注意をする場合でも、優しく注意するのではなく、険しい表情とともにストレートに注意していました。

 そのほうが、同じミスや仕事上の不都合を再発させる可能性が低くなると考えていたからです。

 このやり方は、冷静に考えると、スタッフの恐怖心を利用したマネジメントです。

 当時の私は、このマネジメントにどれだけの弊害があるのかに気づいてはいませんでした。

 その後、スタッフの急な退職の申し出があったり、オーナーから諭されたりする中で、次第に、自分自身のマネジメントを振り返るようになってきました。

 それでも、私自身の性格や資質から来るものはなかなか変えられません。その後も、相変わらず、時々私の感情が出てしまう場面がありました。

 こうした中で、私が一番強く感じたのは、「トップには忍耐が必要だ」ということです。

 自分の感情よりもスタッフの感情を優先して考えるスタッフの成長を辛抱強く見守る、というようなことには、トップの忍耐力が強く求められます。

 なかなか耐えることのできない私は、組織のトップにはあまり向いていないのだと、冷静に自覚するようになりました。

 世の中の組織のトップには、忍耐の必要を感じながら、それと闘っている方が大勢いらっしゃるのかなぁ、と思わずにはいられません。

2014年12月25日木曜日

成長する人の特徴

 お店での仕事を振り返ってみると、スタッフに対して同じようにトレーニングをしても、人によって成長の度合いがかなり異なることを実感します。

 私とスタッフとの相性や、トレーニングの内容自体の問題スタッフ自身に仕事への興味があるかなども、その理由として考えられますが、今回は、スタッフ自身の「自己認識能力」という観点から考えてみたいと思います。

 心理学の用語で、『メタ認知』というものがあるそうです。

 これは、一言でいうと、「自分自身を客観的にみる力」のことです。

 例えば、今、あなたが部屋の中にいて、スマホやパソコンでこのブログの記事を読んでいるとします。

 「ブログの記事を読んでいるあなたの姿を、もう一人のあなたが(部屋の天井の方から)見ている」という認識の仕方が「メタ認知」となります。

 この、自分自身を客観的にみる力が備わっている人ほど、成長のスピードが早いような気がします。

 私の場合は、お店で仕事をしている時に、「今、この仕事をしている場合かな。他の仕事を先にやった方が効率的に仕事が進むんじゃないかな」と思い直して、仕事の順序を変えたことがよくありました。

 こういうことを自分で意識するようになると、それが習慣となって、結果として仕事の優先順位に沿った仕事が自然とできるようになります。

 自己認識能力の高い人は、自分のしたことに対して、振り返る(内省する)ことができるため、それが『気づき』となって、さらに自分自身を自ら変えていくことができます。

 こういったことから考えると、お店のトップはスタッフに対して、指示をするスタイルではなく、スタッフが自らの仕事の仕方を自覚し、振り返ることができるようなスタイルが望ましいのかもしれません。

2014年12月24日水曜日

「押し売り」の功罪

 先日、プリンターが壊れてしまったので、私は急いで、ある家電量販店に買いに行きました。

 事前に候補機種を調べ、購入するプリンターを決めてからお店に向かいました。

 プリンター売り場に行くと、一人の女性販売員が近づいてきて、私が買おうとしているプリンターとは違うメーカーの機種をしきりに勧めてくるのです。

 彼女の名札を確認すると、裏側に某メーカー名が書いてあるのがチラッと見えました。

 私は、家電量販店勤務の経験があるのでわかるのですが、量販店の売り場には「ヘルパー」といって、自社製品を拡販するために各メーカーから派遣されたスタッフがいるのです。

 彼女があまりにも強引に自社メーカーのプリンターを勧めてくるので、私は嫌気がさして、何も買わずにその場を立ち去り、お店を後にしました

 結局、プリンターはネットで買うことにしました。

 私は、押し売りをするのも、されるのも大嫌いなのですが、このような、お客様の都合を無視した強引な販売手法には、いまさらながら、うんざりさせられるものがあります。

 かといって、押し売りのすべてがダメだとも言い切れません

 お店で半ば強引に勧められて買った商品が、思いのほか美味しくて、その商品にハマるようになったというような話は、よく耳にします。

 要は、自分の都合や立場を超えて、売る側に、その商品に対してどれだけの自信があるのか、あるいは、お客様に食べて(使って)もらいたいという気持ちがどれだけあるのかが重要なのかもしれません。

 年末を控え、クリスマスケーキの引き渡しや、おせちの予約追い込み等で忙しいこの時期、風邪などひかぬよう、お身体をご自愛ください。

2014年12月23日火曜日

ターゲットとしての「団塊の世代」

 先日、あるお店のオーナーさんとお話をしていて、良いヒントをいただきました。
 今日は、そのオーナーさんへの感謝の気持ちをこめて、一本の記事を書きます。

 そのオーナーさんはいわゆる「団塊の世代」の方です。

 団塊の世代(第一次ベビーブーマー)は、厳密に言うと、1947年から1949年までの3年間に生まれた世代を指すのだそうです。現在の年齢で、65才から67才までとなります。

 この年齢を中心とした世代は、すでに定年を迎えた人が多く、時間的にも資産的にもゆとりのある世代として、個人消費の牽引者という観点からも注目されています。

 また、この世代は、まだ現役で仕事をしている人も多く、健康的で、エネルギッシュな生活をしている人がたくさんいらっしゃいます。

 私たちコンビニ業界においても、お店の売り上げということからみて、団塊の世代はとても魅力的に映ります。

 今日は、接客の観点から、団塊の世代、あるいはその周辺の年齢のお客様への対応について考えてみたいと思います。

 私も「初老」と言われる年代に差しかかりましたが、以前よりも、「自分の話を他人に聞いてもらいたいという欲求が強くなった気がします。

 人生を50年も生きると様々な経験をしますが、そういったものを通して、自分が考えていることや、家族を含めた身の回りのことなどを他人に話したいという気持ちが出てくるのです。

 核家族化が進み、老夫婦だけ、あるいは一人暮らしへの環境変化が、さらに拍車をかけます。

 そのような中で、例えば、イートインのようなスペースを使って、年配のお客様のお話をとことんまで聞いてくれるスタッフがお店にいたらどうでしょうか。

 お客様と濃密で距離感の近い接客ができるスタッフがいれば、お客様は、そのスタッフがお勧めする商品やサービスに対し、警戒することなく、喜んで受け入れてくれるでしょう。

 一流ホテルにも、コンシェルジュという接客のプロフェッショナルがいます。

 そういうスタッフがコンビニにもいたら、とても面白いと思います。

2014年12月22日月曜日

買わねくていいから、楽しんでいってけろ!

 これは、書店で偶然、目に留まった本の帯に書いてあったキャッチコピーです。

 この面白いキャッチコピーにピンと来るものがあったので、私はあまり中身を確認しないまま、レジへこの本を持っていきました。

 大当たりの本でした

 ここでは詳細を述べませんが、著者は茂木久美子さんといって、その業界では知らない人がいない、山形県出身の元カリスマ新幹線販売員です。

 文庫本、全197ページの中に、私たちコンビニ業界の人間、とりわけお店で働く方々にとって、非常に多くのヒントと、励みになるような言葉がぎっしりと詰まっています

 文章はとても読みやすく、近くで茂木さんが自分に語りかけているような臨場感すらあります。

 茂木さんの仕事への情熱や前向きな姿勢がとても良く伝わってきます。

 接客に対する考え方、お客様へのお勧め販売に対しての葛藤、お客様との感動的エピソードなど、お店のトップだけでなく、すべてのスタッフの皆さんが読んでも、何かを必ず感じさせる内容だと思います。

 私は、価値観の押し付けになるので、他人に特定の書籍をあまり強くお奨めしないようにしているのですが、この本には、そういうためらいを吹き飛ばすような面白さと感動があります。

 書店で見かけた際には、是非ページをめくってみてください。

 『コギャルだった私が、カリスマ新幹線販売員になれた理由』(茂木久美子・著、日経ビジネス人文庫)

2014年12月19日金曜日

『ひび割れ壺』の話

 以前に読んだ本の中に、私の心を揺さぶるような寓話がありました。

 ご存知の方がいらっしゃるかもしれませんが、それは、『びび割れ壺の話』です。

 このお話は、たぶん、読む人の立場や状況によって、その捉え方は大きく違うものになると思います。

 私は、自分自身を「完璧な壺」に重ね合わせて読んだとき、私の過去のマネジメントに対して猛省することを自分に突き付けられたような気がしました。

 少しだけ長くなりますが、全文をご紹介します。

 皆さんはこのお話をどのように読まれるでしょうか。

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 あるインドの水汲み人足は、二つの壺を持っていました。

 天秤棒の端にはそれぞれの壺をさげ、首の後ろで天秤棒を左右にかけて、彼は水を運びます。

 その壺のひとつはひびが入っています。もうひとつの完璧な壺が、小川からご主人の家まで一滴の水もこぼさないのに、ひび割れた壺は人足が水をいっぱい入れてくれても、ご主人の家に着く頃には半分になっているのです。

 完璧な壺は、いつも自分を誇りに思っていました。なぜなら、彼が作られたその本来の目的をいつも達成することができたから。

 ひび割れ壺はいつも自分を恥じていました。なぜなら、彼が作られた本来の目標を、彼は半分しか達成する事ができなかったから。

 2年が過ぎ、すっかりみじめになってひび割れ壺は、ある日、川のほとりで水汲み人足に話しかけました。

 「私は自分が恥ずかしい。そして、あなたにすまないと思っている

 水汲み人足はたずねました。

 「何を恥じているの?

 「この2年間、私はこのひび割れのせいで、あなたのご主人様の家まで水を半分しか運べなかった。水がこぼれてしまうから、あなたがどんなに努力してもそれが報われることができない。私はそれがつらいんだ

 壺は言いました。

 水汲み人足は、ひび割れ壺を気の毒に思い、そして言いました。

 「これからご主人様の家に帰る途中、道端に咲いているきれいな花を見てごらん

 天秤棒にぶら下げられて丘を登っていく時、ひび割れ壺は、お日様に照らされた美しく咲き誇る道端の花に気づきました。

 花は本当に美しく、壺はちょっと元気になった気がしましたが、ご主人様の家に着く頃には、また水を半分漏らしてしまった自分を恥じて、水汲み人足に謝りました。

 すると彼は言ったのです。

 「道端の花に気づいたかい?花が君の側にしか咲いてないのに、気づいたかい?

 僕は君からこぼれ落ちる水に気づいて、君が通る側に花の種をまいたんだ。

 そして君は毎日、僕達が小川から帰る途中、水をまいてくれたんだ。

 この2年間、僕はご主人様の食卓に花を欠かしたことがない。

 君があるがままの君じゃなかったら、ご主人様は、この美しさで家を飾る事はできなかったんだよ

 (作者不詳、菅原裕子・訳)

子どもの心のコーチング』(菅原裕子・著、PHP文庫)より引用

2014年12月18日木曜日

性格診断テストを実施してみたら....

 以前の記事(発注に向く人、向かない人)の最後に、スタッフの資質を把握するために性格診断テストを実施したことを書きました。

 詳細についてはまだ書いていませんでしたので、今日お話ししたいと思います。

 この診断テストは、元々は、自分の適性に合った仕事を見つけることを目的に開発されたものですが、私はこのテストの結果を用いれば、スタッフの資質を把握したり、ご本人に合った業務を探したりできるのではないかと考え、実施しました。

 この診断テストは、34の質問事項を通して、それぞれ対比する以下の4つの要素同士を掛け合わせる(4×4=16)ことで、性格を16のパターンに分けます
  1.  『外向型』 VS 『内向型
  2.  『五感型』 VS 『直観型
  3.  『思考型』 VS 『情緒型
  4.  『決断型』 VS 『柔軟型
 診断結果として、以下の16分類の性格が導き出されます。

 責任者、努力家、社交家、組織人、冒険家、実務家、楽天家、職人肌、リーダー、アイディアマン、企業家、戦略家、チームプレーヤー、理想家、創作者、芸術家

 診断テストを実施して私が実感したことは、「自分の人を見る目も、あてにならないな」ということでした。

 「楽天家」という、どんぴしゃな診断結果を出すスタッフがいる一方で、私の見方とは大きく違った診断結果を出すスタッフも多いのです。

 診断テスト自体にどの程度の客観性があるかは、はっきりとはわかりませんが、少なくとも、私がスタッフを見たときの認識と、スタッフが自分自身を見たときの認識との間には、大きなズレがあることは確かでしょう。

 ちなみに、私の診断結果は、「戦略家」でした(自分では当たっていると思います!)。

 もし、興味がおありでしたら、実施してみてはいかがでしょうか。

 『あなたの天職がわかる16の性格』(ポール・D・ティーガー、バーバラ・バロン・著、主婦の友社)

2014年12月17日水曜日

スタッフが成長する喜び

 人への「投資」というと、どうしても「元をとる」ということを連想してしまいます。

 通常、「投資」という言葉には、見返りとしての「回収」という言葉がついてまわります。

 設備・機械への投資の場合は、見返りとしての生産量の増加や、それに伴う利益の上昇という、目に見える数字となって結果に表れます。

 しかし、人への投資の場合には、はっきりと目に見える形では、結果には表れてきません

 毎月、ぎりぎりの経営を余儀なくされているお店では、短期間で数字に表れてこない、人への投資には、なかなか積極的になれないのは当然のことでしょう。

 では、人への投資とは、お給料や福利厚生などの待遇面を良くすることだけなのでしょうか

 私がお店にいた時に、最もやりがいを感じる瞬間は、手塩にかけて育てたスタッフが成長していることを実感した時でした。

 最初の頃は、いちいち指示を受けないとまともに仕事ができなかったスタッフが、成長するにつれて、自ら判断し、他のスタッフと連携をとりながら、主体的に仕事に取り組めるようになった姿を見た時には、私はいつも無上の喜びを感じていました

 まさに、「店長冥利に尽きる瞬間です。

 子育てと同様に、人が人を教育することの難しさ、大変さには想像を絶するものがあります。

 それでも、時には励まし、叱り、時にはぶつかり合いながら、人と人がお互いに切磋琢磨していく中に、人としての成長や生きがいがあるのではないかと、私は強く思っています。

 就職等の理由でお店を卒業するスタッフに、心の底からの感謝のことばを言われた時などは、本当にこの仕事をして良かったと、いつも実感していました。

 手塩にかけて育てたスタッフが、卒業等で、たとえお店からいなくなったとしても、その人が陽に陰になって、お店を守ってくれる存在になることを私は信じています。

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 これまで1か月間、一つひとつのテーマについて、できるだけ順を追って書くように努めてきました。今後は、テーマについてはランダムに、日々感じることを綴っていきたいと思います。

 永らくお読みくださいまして、ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。

2014年12月16日火曜日

人に投資するということ

 世間では、企業の経営資源として、「」、「モノ」、「」、「情報」を挙げることが多いでしょう。

 近年の少子高齢化の進展を前にして、設備投資(モノ)や資産運用・投資()と並んで、人材投資(人)を重視する企業が増えています。

 少子化の時代になると、企業は優秀な社員を自社に取り込むことを目的に、社内の福利厚生を手厚くしたり、研修制度を充実させたりして、社員の満足度を高めようとします。

 若い優秀な社員を採用し、育てていかなければ、いずれは企業の存続が危ぶまれるという危機感の表れでしょう。

 では、このことに関して、私たちコンビニ、とりわけお店ではどのように考えたら良いでしょうか。

 冒頭に挙げた経営資源ということからコンビニエンスストアをみれば、要素としては、「のウェイトが突出して高いといえるでしょう。

 製造業の場合は、機械(設備)そのものが利益を生み出しますが、コンビニの場合はショーケースや商品陳列棚、あるいはファーストフード什器くらいしか設備といえるものがなく、その大半は本部からの貸与物です。

 また「お金」に関しても、開店当初の自己資金や借入金は別にして、毎月の資金繰りは本部の仕組みに乗っかってなされる部分が多く、お店独自で資金を運用する余地はほとんどありません

 ですので、コンビニにおいては、ますますへの投資の重要性が高くなるのです。

 コンビニに限って考えれば、これからの時代は、への投資をどのように、どれだけの手間と時間をかけて行うかが大きな鍵となるでしょう。

 次回は、この「人」への投資についての具体的な取り組み方を考えたいと思います。

2014年12月15日月曜日

作業割り当て表の弊害

 今日は、作業割り当ての弊害について書きたいと思います。

 作業割り当ての弊害ではなく、ツールとしての作業割り当て」についてです。

 前回の記事でも書きましたが、私がいたお店ではオープン以来、3年以上、作業割り当て表を使って仕事をしていました。

 オープン時のスタッフは、ほぼ全員がコンビニ未経験でした。

 作業割り当て表を作り、鮮度管理をはじめとする主要な作業を一覧にすることで、うっかり作業が漏れたりしないように、活用を義務づけていました

 作業終了後は実施した本人がサインすることを強く義務づけており、サインに漏れがあろうものなら、私がやかましく注意することもありました。

 習慣というのは恐ろしいもので、続けていると次第にサインの記入漏れがなくなるのはもちろんのこと、作業自体にも目立った漏れは少なくなってきます

 しかし、弊害として、スタッフには自分の観察に基づいて行動するというようなことが少なくなってきます。

 スタッフが何か仕事をしようとした時に、売り場の状況を観察することから始めるのではなく、まず作業割り当て表を見ることからスタートさせてしまうのです。

 これではスタッフの観察力が磨かれないばかりか、仕事の進め方としても、ちぐはぐになったり、お客様をお待たせしてしまったりするケースが目立つようになったのです。

 一言でいうと、スタッフに仕事の優先順位の判断力がつかなくなるのです。

 作業割り当て表は作業項目の一覧であって、そこからは今の時点でどの作業を優先すべきかは判断できないからです。

 このような理由で私は作業割り当て表を廃止し、前回の記事で述べたような取り組みを始めることになったのです。

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作業割り当てについては、姉妹ブログ『シフトリーダーを応援するブログ』で詳細を述べております。よろしければご覧ください。(2015.3.29 追記)

2014年12月12日金曜日

理想的なシフトとは

 お店の利益を上げるために、シフトに関連することで最も重視しなければならないのは、人時生産性(労働生産性)です。

 人時生産性とは、ある一定のスタッフの人数でいかにより多くの仕事をするかということです。

 この人時生産性を高めることが結果として、売り上げに対する人件費の比率を下げることになり、お店に利益をもたらします

 一般的に、人時生産性を高めると聞くと、従業員をこき使って利益を稼ぎ出すというイメージがありますが、私が言いたいのはそういうことではありません。

 チェーンによって表現の仕方は異なると思いますが、私が在籍していたチェーンには「作業割り当て」という考え方があります。

 「作業割り当て」と聞くと、「どのスタッフが、いつ、どんな作業をするか」という、いわば「作業分担」を連想します。

 私がいたお店でも開店以来、「作業割り当て表」を使ってこれを中心にお店をまわしていました。しかし、オープンから3年以上経って、この作業割り当て表の弊害を感じたため廃止にしました。

 そして、作業割り当て表を使わずに、それ以上の仕事の効率化を目指すことにしました。

 それは、トップがいちいち細かい指示を出すのではなく、スタッフ自らが判断し、他のスタッフと連携をとることで、お客様をお待たせすることなく、仕事をより楽に、無駄なく終わらせることを追求するものです。

 これを目指すには、高校生を含めた全スタッフへの地道な実地トレーニングが必要でした。

 しかし、スタッフの理解が深まるにつれて、仕事が効率化するだけでなく、スタッフ自身が成長するという、予想外の成果が生まれました。同時に、私の仕事上のストレスも軽減されるという副産物も生まれました。

 今振り返ると、お店に利益をもたらす理想的なシフトの姿は、「少数精鋭」なのではないかと思っています。

2014年12月11日木曜日

利益を生むシフトとは

 お店の三大経費は多い順に、人件費、不良品費、棚卸減耗費(品減り)となります。買い物袋などの消耗品費が棚卸減耗費を上回っているお店も多いかもしれません。

 お店の最終利益を考える上では、やはり、金額の一番大きい人件費に手を付けることが重要です。

 ここで私が言いたいのは、人を減らしたり、シフトを削ったりすることではありません。

 まず考えるべきは、シフトの組み方です。組み方というよりは、調整の仕方といった方が良いかもしれません。

 私がお店にいた時に、シフトづくりに関し、意識して行っていたのは次のようなことです。

  • シフト表は、どのスタッフにも見やすい場所に掲示する
  • シフト表は、つねに1か月以上(私の場合は5週間)先まで掲示する
  • できるかぎり、曜日別に固定のパターンをつくる
  • スタッフからの希望事項は、わかった時点でメモで提出してもらう(数か月先のものまで)
  • メモをチェックしながら、必要な調整はできるかぎり早期に行う
  • 勤務時間のスライドや増減の必要がある場合には、早期にスタッフと直接交渉する
  • お子さんの学校行事や子育て、学校のテスト等の理由に対しては、すべてOKを出す
  • 昼間の主婦スタッフ同士での調整をお願いする
  • 本人の怠惰や不摂生による遅刻・欠勤については厳しく対処する(これは重要)

 シフトづくりのポイントは、作成に時間をかけるのではなく、調整(手直し)に時間をかけることです。調整にかかる手間を惜しまないことです。

 そのためにも、シフト表は調整のしやすいフォーマットにする必要があります。

 私は、PCで曜日別の基本パターンをつくり、それを毎週コピーして使っていました。シフト表そのものの作成には、ほとんど時間をかけないようにしていました。仕事の成果を考える上では、「手段」と「目的」をはき違えないよう、いつも意識していたからです。

 無駄のないシフトづくりは、利益を生むための第一歩です。

 その上で、さらに重要な考え方について、次回に書きたいと思います。

2014年12月10日水曜日

働く側からみたコンビニの優位性とは

 お店で働くスタッフ、あるいは、これからコンビニで働こうかと思っている人にとってコンビニで働く一番のメリットとは何でしょうか。

 家から近い職場を選べることも大きなメリットですが、やはり、勤務時間に融通がきくことが最大のメリットでしょう。主婦や学生さんの場合には、特に重視される条件だと思います。

 フルタイムや決まった曜日・時間帯で働くことを求められる職場が多い中で、コンビニは曜日や時間帯だけでなく、休日についても融通のきく職場と一般的に認識されています。

 主婦の場合は子どもの学校行事や子育て、学生さんの場合はテストやクラブ活動を優先せざるを得ない中で、休日を含め、勤務時間に融通のきくコンビニはとても魅力的に映るのです。

 お客様にとって便利なコンビニは、働く人にとっても便利な存在なのです。

 そうなると、働く人が感じるメリットに対し、お店側がどこまで対応できるかが重要な鍵になると言えます。

 つまり、スタッフが休みたい時に休めたり、勤務時間を変えたい時に変えられるシフト体制をどのように作るかがとても重要になってくるのです。

 限られた人数の中でスタッフの希望をいちいち聞いていたら、シフトに穴が開くだけでなく、無駄が生じて人件費が膨らんでしまうと言って、スタッフに制約をかけるお店もあるでしょう。

 しかし、お給料や福利厚生などの待遇面で、一般的な会社と比べて水準を高くできない現状がある中で、もしも働く側が感じるメリットに対して最大限の対応をお店がとれるなら、それは人の問題の解決に向けた第一歩となるでしょう。

 次回は、このあたりのことについて、具体的にどう考えたらよいかを書きたいと思います。

2014年12月9日火曜日

マネジメントが変わるとき

 私がマネジメントを変えるきっかけとなったのは、ほんのささいな出来事でした。

 それは、このブログの記事(人の問題に関してできること、その2)に出てくる、一人の女性スタッフのある行動でした。

 たしか、日曜日のことだったと思います。

 その女性スタッフと同じシフトに入っていた高校生のアルバイトさんが、お弁当を温めたものをお客様にお渡しし忘れる事件が起こりました。

 その高校生のアルバイトさんは、朝9時が退勤時刻なのですが、退勤までにお客様が商品を取りにみえることはありませんでした。

 お店では、こういうことが起きた場合、ミスをした本人が、スタッフ全員宛てのメモを残すルールにしていました。

 この日は、高校生にはメモを書く時間がなく、代わりにその女性スタッフが書くことになりました。

 とうとう、お客様がお弁当を取りにみえることはありませんでしたが、翌日、私がそのメモを見ると、そのメモには、ミスをした高校生アルバイトさんの名前がどこにもありません

 ミスをした現場を知らないスタッフは、そのメモを見れば、ミスをしたのはそのメモを書いた女性だと思うはずです

 温めたものを渡し忘れるような凡ミスは、恥ずかしくて、公言がはばかれるものです。経験の浅い高校生アルバイトさんがミスしました、と書いてもおかしくはありません。

 でも、あえて、彼女はそうしませんでした。

 この時、私は、お店ではかつて感じたことがないような深い感動を覚えたのです

 彼女の、他人に対する思いやりに、自分自身の思いやりのなさ、スタッフへの愛情の薄さを思い知ったのです。

 この経験を通して、リーダーに最も必要なものは、仕事の能力や技術などではなく、他人への思いやりであると、私は彼女から教わったのです。

2014年12月8日月曜日

マネジメントの悩ましさ

 私が店長として働く中で、悩みが最も大きかったのはマネジメントに関することです。

 通常、お店の主体者は2名いるのが普通で、そのほとんどは夫婦です。私の場合は、店長として一人でお店を運営することを任されました。

 私は、組織の上からいろいろ言われるのを好まない性格なので、私にとっても好条件でした。

 このブログの最初の記事(ごあいさつ)でも書きましたが、開店当初から、私はお店を守ることに大きな責任を感じていましたので、自然と、私のマネジメントのスタイルは、強いトップダウンのやり方になりました

 未経験の店長とは違って、私には本部の店舗経営相談員の経験があったものですから、スタッフのやることなすことに、いちいち口を出したり、注意したりすることを抑えることができませんでした

 でも、本来の私は、人との争いを好まない、おとなしい性格なのです(疑う人がいるかもしれませんが)。

 本来、店長は、スタッフをかわいがり、慕われ、お客様も大事にし、スタッフの皆さんとは家族のような関係を築くのが理想の姿でしょう。私にもそういう理想像がありました。

 でも、実際にはそれができない。

 私のトップダウンのマネジメントによる最大の弊害は、スタッフに恐怖心を植え付け、主体性を失わせ、スタッフのやる気や満足感、そして幸福感を失わせるものでした

 それでいながら、私は、お店の順調な売り上げの伸びや、利益の確保ができていることを鼻にかけて、自らのマネジメントを省みようとはしなかったのです。

 私が、自身のマネジメントを変えるきっかけとなったことについて、次回にお話しします。

2014年12月6日土曜日

小が大に勝つ方法

 小さなお店が大きなお店に勝つ方法として、最も有効な戦略の一つが「差別化」です。

 お店で何か一つでも、地域でダントツのものをつくれば、お客様はそれに引き寄せられてきます

 接客サービスクリンリネスで差別化を図ることはとても重要ですが、売り上げ・利益ということから考えれば、品揃えで差をつけることが最も効果的です。

 前回の記事で、私がデイリー商品のあるカテゴリーの品揃え強化に取り組んで、成果を上げた話を書きました。

 成果が上がった理由について、私は、以下のように分析しています。

  • 業界やチェーン内で、まだあまり注目されていない分野の商品だった
  • 単品当たりの販売数が低く、不良品になりやすいため、当時は積極的に品揃えしているお店がほとんどなかった
  • 商品自体は、お客様にとって利便性が高く、需要そのものが存在していた
  • 商品の味が良く、一度購入していただければ、お客様のリピート購入が期待できた

 このような商品は、今でもお店の中に存在しているはずです。

 こうした商品を見つけて、辛抱強く、品揃え強化に取り組めば、必ず成果に結びつくはずです。

 ただし、そこまでになるには、こだわりと忍耐が必要です。

 私の場合は、成果に表れるまでに、約2年の歳月を要したことを最後に付け加えさせていただきます。

2014年12月5日金曜日

戦略的な品揃えとは

 今日は、「戦略的な品揃え」について考えてみたいと思います。

 地域に競合するお店が増えてくると、品揃えで差をつけることは次第に難しくなってきます。とくに、同じチェーン同士の場合は、さらに難しくなります。

 各チェーンが力を入れている商品はたくさんありますが、例えば100円コーヒーのように、セブン-イレブンで人気に火がつくと、競合他社もそれに追随します。

 私は、100円コーヒーをほぼ毎日飲んでいますが、以前よりは、チェーン間での味の差はなくなってきているように感じます。いわゆる、「同質化」というものです。

 「同質化の反対にあるものが差別化」です。

 「競争優位の戦略」という有名な考えがあるのですが、その中でも、「差別化」という考えは重要な位置づけになっています。簡単に言いますと、他のお店と明確に品揃えの差をつけることによって、お客様がお店を選ぶ時に、自店に呼び込もうという考えです。

 私がいたお店で、オープンして2年ほど経ってから、デイリー商品のあるカテゴリー(商品群)の品揃え強化に取り組み始めました。

 当時は、一日の販売金額も少なく、チェーンとしても、まだあまり注目されていないカテゴリーでした。私は、以前からこのカテゴリーの将来性を感じていたので、少しずつ品揃えを強化していきました。

 最初は、思ったようには売れませんでしたが、辛抱強く、時間をかけて取り組みました。

 結果として、少しずつですが売り上げが伸び続け、2年が経つ頃には、地区でトップクラスの販売金額となりました。日販からみた販売構成比でも、トップクラスになっているはずです。

 どのように取り組んだかについては、お話しできる範囲で、次回に書きたいと思います。

2014年12月4日木曜日

ゲームとしての発注

 私は、発注を『答えのないゲーム』と考えています。

 何をふざけたことを、と思われるかもしれません。

 しかし、まったく同じ条件のもとで、同じ商品の発注を何人かのスタッフにやってもらった場合、発注機器に入力される数は、みなバラバラの数字になるでしょう。

 そして、どのスタッフの発注数量が良かったのかを判断するには、その結果を見るしかないのです。

 また、同じ発注数量になったとしても、売り場の状況(補充やフェイスアップの状態)によって、その結果に違いが出るでしょう。

 発注以外の業務の中で、これだけ結果に大きな差が出るのは、あとは接客くらいしか思い浮かびません。私が発注を唯一のクリエイティブな仕事と考えるのも、こうしたところからきているのです。

 つまり、発注には正解がないのです。

 一定の制約(例えば不良品予算)の中で、いかにしてより高い成果(売り上げ)を上げるかという発注の考え方は、一定の条件下でハイスコアを目指すゲームの考え方と基本的に変わらないのです。

 ゲームセンターで、自動車レースのゲームをしている人の運転を見て、評価を言う観客はいますが、代わりにハンドルを握る人はいないでしょう。

 発注をお任せした以上は、評価はしても、代わりに発注をすることは、担当者の意欲を下げるだけなのです。

 トップとしては、不良品予算などの条件と、売り上げ目標(スコア・行き先)だけを担当者(ドライバー)に告げて、あとは本人の発注(運転)に任せた方が安全だと思います

2014年12月3日水曜日

発注分担が進まない理由

 発注に興味が持てる人に担当してもらうのが一番、と前回の記事で書きました。

 そうは言っても、不良品(廃棄)が出る恐れのあるデイリー商品の発注に対しては、いくら興味がある人でも、その責任の大きさを前に尻込みするでしょう。

 私も、スタッフからの強い抵抗に遭い、デイリー商品の発注分担がなかなか進まない時期がありました。

 また、お店のトップは、スタッフに発注を任せてへたに不良品を出されるくらいなら、自分でやった方が良いと思ってしまうものです。それに、スタッフが自分よりも上手な発注ができるわけがないと自惚れているものです(私もそうでした)。

 しかし、実際にデイリー商品の発注を任せてみると、スタッフが想像以上の成果を出すことがあります

 私がいたお店でも、開店当初から在籍していた主婦の方にペストリーの発注をお任せしましたが、きめ細かな売り場管理もあって、私が想像する以上の売り上げをつくってくれたことがありました。

 とくに、売り場での陳列の工夫が良くなされていました。手書きのPOPについても、本部からの商品情報だけでなく、主婦の目線からひと工夫を入れた、ワンポイントアドバイスが含まれていることには感心しました。

 やはり、売り上げを伸ばすためには、売り場づくりが最も重要だということを、この時に私は実感したものです。

 私は自戒をこめて申しますが、発注分担が進まない理由はトップ自身にあって、それが結果的に、売り上げの上昇を妨げる原因になっているのです。

2014年12月2日火曜日

発注を教えることの難しさ

 そもそも、発注を人に教えることはできるのでしょうか。

 もちろん、ストアコンピュータやハンディ型発注機器の操作方法や、データの見方などは教えることができますし、ある程度まではマニュアルのようなもので対応できます。

 発注をする際に必要な、天候・気温の予報や近隣の行事・催事、キャンペーンなどの情報の取り方や活用の仕方も教えることができるでしょう。

 発注数量を決める際の、現在在庫数・納品数・販売予測数などの足し算・引き算の考え方も教えることができます。

 発注は、アイテム(単品)を選択して、数量を決める作業の連続ですので、数的・論理的な能力が高い人の方が有利で、上手な発注ができるイメージがあります。

 しかし、私の経験からすると、発注の上手な人は、計算能力にすぐれているというよりも、数字に対しての見方、感覚にすぐれているという感じがします。いわゆる、「発注センス」というものです。経済観念でいうところの「金銭感覚」に近いイメージです。

 この「センス」ほど、捉えどころのないものはありません。言葉で表現することが難しいからです。これが「発注を教える」のを難しくしている理由です。

 では、この「センスを磨くことはできるのでしょうか

 ここで重要なのが以前の記事で紹介した、『観るという視点です。

 例えば、販売データで考えるとすると、一つの同じ数字結果を見ても、人によってその捉え方は異なります。何も考えずに、ただ眺めるだけの人もいれば、その数字を見て、売れた!」「売れなかった~と感情を出して反応する人もいます。この差はとても大きいです。

 自分の仕事の成果として、興味(意識)を持ってデータを観ることを何度も繰り返すことによってしかセンスは磨かれないような気がします。

 その意味でも、発注に興味が持てるスタッフに担当してもらうのが一番良いでしょう。

2014年12月1日月曜日

発注に向く人、向かない人

 この感じの悪いタイトルで気を悪くされた方がいらっしゃいましたら、お詫びします。

 今回は、私がお店で発注分担を進める中で感じた、発注に向く人向かない人のタイプについて書いてみたいと思います。

 このタイプ分けは、私の経験を元にしたもので、かなりの思い込みや偏見が混じっている可能性が高いことをあらかじめご了承ください。ぜひ参考程度にお読みください。

発注に向いている人のタイプ

  • 発想が柔軟
  • 生活感覚、経済感覚にすぐれている
  • お金に対してシビア
  • 決まった答えのない仕事に対して意欲が湧く
  • しがらみ、束縛を嫌う
  • 主体的な考え方をする、リーダータイプ
  • 責任を与えられるとファイトが湧く

発注にあまり向かない人のタイプ

  • 頭が固い、頑固
  • 経済観念がやや弱い
  • 衝動買いや無駄遣いが多い
  • 決まった仕事を決まった手順で行うのが好き
  • 受身的な態度・考え方をもつ、フォロワータイプ
  • 責任の重い仕事を前にすると尻込みする
 
 このように列記すると、いかにも発注に向かない人はダメだと言っているように思われるかもしれませんが、そうではありません。

 人は、十人十色で、誰にも向き・不向きがあります。仕事を分担する際には、できるだけご本人の資質に合った業務をお任せしたほうが、仕事が楽しく、やりがいも感じてもらえる可能性が高くなるだけでなく、成果としても、より良い結果に結びつく可能性が高くなるのでは、と言いたいだけなのです。

 例えば、「決まった仕事を決まった手順で行うのが好き」なタイプの人には、物事を正確に、ミスなくきちんと行う人が多いでしょう。「発想が柔軟」な人の中には、得てして仕事で凡ミスをおかすような人が多いものです。

 私は、お店のスタッフが持っている資質を把握するために、性格診断テストを実施したことがありますが、これについてはまた別の機会に書きたいと思います。