2015年12月26日土曜日

ノートパソコンをアップグレード

 当ブログのタイトルとはかなりずれますが、このたび自分が使っているノートパソコンのOSをWindows10へアップグレードしました。

 来年7月までならWindows7やWindows8/8.1搭載PCをWindows10に無料でアップグレードできるので、早めに移行しておこうと思い、実施しました。

 OSの移行というのは厄介なものです。データのバックアップなどの面倒な作業が必要となるからです。事前の情報収集も必須となります。

 Windows10へのアップグレードの場合、すでにPCに入っているデータやアプリなどはそのまま使えるということでしたが、万一のトラブルに備えて重要なデータのバックアップを取って実施しました。

 実際にアップグレード自体はうまくいきましたが、なぜかPCの操作性が悪くなりました。アプリの起動など、全体にPCの動作が重くなった気がするのです。

 そこで情報収集した結果、Windows10をクリーンインストール、つまりPCをまっさらな状態にしてOSを再インストールすることにしたのです。

 これにハマってしまいました。すでにインストールされていたアプリを自分で再インストールするのにも多大な時間を費やしてしまいました。

 しかし苦労の甲斐あって、操作性は改善しました。以前より動作が軽くなったような気がします。

 Windows10へのアップグレードを検討している方は、事前に十分な情報収集と準備をしてからアップグレードに臨むことをおすすめします。

2015年12月14日月曜日

求められるメンタルヘルスへの対応

 従業員50人以上の事業所では、今月から年1回の「ストレスチェックの実施が義務付けられました。これは、労働安全衛生法の改正に伴う措置です。

 近年、職場環境の中でメンタルヘルス(心の健康)の問題がクローズアップされるようになりました。

 以前は過労死などの長時間労働を原因とする事故がたびたび報道されましたが、最近は長時間労働だけでなく、職場における従業員の心理的な負担から来るメンタルヘルスの不調が大きな問題の1つとなっています。

 恐らく、身近なところでもこうしたメンタルヘルスの問題に悩んでいる方がいらっしゃるのではないでしょうか。

 今回の法改正では産業医の選任義務がある従業員数50人以上の事業所が義務化され、50人未満の事業所ではストレスチェックの実施は「努力義務」となっています。

 つまり、コンビニ業界では本部が主導して取り組まない限り、加盟店におけるメンタルヘルスの問題はオーナーさん、店長さんに投げられたかたちとなってしまうのです。

 しかし、職場におけるメンタルヘルスへの対応として難しいところは、従業員さんのメンタルヘルスの問題とお店主体者であるオーナーさんや店長さんとが密接に関わっている要素が大きいことです。

 要するに、オーナーさんや店長さん自身が従業員さんのストレスの原因になっているケースがあるという事実です。

 ストレスチェックは従業員さんが会社や上司に遠慮せず、その結果によって不利益な扱いを受けることがないということが保障された中で実施することが重要です。

 その意味でも、加盟店のメンタルヘルスの問題は本部が主導して取り組むことが望ましいと思います。

2015年12月11日金曜日

体調管理にご注意を

 今年も残りわずかとなりました。

 これからお正月までの期間は予約商品なども加わって忙しくなりますが、スタッフの皆さんの体調管理にはご注意ください。

 万一、インフルエンザともなれば1週間はお休みとなってしまいます。シフトに穴があき、他のスタッフへの負担も大きくなります。

 手洗いやうがいの励行のほか、マスクの着用なども検討したほうがよいと思います。

 特に注意が必要なのはお子さんをもつ主婦と学生さんです。お子さんがインフルエンザ等にかかってしまうと、ご本人の体調に問題がなくても仕事を休まざるをえない状況となるでしょう。学生さんの場合は学校でクラスメートからうつされる可能性があります。

 また、体調が悪いときは無理をせずに早めに受診するように促すことも必要でしょう。

 シフトに余裕がない中では、他のスタッフに負担がかからないようお互いに注意したいものです。

2015年12月5日土曜日

従業員募集の前に必要なこと

 人手不足のため、多くのお店でスタッフの募集をかけていると思いますが、今日は「募集の前にやるべき重要なこと」についてお話ししたいと思います。

 スタッフ募集の前にやるべきこと、それは「足元を固める」ことです。

 これは、現在いる従業員さんの状況や環境を見つめて、お店で働いている一人ひとりの満足度を高める努力をすることといえるでしょう。

 遠回りのように見えますが、既存の従業員さんの満足度を高めることが結局は良いスタッフを採用できることにつながるはずです。

 これは私の経験からも実感できることです。

 従業員さんの満足度を高める方法として、個人面談の実施休憩スペースを含む事務所の整理をおすすめします。

 個人面談では、従業員さんが持っている不満や改善提案などを聞き出せればよいでしょう。

 事務所の整理は、「快適な職場環境の整備」という観点から、従業員さんの休憩スペースを中心に設備やレイアウトなどを見直すことをおすすめします。

 師走の忙しい時期ですが、一年の締めくくりとして、また大掃除を兼ねて実施してみてはいかがでしょうか。

2015年11月30日月曜日

最低賃金1,000円の衝撃

 今回、政府がまとめた「一億総活躍社会実現への緊急対策の中に、最低賃金を1,000円にする目標が掲げられています。

 最低賃金を毎年3%程度ずつ引き上げて、2020年ごろに平均で1,000円にするというものです。この最低賃金1,000円の政策は民主党政権の時代にも打ち出されたことがありました。

 現在の全国平均の最低賃金は798円ですので、単純計算で平均200円もアップすることになりますが、これはコンビニ経営を大きく圧迫する材料です。

 多くの中小・零細企業の中では、現在、最低賃金に張り付いている状況のコンビニ業界が最も打撃を蒙るといっても言い過ぎではないでしょう。

 また、平均賃金の上昇に合わせて103万円・130万円の壁を取り払わなければ、勤務時間を減らさざるを得ない従業員が増えて、さらに人手不足に拍車がかかる事態になりかねません。

 単に人件費が上昇する以上の負荷が加盟店にかかる恐れがあるのです。

 残念ながら、加盟店にはこの政策に対抗する術がありません。

 各チェーン本部の知恵と政治力に期待するしかなさそうです。

2015年11月26日木曜日

着替え時の出退勤登録のタイミングは?

 皆さんのお店では、出勤登録(スキャンやタイムカード登録)をするタイミングをユニフォームへの着替えの前と後のどちらにしていますでしょうか?

 私がいたお店では、当たり前のように着替えの後に出勤登録をさせていました。本部のマニュアルでもその順序になっていたと思います。

 そもそも着替え時間は労働時間に含まれるのでしょうか?

 労働基準法では、仕事においてユニフォームの着用を義務付けている場合には、着替えに要する時間は労働時間として取り扱われるとしています。

 つまり、労基法にのっとれば、出勤登録後にユニフォームへの着替えをするのが正しい順序ということになります。

 何か釈然としない気分になった方が多いと思います。

 労働基準法に照らしてみると、今まで当たり前のようにやってきたことが実は法令違反だったというようなことは1つや2つではないはずです。

 最近の「ブラックバイト」報道や、学生さんを中心としたアルバイトさんの権利意識の高まりが報じられる中で、経営する側の人間にとっても、労働基準法に関する正しい知識を持つことは重要だと言えるでしょう。

2015年11月24日火曜日

インバウンドへの懸念

 この連休を利用して、高校生の息子と3ヶ月ぶりに上京しました。

 今回は銀座、東京、秋葉原、渋谷、原宿、新宿を歩きました。昔の銀座と違って、街を歩く外国人の多さには驚きました。街が観光地化している印象をもちました。

 中国人を筆頭に、買い物をする外国人の姿は多く見られましたが、マスコミで報じられるような「爆買い」のような光景はあまり目にしませんでした。

 中国からの旅行客については、もう消費の峠は越しているのではないでしょうか。

 今までの延長線で大量消費を期待して投資をしても、今後はそれが逆にリスクとなるかもしれません。爆買いで利益を上げた企業ほど今後の見通しを誤ると大きな痛手を蒙ることになるでしょう。

 今回巡った中で、昔とあまり変わらない印象だった街は原宿です。圧倒的な中高生の人数の中で外国人の姿はあまり目立っていませんでした。

 原宿に集まる若い人たちの姿を見ると、日本は「少子高齢化」とはまったく無縁であるかのような錯覚を起こします。

 経済を語るときにはどうしても「少子高齢化」「人口減少」などのキーワードが出てきてしまいますが、若い世代の人々が将来に希望を持ち、しかも経済的に安定して暮らせるような環境にならない限り、日本の活力は取り戻せないような気がします。

 東京五輪が終わり、インバウンドの嵐が過ぎ去ったあとの日本を想像すると、少し寒々とした気分になります。

2015年11月17日火曜日

繁忙期への備えと懸念

 師走を目前にして、いよいよお正月までの繁忙期が到来します。

 まずは、スケジュール管理が重要でしょう。人員に余裕がない中で、効率的なシフトを組むにはスケジュールとの連動が欠かせません。

  • 本部やメーカーによる各種セール、キャンペーン情報
  • 昨年の日別・時間帯別の客数・売上データ、予約の実績
  • 昨年の記録(日誌など)

 こうしたものを元に、カレンダーや手帳に情報を集約していく作業が必要でしょう。

 これに今年の販売目標や売上予測などを加味した上で、日々のシフトを組み上げていく流れになると思います。

 その中で、クリスマスケーキなどの予約商品に関連する作業量は、獲得数によっては膨大なものとなるでしょう。それによって必要となる人員も大きく変わるでしょう。

 これは、人手不足でシフトに余裕がない状況にあるお店にとっては大きな懸念事項です。

 予約商品に対応する人員が確保できないお店は、オーナーさんやご親族、従業員さんの身体を泣かせて対応するか、予約獲得数の水準を下げるかのどちらかしかないでしょう。

 「ブラックバイト」問題が報道される中で、前者の方法はお店にとってのリスクがあまりにも大きいと思います。

 人手不足の問題はチェーンや業界をあげて取り組まない限り、多くのお店で弊害を招き、やがてはコンビニ衰退の原因にもなりかねない大問題だと言えるでしょう。

2015年11月14日土曜日

廃棄率を下げるには

 人手不足最低賃金上昇などコストが増大する環境にあって、お店利益を確保するためには廃棄率の低減は重要な課題でしょう。

 廃棄のコントロールを考えるときに、私たちはどうしても「発注数」という数量に目が行きがちです。今日は「鮮度」「販売期限」の視点から考えてみたいと思います。

 セブン-イレブンの場合、弁当には「チルド弁当」というカテゴリーがあります。

 温度管理帯レンジアップ必須の点で通常の弁当とは異なりますが、価格が比較的安いうえに味が良いものが多く、以前の私は好んでよく食べていました。

 お店側からみたチルド弁当の魅力は販売期限が長いことです。そのため、あまり品切れに神経を使うことなく、ある程度の在庫量を持つことができるのです。

 これはお店経営の視点からも重要で、大きなメリットです。私は店長時代に意識してこのチルド弁当の拡販に努めました。

 弁当の中でチルド弁当が占める割合が大きくなるほど、弁当全体の廃棄率は下がり、品切れも起こりにくくなるからです。

 ところで、タイには工場の製造ラインに7人の従業員で1日10万食の弁当を作る技術を持つCPグループという最大財閥があるそうです。タイ国内でセブン-イレブンの運営もしているようです(本日の日経11面)。

 CPグループは殺菌工程に特許技術を持ち、この技術を使って製造した弁当や惣菜は常温で1年間保存できると記事には出ています。

 商品のメニューを日本人の口に合うように改良できれば、廃棄率低減や廃棄物削減にも寄与する商品に育つ可能性があるのではないでしょうか。

2015年11月9日月曜日

今、最も注目している力士

 最近の大相撲で注目している力士がいます。『嘉風』関です。

 大分県出身の33歳、身長177cm、体重148kgの小兵ですが、2014年5月場所で初めて三役(小結)となった遅咲きの力士です。

 今年に入ってからは勝ち越しを続け、先場所は2横綱2大関を破って大活躍、小結に返り咲いた今場所でも初日から横綱、大関を次々と倒し、勢いは止まりません。

 33歳ともなれば、たいていの力士は相撲に若々しさがなくなってきて魅力を失うものですが、最近の嘉風関は持ち味の突き押し相撲に磨きがかかり、観ていて非常に気持ちが良い相撲をとります。

 殊勲インタビューなどを観ると、快進撃の裏には嘉風関自身の心境の変化があるようです。

 「相撲を楽しむ」「自分の相撲をとり切る」といったような発言もよく目にします。他の力士のインタビューとはかなり違った趣きで、サッカーの本田選手のような「自己啓発的なにおいを感じます。

 心の持ち方を変えるなどの精神的な変化が今の嘉風関の快進撃を生んでいるような気がします。

 もし、嘉風関が本を出版するようなことがあったら、ぜひ読んでみたいと思います。

 それから、長野県出身の新入幕力士、『御嶽海』関も応援しています!

2015年11月7日土曜日

社労士試験の受験結果

 今年の社会保険労務士試験の結果が昨日発表されました。

 私の結果は残念ながら不合格でした。

 結果を見て一番驚いたことは、2.6%という試験史上最低の合格率です。これまでの平均で約7%、昨年9.3%の合格率から一気に下がる結果となりました。

 来年以降も低い合格率が続くことが見込まれるという情報も出ています。

 これによって来年の受験を諦める人が出てくるかもしれませんが、私はかえってやる気が出てきました。難関試験ほど合格した時の喜びは大きいだろうと思うからです。

 実際に本試験を受けたことで、私自身の課題も明確になりました。

 すでに来年に向けた学習をスタートしていますが、毎日の取り組み内容を当ブログでも掲載していきたいと思います。

2015年11月3日火曜日

セブン-イレブンとローソンの廃棄本部負担の違い

 セブン-イレブンローソンには加盟店に対して不良品(廃棄、見切り処分)の一部を本部が負担する支援策があります。

 ホームページを確認しますと、

セブン-イレブン (Aタイプ、Cタイプ)

 不良品原価の15%を本部負担


ローソン (FC-Cnタイプ)

 商品売上高に対する次の率の範囲において、所定の負担率を乗じた合計金額の原価相当額を本部が負担
  • 2.0%を超え、3.0%以下の部分: 20%
  • 3.0%を超え、4.0%以下の部分: 30%
  • 4.0%を超えた部分: 55%

となっています。

 セブン-イレブンの場合は、1ヶ月間に出た廃棄の原価相当額の15%を本部が負担するシンプルな計算式ですが、ローソンの計算式はややわかりにくいものになっています。

 「商品売上高に対して廃棄・見切り額(売価)が何パーセントになるかによって、段階的に本部負担の比率を変える計算式には課題があると思います。

 「商品売上高」にはタバコ等の売上を含んでいると思われますが、タバコの扱いの有無によって実質的な廃棄・見切り額の比率は大きく異なるものとなるでしょう。同じ基準で算出した場合には、タバコの扱いの無いお店のほうが有利になるはずです。

 デイリー商品の発注管理において重要な指標となる「廃棄率」は発注した商品に対しての廃棄商品の割合を表しますが、ここから考えれば、本部負担はセブン-イレブン方式のほうが親切なような気がします。

2015年11月1日日曜日

ミニ保育所とのコラボの可能性

 今日の日経新聞1面に「ミニ保育所に補助金」という記事が載っています。

 これは政府が少子化対策の一環として、10人程度の少人数の子どもを預かる「ミニ保育所」の建設に補助金を支給するという政策です。国と自治体で建設費の75%を助成する案が出ているようです。

 記事によりますと、保育所に入れない待機児童は約2万3000人で、0~2歳児が全体の85%を占めており、ミニ保育所を増やすことで乳幼児を育てながら働けるような環境の整備を進めるとのことです。

 マンションの一室で運営可能なミニ保育所が都市部では増えているとのことですが、ミニ保育所は敷地面積に余裕があるコンビニエンスストアとの親和性が高いような気がします。

 乳幼児を預ける保護者、コンビニエンスストアそれぞれのメリットを考えてみますと、

保護者
  • 駐車場があるので子どもの送り迎えがラク、しかも便利
  • コンビニの隣りという安心感
コンビニ
  • 保育所職員や保護者らによる関連購入が見込める
  • 保育所に子どもをもつ母親などを採用できる可能性が広がる

 コンビニの隣りにミニ保育所があることのメリットは意外に大きいものがあるのではないでしょうか。これからの時代は、「職住接近」ならぬ「職育接近が重要なキーワードになると思います。

 こうした取り組みに最も敏感に反応しそうなのは、ローソンさんあたりかもしれません。

2015年10月28日水曜日

ブラック企業大賞にセブン-イレブン・ジャパンがノミネート

 今年のブラック企業大賞にセブン-イレブン・ジャパンなど6社がノミネートされたという発表が昨日ありました。

 「ブラック企業大賞」は弁護士やジャーナリストなどで構成される企画委員会によって選ばれるもので、今年で4回目ということです。

 過去には、東京電力(2012年)、ワタミフードサービス(2013年)、ヤマダ電機(2014年)が大賞に選ばれています。

 発表によりますと、セブン-イレブン・ジャパンがノミネートされた理由の中に、
業界にブラックバイトが蔓延るのは、本部が加盟店主らから過酷な搾取を行い、そのしわ寄せが学生アルバイトに及んだ結果であるとも言える
 とあります。

 これは普段、新聞やテレビなどのマスメディアでは目にすることのない痛烈なフレーズです。今回のブラック企業大賞についてマスメディアが取り上げることはまずないでしょう。

 今回ノミネートされた6社の中では、事業規模や社会に与える影響度を考えると、セブン-イレブン・ジャパンが大賞に選ばれる可能性があるかもしれません。

 過去にノミネートされた企業の中にはその後、様々な理由で業績を悪化させた企業が少なくありません

 今回のノミネートについては、会社としての一大事と受け止める必要があるように思います。

2015年10月27日火曜日

日誌のすすめ

 私が習慣づけたいと思うものの1つに「日記をつける」というものがあります。

 三日坊主の性格の私は、今までに継続して日記をつけたことがありません。そんな私でも店長を務めていた6年半は「日誌」を欠かさずつけていました。

 本部の店舗経営相談員が担当店の数値を把握することは日課となっていますが、私もこれだけは習慣づいていたからか、日誌をつけることは苦になりませんでした。

 毎日記録していた内容は、天候・気温、売上、客数、前年比、不良品金額、現金過不足、その他特記事項(イベントや予約など)です。Excelシートに記入し、累計、月間合計や昨年との対比が常にできるようにしていました。

 これ以外にストアコンピュータのデータを使って、毎月のPOS-PMA(商品動向分析)を情報分類ごとに記録し、月別推移や前年比が一覧できるシートも作成していました。

 本部担当者による分析のみに頼らず、自店の数値上の問題はできるだけ早く把握するように努めていたからです。

 これからの時代を見据えて、皆さんに記録を是非おすすめしたいデータがあります。

 それは、お店主体者(オーナーさんご夫妻、店長さん)の毎日の労働時間(出退勤時刻)と業務内容です。手帳や日記帳などの片隅に簡単にメモする程度で良いと思います。

 この記録は何かあったときにご自分の身を守るものになるかもしれません。

 業界内で自分の身を守ってくれる後ろ盾を一番持っていないのが加盟店のオーナーさんご夫妻であり、店長さんだと言えるでしょう。

 どのような状況にも対応できるように、普段から自分の身を守るための備えをしておくことは大切だと思います。

2015年10月26日月曜日

ファミリーマートの新配送サービス

 ファミリーマートヤフー伊藤忠商事と提携して新しい配送サービスを来春から始めると報道されています。

 ヤフーオークションで取引される商品をファミマの店舗から発送したり、受け取ったりできるサービスとのことで、既存のファミマの物流網を活用するというのがポイントです。

 現状でもヤフオクの出品者は落札された商品をファミマから発送できるサービスがあるようですが、落札者は出品者に個人情報を知らせずにファミマで商品を受け取れるようになるということで、このサービスに魅力を感じる人は多いのではないでしょうか。

 24時間いつでも都合の良いときに近所のコンビニから商品を発送したり、商品を受け取ったりできることは出品者、落札者双方にとっての大きなメリットですが、ヤフオクのシステムにこのサービスが加わって、決済や配送伝票発行、落札者との連絡などの手続きが簡単になればさらに利用は進むでしょう。

 私の勝手な予想ですが、オムニチャネルなど現在各社が強化しているネットショッピング関連のサービスよりも、オークション関連のサービスのほうがコンビニでの利用件数は多くなるのではないでしょうか。

 今回のこのサービスを含めて、最近のネットショッピング関連サービスなどで各社が提携する背景には配送ドライバーの人手不足の問題があるようです。

 コンビニを取り巻く業界の人手不足が新たなサービスを呼び込み、それによってコンビニ店舗の業務量が増えることでさらにコンビニ業界の人手不足の状況が悪化するという負のスパイラルに陥っているというのは言い過ぎでしょうか。

2015年10月21日水曜日

日本年金機構からのアンケート調査

 先週あたりに、日本年金機構から『厚生年金保険・健康保険の加入状況の確認について(お願い)』という書類が届いているお店があるようです。

 これは社会保険の加入状況を確認するためのアンケートという形をとっていますが、社会保険に加入していない事業所を日本年金機構が特定したうえで、社会保険加入に向けた対策の一環として行っているものと思われます。

 私は専門家ではありませんので断定的なお話はできませんが、現在得られる情報からの推測ということで書きたいと思います。

 厚生労働省は社会保障の財源確保のため、今年から社会保険未加入の事業所への対策を強化しているようです。社会保険加入促進のために通常の5倍の約100億円の予算をつけたという情報があります。

 社会保険加入促進についての流れは以下のようになるものと推測されます。

  1. 国税庁が持っている納税データを共有して社会保険未加入事業所をリストアップ
  2. 民間委託業者を使い加入勧奨を行って自主的な加入を促す
  3. 自主的に加入しない場合、日本年金機構の職員が指導を行う
  4. 指導に応じない事業所には職員が立入検査し、職権により強制加入の手続きを行う

 強制加入となれば、過去2年分に遡って社会保険料を納付しなければならなくなる事態が想定されます。

 マイナンバー制度での社会保険データとの紐付けは2017年1月からの予定となっているようですが、それを待たずして社会保険未加入事業所への対策はすでに動き始めているといってよいでしょう。

2015年10月19日月曜日

ある女性がクレーマーとなったきっかけ

 今日の新聞に、うそのクレームをつけて現金や商品を騙し取ったとして女性が兵庫県警に逮捕されたことが報道されています。

 容疑者の女性は、ケーキに髪の毛が入っていたなどと電話でうそのクレームをつけ、過去500回ほど成功したと供述しているそうです。

 3ヶ月の間に42都道府県の2000店以上に電話をかけ、現金や商品計61万円相当を搾取したということです。

 新聞記事にはこの女性が詐欺を行うきっかけとなった出来事が書いてあります。
2013年に大阪市内のケーキ店で購入した際、髪の毛が入っているとクレームをつけたところ、レシートや現物を見せることなく店からおわびの商品をもらえたことがきっかけになった

 基本を外したお店のクレーム対応がこのようなクレーマーを生んだという一面があるのかもしれません。

 クレーム対応はとても神経を使うものですが、早く処理をしようとして必要な手順を省略したりすれば、却って事態を厄介なものにしてしまうということでしょう。

 クレーム発生時の対応については、日頃から全スタッフを含めて確認しておくことが重要だと思います。

2015年10月16日金曜日

ファミリーマートとユニーが経営統合の基本合意

 ファミリーマートとユニーグループ・ホールディングスが来年9月に経営統合することで基本合意したと発表されました。

 来年4月に経営統合の契約締結をする運びとなっているようです。

 統合に向けての様々な課題がある中で、コンビニ事業のブランド一本化は最も大きな課題でしょう。

 都道府県別に見ますと、サークルKサンクスがファミリーマートを店舗数で上回っている県は11あります。その中で、愛知県はファミリーマート558店に対してサークルKサンクスが1,200店と圧倒しています(2015年3月現在)。

 この愛知県のサークルKサンクスの店舗数は、大阪府のファミリーマートの店舗数とほぼ同じです。

 愛知県の両社の出店状況にもよりますが、統合によって実現できる規模は単純に両社の店舗数を合わせたものとなるわけではないでしょう。そこには様々な課題があるはずです。

 今回の経営統合の成否を占う上で、愛知県の両社の統合がどう進んでいくかが重要なポイントとなるでしょう。

 その際には、両社の加盟店オーナーに配慮した手続きや進め方を是非していただきたいと願うばかりです。

2015年10月15日木曜日

続発する大企業の不祥事

 先日のVW(フォルクスワーゲン)のディーゼル車排ガス不正問題に続き、日本国内でも三井不動産グループが販売したマンションの基礎工事で旭化成建材がデータを改ざんした件、それに東洋ゴムでの3度目の不正発覚など、大企業による不祥事が相次いで報道されています。

 少し前には、東芝が不適切会計で世間を騒がせる事態が起きたばかりです。

 ファーストフード業界では、昨年のマクドナルドの期限切れ鶏肉の使用問題により、自社の業績に大きなダメージを与える結果となりました。

 企業が不祥事を起こす原因は様々だと思いますが、経営者から見れば「株主の存在はとても大きなものでしょう。

 株主からの無言の圧力を受けて、企業のトップは常に「株価」を気にせずにはいられないのかもしれません。

 株価を上昇させるためには、企業の業績を向上させることが一番ですが、それが難しいときには「見かけ」の業績だけでも良くしたいという発想が浮かぶのを止めることは誰もできないでしょう。

 しかし、「やってもどうせバレないのだから、少しくらいいいだろう」という考えと、「職業人としてやってはいけないことは絶対にやらない」という考えには雲泥の差があります。

 この考え方の差は、会社のトップが創業者(一族)なのか、サラリーマン社長なのかによっても異なるのかもしれません。

 ともあれ、今の大企業の思考はあまりに株主に寄り過ぎと言わざるを得ないでしょう。

 企業の本来の存在意義、経営理念に立ち返らない限り、繁栄や発展は築けないような気がします。

2015年10月10日土曜日

効果的な募集についてのヒント

 平成24年の法改正(年金制度改革関連法)により、平成28年10月からパートタイマーなどの短時間労働者に対する社会保険の適用が拡大されます。

  1.  1週間の所定労働時間が20時間以上
  2.  賃金月額8万8千円以上(年収106万円以上)
  3.  勤務が継続して1年以上
  4.  従業員数が501人以上の企業の従業員
 上記の要件に該当する短時間労働者については、社会保険(厚生年金保険、健康保険)の加入義務が生じることになります。

 従業員数が500人以下の企業については、経過措置として当分の間、従来の4分の3要件が適用されます。

 少し規模の大きいスーパーマーケットなどでは、この法改正を見越してすでにパートさんの勤務時間を週20時間未満に抑えているところが多いようです。

 仮に、年収103万円ぎりぎりまで働きたい人の場合、週20時間勤務では希望額に届かないケースが出てきます。平均賃金が低い地方で働く人の場合などです。

 この「希望額まで働きたいのに働けない人」は、私たちが募集をかける上での重要なターゲットになるような気がします。

 お店の周囲の環境に合わせて募集方法などを検討してみてはいかがでしょうか。

2015年10月9日金曜日

拡大する数値と実態との乖離

 コンビニ主要各社の2015年8月中間決算が発表されています。

 これによりますと、上位3社の営業利益は過去最高とのことで、総合スーパー事業(GMS)の苦戦とは対照的に、コンビニ各社の業績好調が印象付けられる報道となっています。

 上位3社の営業利益が伸びた要因にはそれぞれ異なる部分がありますが、新規出店によるところがかなり大きいでしょう。

 既存店ベースの売上前年比は昨年を上回っているようですが、お店の経営の実態は人手不足や最低賃金の上昇などもあって、ますます厳しいものとなってきている印象は拭えません。

 世間一般の人々からすると、新聞報道などを見れば「コンビニは儲かっているんだなあ」という印象をもつでしょう。

 でも、お店側からすると、「やることが多くて忙しくなってきている割には儲からない」というのが正直なところでしょう。

 ここに表面上の数値とお店の経営実態との間に乖離があり、この乖離は年々拡大しているような気がします。

 それと同時に、コンビニ業界の好調な業績と、お店の従業員さんの給与水準や待遇との間にも乖離・格差が広がっていると言わざるを得ないでしょう。これはフランスの経済学者、トマ・ピケティ氏が著書『21世紀の資本』で述べたことと共通するものがあります。

 全国のコンビニ店舗で働く従業員さんの数は数十万人にのぼるでしょう。70万人前後になるかもしれません。

 業界として多くの従業員数を抱えるコンビニ加盟店の待遇改善による経済効果は、国全体で見ても、決して小さなものとは言えないでしょう。

 ただ、お店の努力で従業員さんの待遇を改善できる余力のある加盟店は多くはないように思われます。

2015年10月7日水曜日

人手不足解消のためのキーワード

 人手不足解消のためのキーワード、それは『ホワイト化』ではないかと私は考えています。

 個々のお店によって差はありますが、コンビニ業界に対しては「ブラックなイメージをもつ人が世の中には多くいらっしゃるのが現状ではないでしょうか。

 「お給料が安い割には覚えることが多くて大変

 「オーナーさんから予約商品のノルマを課せられてつらい

 「急な出勤要請やシフト変更が多くて困る

 このようなマイナスイメージは、すぐに「ブラック」なイメージにつながってしまうのが今の世の中の流れでしょう。

 こうしたブラックなイメージを少しでも払拭していかなければ、募集にどれだけ費用をかけても成果にはつながりにくいような気がします。

 上記の例の1番目の対応としては、中高齢者をレジ以外の業務に限定して募集するなどの方法が考えられるでしょう。2番目3番目の例もある程度まではお店で対応が可能でしょう。

 『ホワイト化』というのは、一言でいえば「従業員に優しい」ということだと思います。

 予約商品の獲得については、お店に貢献したい、オーナーさんや店長さんを喜ばせたいという従業員さんの気持ちや主体性が先にあって、結果として獲得数が増えていくのが理想の姿でしょう。

 店長時代の私は決定的に従業員さんへの優しさに欠ける反面、ノルマを課すこともしませんでしたので、予約商品の獲得数は伸びませんでした。

 ホワイト化への鍵は、最終的にはお店主体者の従業員さんへの接し方やマネジメントに行き着くような気がします。

2015年10月1日木曜日

採用難の中でお店ができること

 現在の人手不足採用難の状況の中で、お店ができることについて考えてみたいと思います。

 まず、採用できる可能性がある人とはどういう人かを考える際に、「働きたくても働けない人」を考えてみることが必要でしょう。

 「働きたくても働けない」理由は様々でしょうが、このような悩みを持つ人はたくさんいると思います。年齢の小さいお子さんをもつ女性や、社会経験が浅く仕事に自信が持てないフリーターの方などが思い浮かびます。

 年齢の小さいお子さんをもつ女性の中には、お子さんの急な発熱や怪我などの突発的なできごとによって仕事に支障が出ることを心配して仕事に就けない人が多いでしょう。

 この場合に、お店に求められることはフレキシブルなシフト体制でしょう。つまり、急な欠勤にも対応できるシフトを組めるかどうかということです。

 社会経験が浅く仕事に自信が持てないフリーターの方には、そもそもコンビニが社会人としての基本的な技能を身に付け、将来の自分のキャリアに見通しが持てる場として認知されていないかもしれません。

 この場合には、そうしたニーズに合った研修・教育プランをお店が準備して中長期的にキャリアアップを図れる体制をつくり、それを積極的に告知していくことが重要でしょう。これは、特に20代後半~30代半ばの求職者にとっては大きな要素となるような気がします。

 このようなシフト体制や研修・教育体制をつくることは簡単ではありませんが、構築ができれば大きな差別化要因となり、人手不足解消に向けた第一歩となるに違いないでしょう。

2015年9月23日水曜日

ラグビーW杯 日本の初戦を見て

 今回のラグビー・ワールドカップで日本が優勝候補の南アフリカに勝ったことが「歴史的勝利」「大金星」として話題になっています。

 体格の劣る日本代表チームが優勝候補と言われている強豪チームに勝つのを見ると、何か突き上げるような興奮を覚えてしまいます。

 日本の勝因は様々に言われていますが、エディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)の強力なマネジメントと日頃の過酷な鍛錬が大きいようです。

 私が特に注目するのは戦術に関することです。

 体格の勝る相手に対し、腰から下の低いタックルで相手を食い止める、1人に対して2人の選手が同時にタックルするなどの練習を徹底してやったようです。

 また、日本代表チームの俊敏性を生かした戦術を意識しているとエディー・ジョーンズHCは以前のインタビューでも語っていました。パス主体の試合運びもそうした戦術の1つでしょう。

 ビジネスの世界においても「戦術」はとても重要なものでしょう。

 例えば、弱小チェーンが大手チェーンに勝つには、優れた戦略と戦術が不可欠でしょう。

 トップのマネジメントと戦術日頃の地道な鍛錬選手の意識と主体性など、スポーツの場面をビジネスの世界に置き換えながら試合観戦をしてみると、また違った味わいになるような気がします。

2015年9月16日水曜日

国民年金の改正のお話

 平成24年に年金機能強化法という法律が公布されています。この法律によって、平成29年4月から国民年金の老齢基礎年金の受給資格期間が短縮されます。

 現在は、国民年金の被保険者が将来年金を受給するためには、原則25年の受給資格期間が必要となっています。

 この25年要件が平成29年4月から短縮され、10年となります

 これは、「納付した保険料に応じた給付を行い、将来の無年金者を抑えていくという視点」からの国の措置です。

 会社員であった期間は国民年金の第2号被保険者となるため、保険料は全額納付したものとして取り扱われます。

 問題となるケースは、若い頃に個人事業(コンビニ加盟など)を始めて国民年金の第1号被保険者となった後に、経済的な事情などにより長い未納期間がある場合です。

 保険料の免除申請などをせずに保険料を納めていない期間(未納期間)は受給資格期間としてカウントされません。

 仮に、9年間保険料納付済期間があるのでしたら、これからあと1年分の保険料を納付すれば10年の受給資格期間を満たすことになります。過去に納めた9年分の保険料も無駄にはならないでしょう。

 国は将来の無年金者を減らすために、過去10年までさかのぼって未納分の保険料が納められる後納制度(今年の9月30日までの時限措置)や60歳以降も保険料が納められる任意加入の制度も設けています。

 気になる方は、役所や年金事務所に相談されることをおすすめします。

2015年9月15日火曜日

高まるコンビニの公共性への期待

 本日の日本経済新聞に、マイナンバー制度に関連したコンビニの記事が掲載されています。
財務省は消費税率を10%に引き上げる際の負担軽減策の一環として検討している税金の還付について、全国のコンビニエンスストアでも申請を可能とする方針だ。
還付申請はパソコンやスマートフォンからできるが、ネットに不慣れな高齢者にも配慮してコンビニでも可能とする。
 とのことで、現在は検討段階のようですが、これが実現する可能性はきわめて高いように思われます。

 現在の財務省案では、ネットによる還付申請手続きが大きな壁とされているようですが、コンビニのような実店舗を利用すれば還付申請手続きに対するハードルはかなり下がるでしょう。

 記事にあるように、特にネットに不慣れな高齢者は身近なコンビニを利用したいと思うでしょうし、政府としても行政コストなどから考えて、コンビニの利用を積極的に働きかけるに違いありません。

 お店の立場としては、これによってますます人的な負担がかかり、収益を圧迫する要因になることが懸念されます。

 コンビニの公共性への期待は年々高まるばかりですが、これに応えるためにかかるお店の負担とコストについて政府チェーン本部がきちんと精査をし、お店に配慮した手数料設定人的支援などを行うことが望まれます。

 現在の深刻な人手不足の状況下では、お店が公共的サービスを担う上で最も必要とされるものは「人的な支援」のように思われます。

2015年9月14日月曜日

デイリー発注担当者向けの記事を連載

 姉妹ブログ『シフトリーダーを応援するブログ』全10回にわたってデイリー商品の発注についての記事を連載しました。

 『廃棄』をメインテーマに、「廃棄」の考え方をひとつの切り口として書きました。

 店舗経営において、「廃棄」をいかにコントロールするかは最重要課題といえるでしょう。

 日々発生する「機会ロス」と「廃棄ロス」をどのようにして少なくするか、またどのようにして粗利益(売上総利益)を確保するか、その考え方について発注担当者の皆さんにも理解しやすい内容を心がけました。

 お店の利益向上の一助となれば幸いです。

2015年9月12日土曜日

ローソン社長の玉塚氏の本を読んで

 ローソン社長の玉塚氏の本を読みました(『プロフェッショナルマネジャー・ノート2』、プレジデント社)。

 以前の記事にも書きましたが、玉塚氏は私が注目している経営者の1人です。

 ユニクロで7年間、柳井氏の薫陶を受けた経営者で、風貌も若々しくエネルギッシュで、業界に何か新しい風を吹き込んでくれそうな印象を持ちます。

 書籍自体は、柳井氏の座右の書とされるハロルド・ジェニーン氏の著書『プロフェッショナルマネジャー』を、玉塚氏がご自身の体験を元に解説するスタイルとなっています。

 この本の読みどころは、第2章の『玉塚元一のビジネス理論』です。

 この中の印象的なフレーズをいくつかご紹介します。
(私は)顧問からスタートし副社長になってからも、店舗巡りを日課のように続けました。 加盟店オーナーさんたちとは、いわば運命共同体です。(中略)ひたすら店舗を回って、現場の意見を聞き続ける。今もその姿勢に変わりありません。(41ページ) 
ときおり、 店舗の経営指導を担当している若いスーパーバイザーを5、6人ずつ集めて、懇親会を開きますが、これは店舗歩きにあてる時間が減って、現場の情報が届かなくなることを防ぐための手段です。(67ページ)
 私は多くの現場を見て歩きます。そのせいでしょうか、加盟店のオーナーから「非常に親近感があり、私たちの目線で話をしてくれる」といった好意的な言葉をかけられたことも少なくありません。(72ページ)
  このように、玉塚氏は徹底した現場主義の経営者であるようです。

 先般、佐川急便を傘下に持つSGホールディングスと共同設立した新会社「SGローソン」の宅配サービスが、加盟店ではなく、SGローソンの配達員によって行われることになっているのも、加盟店の状況を玉塚氏ご自身が直接確認しているからかもしれません。

 玉塚氏がどこまで深く加盟店の厳しい現状を把握されているのかはわかりませんが、加盟店の経済的発展と地位向上につながる新たな施策が出てくるかどうかについて、今後も注目していきたいと思います。

2015年9月11日金曜日

人手不足への対応について考える

 現状では、一日の中で昼間の時間帯が比較的採用しやすい時間帯でしょう。

 人手不足への対応策の1つとして、採用しやすい時間帯のシフトを厚くし、この時間帯にお店の作業を集約するという方法が考えられます。

 お店で発生する業務には2つの種類があります。「定時業務」と「非定時業務」です。

 定時業務は、納品時の検品・品出しや鮮度チェックなど、「その時間帯」に実施しなければならない業務のことで、非定時業務は発注や清掃など、実施する時間帯にある程度の自由が利く業務を指します。

 シフトを厚くできる時間帯に非定時業務を集中させ、シフトが薄い時間帯の作業量を減らすことによって、お店全体の業務を効率化するという考えがあります。

 もう1つの考えは、「定時業務そのものをシフトが厚い時間帯に移動させるというものです。

 例えば、加工食品や雑貨などの非デイリー商品の納品時刻をシフトが厚い時間帯に移動することが考えられますが、これには本部の協力が必要となるでしょう。

 また、納品時刻の変更取引先(ベンダー)の都合をはじめ、発注・物流システムと関連するため、簡単には進まないでしょう。

 やはり、今できることは今後の雇用環境の変化を見据えて、質の高い短時間労働者を採用し短期間に育成できる仕組みを作ることと、作業割り当てによる業務の効率化を図る以外にないのかもしれません。

2015年9月10日木曜日

コンビニ業界の成長を止める2つの「不足」

 今、コンビニ業界は深刻な人手不足に陥っています。

 全時間帯で人手が足りているお店は皆無といってよいでしょう。

 特に早朝夕方~夜深夜の時間帯で人員が足りていないお店が多く、比較的日販の高いお店複数店経営のところほど厳しい状況となっているものと思われます。

 人手不足はコンビニ業界に限った話ではありませんが、加盟店の賃金福利厚生の水準は他業種と比べて大きな差があるため、長期的に見てもコンビニ業界の雇用環境は厳しい見通しと言わざるを得ないでしょう。

 これに加えて、最近の「ブラックバイト」報道など、働く側の意識の変化も雇用環境の悪化に拍車をかけています。

 これらに対して各チェーンは応募受付のコールセンターを設置するなど、改善のための対策を打っていますが、根本的な解決にはなっていないようです。

 現在のコンビニ業界の深刻な人手不足は、国の景況や雇用情勢から来ているのではなく、コンビニシステム自体が持つ構造的な問題が表面化したものであるという認識が必要なのではないでしょうか。

 付け焼き刃的な対策では、もうどうにもならない局面に入っていることを感じます。

 人手不足と並んで大きな課題となっているのが「新規加盟」の件です。つまり、オーナーのなり手となる新規加盟希望者が集まりにくい現状です。

 人手不足と新規加盟者不足、この2つの不足」が業界の成長を止める大きな要因であり、この不足を充足させるための鍵は加盟店ではなく、各チェーン本部が握っているように私には見えます。

2015年9月9日水曜日

店舗数拡大の先にあるもの

 このところ、コンビニ業界内でのチェーン合併買収のニュースが続いています。

 各チェーン本部は単なる店舗数の拡大競争を意図しているものではないと思いますが、どうしても私は、かつて(20年ほど前)のダイエー傘下にあったときのローソンがセブン-イレブンに追いつき追い越せとばかりに急激な店舗数拡大を図ったときのことを思い出します。

 その後のローソンがどうなったかはご存知の方が多いと思います。

 もちろん、当時の状況と現在とでは業界内の環境や競合状況などは異なっていますので、最近の合併や買収話がかつてのローソンと同様の結果を招くとは限らないでしょう。

 しかし、かつてのローソンが得た教訓は、「量(店舗数)より質(平均日販)」「量は質を凌駕しない」ということだったのではないかと思います。

 異なるチェーン同士の合併や吸収には、同一チェーンにおけるドミナントとは違った種類の課題があるでしょう。また、同一地区内での競合状況下では、異なるチェーンよりも同じ看板同士の方が日販に与える影響も大きいでしょう。

 今、話題に上っているチェーンの合併や吸収が今後どのように進められていくのか注目したいと思います。

2015年9月8日火曜日

社会保険料負担リスクへの対応を考える

 前回に続き、マイナンバー導入後の社会保険料負担リスクに対する備えについて考えたいと思います。

 社会保険の保険料負担については、まずはお店全体の保険料額をどのように抑えるかを考えなければなりません。

 厚生年金保険被保険者に関しては、
パートタイマー等の短時間労働者については、1日または1週間の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数が、通常の労働者のものと比べておおむね4分の3以上となる場合には、原則として被保険者として取り扱われる
とされています。

 仮に、基準となる正社員(フルタイム勤務者)の所定労働時間を週40時間、所定労働日数を月22日と考えた場合、その「おおむね4分の3未満となるパートタイム勤務者の基準は、所定労働時間が週30時間未満、所定労働日数は月17日未満となるでしょう(あくまで数字は仮定です)。

 お店全体の社会保険料を抑えるには、「被保険者の対象にならないパートタイム勤務者でいかにシフトを組むかを考えざるを得ないでしょう。そのため、従業員の人数を増やすことを要求される結果となるでしょう。

 人手不足の状況にある中で最低賃金の上昇と103万円の壁」の問題なども加わって、ますますシフトが組みづらい環境となるのです。

 厚生年金の保険料は従業員さんの負担額も大きいですので、ご本人の意見や希望も考慮に入れて、できるだけ早い時期からシフト体制を見直していくことをおすすめします。

 いずれにしても、社会保険料増大のリスクにお店だけで対応することは困難です。社会保険料相当額の本部負担など、チェーン本部としての何らかの対応が強く望まれるところです。

2015年9月7日月曜日

コンビニ経営に与えるマイナンバー制度のインパクト

 コンビニ加盟店をはじめとする中小・零細事業者にとって、マイナンバー制度の導入で最も懸念されることは「社会保険の未加入問題でしょう。

 厚生年金保険が強制適用とされる事業所は、

  • 常時1人以上の従業員を使用する法人の事業所
  • 常時5人以上の従業員を使用する適用業種個人経営の事業所

とされており、コンビニエンスストアは適用業種となるため、個人経営であっても、常時5人以上の従業員を使用していれば強制適用事業所となります。

 パートタイマー等の短時間労働者については、1日または1週間の所定労働時間と1ヶ月の所定労働日数が、通常の労働者(フルタイム勤務者や正社員など)と比べておおむね4分の3以上となる場合には、原則として被保険者として取り扱われます。

 これまでお店の事情などにより、社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入についてうやむやになっていた場合でも、マイナンバー導入後には社会保険の適用と保険料徴収についての政府の対応が厳しくなる可能性があります(社会保険のマイナンバーとの紐付けは2017年1月からの予定です)。

 現在の厚生年金の保険料率は約17.5%と、事業主と被保険者の負担には大きなものがあります。もしも強制加入となれば、過去2年間にさかのぼって保険料を納めなければならなくなる可能性もあります。

 今後、お店の収益を圧迫するものの1つに、「社会保険料」という大きなものが加わってくる可能性が高いのです。

 これにお店はどのように対応したらよいかについて、次回に考えてみたいと思います。

2015年9月5日土曜日

マイナンバー導入への備え

 マイナンバー制度の導入が目前に迫っています。

 10月に各世帯にマイナンバー(税と社会保障の共通番号)を記載した「通知カード」が郵送され、来年1月から「個人番号カード」(マイナンバーカード)の交付が始まります。

 このマイナンバー導入に関連して、お店で発生する業務が増える可能性があります。

  • 全従業員のマイナンバーの把握と管理
  • マルチコピー機での住民票発行などへの対応(一部の自治体)
などです。

 事業主が作成する源泉徴収票には従業員さんのマイナンバーを記入しなければならなくなります。また、消費税率が10%になったときの軽減税率導入に伴って、対象となる商品を販売する際にはお客様に個人番号カードの提示を求めるようになる可能性もあります。

 通知カードは10月5日時点で住民票に記載されている住所に送られますので、引越し後に住民票を移していない場合には注意が必要です。

 個人番号カードはICチップ搭載の身分証明書の役割を持つ重要なカードとなります(顔写真付きです)。後に健康保険証の機能も持つようです。

 お店で最も注意が必要な点は、マイナンバーの外部流出についてでしょう。

 従業員さんだけでなく、お客様のマイナンバーがお店から外部に流出する危険性があります。例えば、コピー機を利用したお客様が個人番号カードを原稿位置に置き忘れたような場合です。

 現状でも、運転免許証健康保険証の置き忘れなどが店内で発生することがあると思いますが、もしもお店での保管方法が原因でお客様の個人情報が外部に流出した場合には大きなトラブルに発展する危険性があります。

 こうした重要書類の保管場所お客様への連絡方法本人確認のルール作りをするなど、個人情報保護のための備えを早期に進めておくことをおすすめします。

2015年9月4日金曜日

雇用保険制度の有効活用

 社労士試験の学習範囲の中に、お店でも活用が可能と思われる雇用保険制度がありますのでご紹介します。

 <育児休業給付>

● 要件
 1歳に満たない子を養育するための休業をしたこと。休業開始日前2年間にみなし被保険者期間が通算して12ヵ月以上あること。

● 支給額(休業期間中が無給の場合)
 休業開始時賃金日額×支給日数×100分の50 (休業日数が通算して180日に達するまでは100分の67

 <介護休業給付>

● 要件
 対象家族を介護するための休業であること。休業開始日前2年間にみなし被保険者期間が通算して12ヵ月以上あること。

● 支給額(休業期間中が無給の場合)
 休業開始時賃金日額×支給日数×100分の40
 支給期間は原則として休業開始日から3ヶ月を経過する日まで)


 小規模の事業所では、通常、育児や介護による休業期間中は無給となることが多いと思います。このような場合でも、一般被保険者の申請手続きによって、上記のような所得保障が受けられる制度が設けられています。

 雇用保険には上記の給付のほか、教育訓練給付や失業時の給付(基本手当、傷病手当、高年齢求職者給付金、特例一時金など)もあります。また、様々な助成金も用意されています。

 これらの制度は在職者だけでなく、応募者に対しても安心感を与えることができるものだと思います。必要に応じ、ハローワークへお問い合わせすることをおすすめします。

2015年9月3日木曜日

オムニチャネルの行き着く先

 前回に引き続き、ネット関連サービスについて書きたいと思います。

 前回の記事で書きましたように、現在、どのチェーンもネット関連サービスの拡充に力を入れています。「オムニチャネル」はコンビニ業界ではセブン-イレブンが力を入れていますが、今回の記事はこれに限定したものではありません。

 現在は、「ユニクロ」「楽天」「Amazon」「佐川HD」など他業種との提携サービスの構築が目立っていますが、どのサービスも非食品を中心とした商品の取り扱いとなっています。

 私はいずれは、お店で取り扱っているデイリー商品もネット関連サービスに取り込まれると予想しています。

 つまり、米飯をはじめとするデイリー商品についても、お客様がネットで自由にお店と商品を選択して購入できるようになるという予想です(私の勉強不足のため、もしかしたらすでに進めているチェーンがあるかもしれません)。

 それを可能にするために必要なものとして思い浮かぶのは、物流を中心としたインフラ整備地域ごとの米飯工場等の設置でしょう。

 その意味では、チェーンの寡占化がさらに進もうとしている中で、ドミナント(地域集中出店)の要請はますます強くならざるを得ない状況となることが危惧されます。

 また、お店は配送拠点(中継地点)の機能を求められますので、宅配のニーズも強くなるでしょう。お店のコスト増大の要因がさらに増える懸念があります。

 社会に与えるネットの影響度は大きくなる一方です。物販を収益の柱とするコンビニ業界においても、ネットの影響力によって否が応にも商売の変容を余儀なくされるのかもしれません。

2015年8月24日月曜日

基本の大切さを痛感した日

 昨日、社会保険労務士試験の本試験を受験しました。

 これまでの約8か月にわたる苦しい勉強の日々がひとまず終了しました。「ひとまず」と書きましたのは、来年もまた受験することになる可能性が高いからです。

 この試験は知識の量だけでなく、「正確性」が非常に要求される試験です。例えば、「~するようにしなければならない」と「~するように努めなければならない」のような語尾の違いによって正答が変わってしまいます。「重箱の隅をつつく」ような問題が多いのがこの試験の特徴です。

 マークシート方式で、基本的には5肢の中の正誤を見極めて1肢を選択する試験ですが、非常に紛らわしい問題が多く、曖昧な知識はかえって正誤の判断を狂わせます

 「10個の曖昧な知識よりも5個の確実な知識のほうが正答率が高まる試験といえるでしょう。その中で、「自分で作った語呂合わせ」ほど頼りになるものはありませんでした。

 初学者である私がこのことに気づいたのは、6月下旬の最初の模擬試験を受けたときでした。そこから慌てて基本事項の習得に取り組みましたが、基礎部分が弱い私は、学習時間の割りには得点が伸びない結果となりました。

 やはり、仕事スポーツ競技と同様に、勉強においても「基本が最も重要であることを痛感させられました。

 知識を確実なものにするために必要なことは、反復・繰り返しの作業です。3冊の参考書を習得するよりも、1冊の基本書を繰り返しマスターするほうが基礎知識がつき、その後の応用部分の習得も進みやすくなるのでしょう。

 ついつい知識量を追い求めてしまい、同じ作業を繰り返し行うことを苦手とする私には、この試験とは相性が良くないのかもしれません。しかし、合格するまで受験し続けるつもりです。

 本試験の合格発表は11月8日(日)ですが、9月から勉強を再スタートする予定です。

2015年6月23日火曜日

災害等への備え

 最近、火山の噴火に伴う避難や警報発令、局地的豪雨による災害等が頻発しています。また、先月30日には小笠原沖でマグニチュード8.5の巨大地震が発生しました。

 今後についても、災害等が発生したときの備えが重要だと思います。

 東日本大震災発生後には本部からの指導もあり、災害発生時においてお店が備えるべきことについて確認がなされたはずですが、その後も継続して準備を行っているお店は減ってきているものと思われます。

 今一度、お店での備えについて確認をしておいたほうがよいでしょう。今回は、停電時の対応について考えてみたいと思います。

 停電が長時間にわたる場合には、商品の保冷については諦めざるを得ないでしょう。お客様とスタッフの安全と安心を確保するために、照明やレジを優先させる必要があります。

 無停電電源装置(UPS)につながっているコンセントからおでんや中華まん等のファーストフード什器の電源をとっている場合、停電時には短時間でバッテリーが減ってしまいますので、配線の確認が必要でしょう。

 緊急時には車両を使って最小限度の照明と電源を供給する必要があるかもしれません。その際には、12Vを100V電源に変換できるコンバータがあると便利でしょう。また、リールコード等の長い電源ケーブルが必要となるかもしれません。その他、懐中電灯や携帯型照明、乾電池は必須アイテムと言えるでしょう。

 災害等が発生したときに最も頼りにされるのがコンビニエンスストアです。安全を確保しながらも、できる限り営業を続けることはコンビニの宿命のようなものかもしれません。

 そのためにも、チェーン本部は災害に強い店舗をつくる必要があるように思われます。

 自家発電機の設置やソーラーパネルの災害時活用、ガソリンスタンド併設型店舗の開発促進等を図ることが望まれるでしょう。

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 私が目指している社労士試験まであと2か月となりました。試験準備に専念するため、8月末まで新規投稿をお休みさせていただきます。よろしくお願いいたします。

2015年6月15日月曜日

品減り対策の1つの方法

 お店の3大経費の中で、普段はその金額が計りにくい品減りはとても厄介なものです。

 私がお店にいた時に、多額の品減りが出たことがありました。

 チェーンによると思いますが、一般的に品減りの適正値は期間売り上げに対して0.3%以下(売価)が1つの目安となります。私は常に品減り率(棚卸増減率)0.2%以下を維持することを目標に置き、ほぼ達成できていました。

 ところが、ある時期に徐々に品減り率が上昇し始め、これに合わせるようにして、タバコの万引きが疑われる来店客が目立つようになってきました。

 タバコの万引きの常套手段は、最初にカウンター什器からタバコを取り、その後売り場を回っている間に、隙を見てポケットやバッグに入れるというものです。

 万引きが疑われる人に対しては、要注意人物としてスタッフに周知し、来店時にはスタッフ全員で警戒に当たっていました。しかし、この「お客様を疑う」ことは非常に疲れることであり、スタッフの精神的負担を重くするものでもあります。

 熟慮を重ねたうえ、タバコ什器の前面に透明のアクリル板を貼り、お客様が指名したタバコをスタッフが什器の後ろから取るという方法を考えつきました。

 しかし、ここで発生する大きな問題は、スタッフの物理的・体力的な負担が増すということです。そこで、私は主要スタッフと個別に話し合う機会を設け、スタッフの意見を聴きました。

 すると、私の予想に反して、その全員がアクリル板を貼るほうがよいと答えたのです。要は、『お客様の行動を疑うように見なければいけないのだったら、多少忙しくなったとしても、気持ちよく接客したほうがいい』という考えなのです。その考えを私はとてもうれしく思いました。

 このことを本部担当者に報告し、了解を得たうえで早速アクリル板をホームセンターで買って来て取り付けました。

 懸念があったお客様からのクレーム等もなく、タバコの売り上げが落ちることも全くありませんでした

 そして、この対応をとった後の実地棚卸では、一発で品減りが解消され、その後も異常値が出ることはありませんでした。

 品減りに悩みを持つお店では、対策の1つとして、上記方法を検討してみてはいかがでしょうか。

2015年6月8日月曜日

ブラックバイト報道に思うこと

 先週、「ブラックバイト」の問題で、個別指導塾で働く学生アルバイトさんが労働組合(個別指導塾ユニオン)を結成し、運営会社に対して団体交渉を申し入れていくとの報道がなされました。

 学習塾業界の一部には、賃金の未払い最低賃金法違反違法な長時間労働などの問題があるようです。

 これについては、コンビニ業界においてもまったく無縁のこととは言えないでしょう。

 厚生労働省が学習塾に対して指摘した違反事例(賃金未払い)の中に、「授業開始20分前に講師を出勤させ会議をしていたのに、賃金を支払わない」、「報告書やカリキュラム作成を授業の前後にさせていたのに、労働時間として認めない」というものがあるようです。

 コンビニエンスストアにおいても、例えば発注担当者が通常のシフト以外の時間帯にお店に来て発注だけを行うケースなどがあると思います。

 このようなケースは「業務」に当たるため、たとえ短時間であっても賃金を支払う必要がありますが、出勤時刻や所要時間を担当者の判断に任せているような場合には勤怠管理が疎かになる可能性があります。

 「自分のいない時間帯に来てだらだらと発注をされて、余計な人件費がかかるのは嫌だ」と内心思っている私のような腹黒い店長に対しては、それを察して発注担当者が実際に働いた時間についての申告や出退勤処理を躊躇してしまうことがあるかもしれません。善意のスタッフほど、こうした傾向があるでしょう。

 かといって、労働基準法に規定されている事項について、働く側の権利をすべて主張されてしまっては、経営が成り立たなくなってしまうお店が大半でしょう。

 労働基準法を遵守したうえで、経営がきちんと成り立つラインに乗るお店がどれだけあるのかを各チェーン本部は精査し、チェーン全体として手を打っていかなければ、今後の業界の発展と繁栄は築かれないのではと思わざるを得ません。

2015年6月3日水曜日

個人情報保護への関心の高まり

 コンピュータウイルスにより日本年金機構から年金情報が流出した件で騒ぎになっています。

 2007年に発覚した「年金記録問題」以降、年金についての話題は次第に上らなくなりましたが、来年の「マイナンバー制度」開始を前にして、再び年金問題が国民の関心を引き寄せる結果となりました。

 過去を振り返りますと、企業が個人情報を流出させる事件を起こすたびに、個人情報に対する国民の意識が敏感なものに変化してきたような気がします。

 個人情報保護に対する国民の関心が高まる一方で、個人情報を流出させた企業に対する信用は大きく損なわれ、業績への影響度も大きくなってきていると言えるでしょう。

 例えば、昨年7月に会員の個人情報を流出させたベネッセホールディングスは、2015年3月期において株式上場以来、初めての赤字決算となるほどの業績悪化に見舞われています。

 コンビニ業界では、お客様の個人情報の多くが各店舗で取り扱われ、保管されています。

 本来、お客様の個人情報は鍵のかかる場所に保管しなければなりませんが、これを徹底できているお店はどれだけあるでしょうか。

 また、ギフト注文書予約申込書には、お客様の個人情報をお店からのご案内やダイレクトメール発送のために利用してもよいかを確認する欄が設けられていますが、このことに注意を払っているお店はあるでしょうか。

 私が在籍していたチェーンでの本部指導から類推しますと、徹底できているお店は多くないように思われます。

 お店独自にできることには限度がありますが、公共料金や宅配便、各種申込書などの店控えの保管については、個人情報保護の点で問題がない方法をとることを強くお勧めします。

2015年5月26日火曜日

ブラック企業と見られる影響の大きさ

 最近、以前に「ブラック企業」として取りあげられた企業の業績不振がいくつも報じられています。

 業績不振の理由はそれぞれの企業で異なりますし、ブラック企業と呼ばれたことが業績悪化の直接の原因とは言えないでしょう。

 しかし、企業経営において、ブラック企業と見られることの影響度や危険性は、今後ますます大きくなっていくような気がします。

 恐らく、消費者(お客様)が持つ企業イメージの悪化による問題よりも、良い人材が集まりにくくなるといった企業の人的資源に直接影響が及ぶことによる問題のほうがより深刻なものとなっていくでしょう。

 これは、少子高齢化や一部の企業で進められている非正社員の正社員化・限定正社員化の流れとも相まって、より影響度は大きくなっていく可能性があります。

 私たちコンビニ業界にも、ブラック企業と呼ばれる危険性は常に存在していると言えるでしょう。

 特に、予約商品の獲得推進カウンターFF(ドーナツやおでん、フライヤー)などのキャンペーン時の売り込みについては、本部やお店のやり方次第では大きな危険性をはらんでいることを危惧します。

 数を追求するあまり、従業員さんがご本人の意思とは裏腹に、自費で多くの商品を購入するなどの行為を招いているような実態がもしあるとしたら、これはとてもブラックな状況と言わざるを得ないでしょう。

 現在のコンビニ業界は、従業員さんの働く環境を維持・向上させながら、売り上げ・利益の確保も同時に図っていくという難しい課題に立ち向かわされているのかもしれません。

2015年5月19日火曜日

人の成長を邪魔するもの

 人が成長する上で、「気づくこと」の重要性がいろいろなところで言われています。

 『人は他人によって成長するのではなく、自ら気づくことによって成長する』、『人は育てるのではなく、育つもの』などという表現もよく目にします。

 こうした表現は、子育て人材育成に関する本、あるいは心理学精神世界を取り扱った書籍にも書かれていることが多いようです。

 私自身も過去を振り返ればなるほどと思うことがありますし、お店のスタッフの成長の仕方をみて、納得することも多くあります。

 それでは、気づける自分になるにはどうすればよいのでしょうか。

 以前の記事(『成長する人の特徴』 2014.12.25)で「メタ認知」のことを書きました。自分を外から客観的にみる力・状態をいいます。これはある意味で、自分の感情から一旦離れて、自分の感情を外からモニターすることと言えます。

 めまぐるしく変化する日常生活の中で、自分の感情から離れて外からモニターするなどということは、なかなかできることではないでしょう。最近、「瞑想」などをお勧めする本が書店で目立つようになっているのも、こうしたところから来ているのかもしれません。

 人の成長を邪魔するものの中で、「思い込み」と「決めつけ」がとても大きなものだと私は考えています。「固定観念」や「既成概念」という言い方もできるでしょう。

 思い込みや決めつけがあると、物事を客観的にみることができなくなります

 ノーベル賞などで有名になる科学者や研究者の多くが「今までの常識」や「固定観念」を打ち破って大きな成果をあげています。昨年の青色発光ダイオードにおける受賞でも、実験中にミスと思われたことが大きな発見につながった事例が紹介されました。

 常識や当たり前と言われていることを疑い、思い込みや決めつけを排除して取り組むその姿勢・考え方に、大きな成果の要因があることを実感させられます。

 凡人の私としては、せいぜい自分の感情をできるだけモニターして、「今、自分はイライラしているな。いったい、どうしてイラついているのだろうなどと考えるように努めるのが精一杯だろうと「自覚」しています。

2015年5月12日火曜日

お店の最大の「武器」とは

 最近のコンビニ業界では、異業種の会社と提携をしての新たなサービス提供についての話題が続いています。

 利便性の高い場所で、高密度に24時間営業しているコンビニエンスストアのインフラに着目したこうしたサービスの開発や提供は、今後もますます増えていくことでしょう。

 このようなサービスを実際にお客様に提供するのはお店の方々です。新たなサービスの習得には大変な手間と労力がかかるものです。

 サービス業務の増大に対しては、スタッフの人数の多いお店と少ないお店とでは、対応力に差が出てくる可能性があります。スタッフの人数が少ないお店では不利になるかもしれません。

 しかし、最近の提携事例を見ても、インターネット関連だけでなく、介護や医療など全くの異業種との提携サービスも出てきています。

 こうした異業種との提携サービスをお店が提供する上では、お店のスタッフ一人ひとりの生活者・消費者としての実体験が持つ意義が重要になると私は考えています。

 例えば、スタッフご自身がネット通販を利用したり、介護の経験をしたりすることが、お店での業務においても意味を持つようになるでしょう。

 一言でいいますと、「スタッフの持つ知識の活用がお店経営において重要な鍵になるということです。

 スタッフの人数が少ないお店では、より幅広く、深い「知識」を持つスタッフをいかに配置できるかが重要になるでしょう。「身体」ではなく「頭脳」をもって対処していくともいえます。

 スタッフの皆さんそれぞれの得意分野を生かし、「そのことについてはあの人に聞けばわかると自他共に認めるスタッフを何人揃えられるか。

 そうしたスタッフのお一人おひとりが、何よりもお店の最大の武器」となるように思えてなりません。

2015年5月6日水曜日

お店セレクト商品の積極的アピール

 姉妹ブログにも書きましたが(「効果的なPOP」)、お店独自に選んだ商品のアピールは、お店の差別化を図る上で有効な手段の1つでしょう。

 お客様への商品のアピールは、とかく本部主導なものとなりがちです。そうなりますと、お客様から見れば、同じチェーンのお店であればどこに行っても同じような商品をおすすめしていることになり、あえてその個店を選択する動機は薄らいでしまう結果となるでしょう。

 同じチェーンの中で差別化を図る方法の一つとして、お店が独自にセレクトした商品を積極的にアピールするという方法が考えられます。

 例えば、「店長おすすめ」とか「担当者一押し」のように、その商品をお勧めする理由を書いたPOPを作成してお客様に提示する方法が挙げられるでしょう。

 その際に重要なことは、お勧めする人の感想感動などの個人的体験をPOPに盛り込むことです。個人的な体験は、差別化の大きなポイントの1つとなります。

 お店独自のセレクト商品を購入したお客様がその商品に対して高評価を持てば、そのお店のPOPや、お勧めした店長さん・担当者に対する信用が上がります

 この信用を積み重ねていけば、それはお店の信用にもつながる結果になり、他店との差別化をするための大きな武器となるでしょう。

 例えば、サークルKサンクスには「StyleONE」というオリジナル商品のラインナップがありますが、私が食べた冷凍商品では「枝豆」はどのチェーンよりも質が高いと思いますし、他にも108円の冷凍食品には魅力的な商品があります。

 また、加工食品では、「ビーフジャーキー」は独特の食感があり、私の息子の好物にもなっています。私も最近は「揚げ塩ぎんなん」にハマっています。

 こうした高品質なPB商品はそのチェーンにお客様を呼び込む商材となりますので、その中からお店が独自にセレクトしてアピールすることで、一層の集客効果が期待できるかもしれません。

2015年4月28日火曜日

マクドナルドから学ぶもの

 日本マクドナルドの業績がなかなか改善してきません。前年に対しての売り上げが落ち続けています。

 昨年夏以降の食肉加工工場での期限切れ肉の出荷問題や、異物混入事件が大きなダメージとなったように見えますが、一部の専門家の中には他の要因を指摘する人がいます。

 それは、前社長の原田氏が直営店のFC(フランチャイズチェーン)化を進めたことによるものです。

 原田社長の時代にマクドナルドは業績を大きく伸ばしました。経営手腕を評価する声はもちろんありますが、経営数値上の業績向上は、直営店のFC化を進めたことによるところが大きいとも指摘されています。

 コンビニ業界とも共通しますが、FC本部から見れば、自ら直営店を運営するよりもFC店を活用したほうがより大きな収益が得られるのです。

 好調な業績を背景に、原田氏のトップマネジメントが強力なものになっていき、最後にはそのマネジメント自体が原因となって、現場を疲弊させた結果が業績悪化を招いたのだと私は見ています。

 また、別の要因もあると考えています。「名ばかり店長」の処遇をめぐって訴訟が起こされたように、労務管理上の問題が会社の多くのトラブルの下地になっているのではないかということです。

 「名ばかり店長」の問題で訴訟が起きたのは2000年(平成12年)のことです。それから15年近く経って、今や会社の危機といえるほどの業績悪化に見舞われています。店舗のFC化を進めてしまった今、労務管理上の課題に取り組むには大変なコストと労力が必要でしょう。

 翻って、私たちコンビニ業界はどうでしょうか。FC店比率はマクドナルド以上に高いものとなっています。

 これからのマクドナルドの業績改善への道のりは、コンビニ業界にとっても、非常に有効なモデルケースになるのではないでしょうか。

 最近、あるFC本部と一部の加盟店との間で労務管理に関するトラブルが発生しています。現在のマクドナルドのような危機が15年後の私たちの業界で起こらないことを切に祈ります。

2015年4月21日火曜日

望ましいFC加盟店契約を考える

 今日は、「より望ましいFC加盟店契約」について書きたいと思います。

  1. 契約期間の延長
  2. ロイヤリティ(チャージ)体系の見直し
  3. 労務管理に関する事項についての本部支援
以上の3点について述べます。

契約期間の延長


 現在、FC契約期間は最も長いチェーン(セブン-イレブン)で15年となっています。この15年を最低ラインとして、できる限り長期にわたって安心して経営ができる環境をつくることが望ましいと考えます。
 その際、「契約更新」可否の判断について、本部と加盟店オーナーの双方が実質的に対等な立場で交渉できる契約内容が望まれます。
 また、中途解約契約解除にあたっては、当事者の一方に有利・不利とならないよう、違約金等は公正に定める必要があります。

ロイヤリティ(チャージ)体系の見直し


 現在の各チェーンのロイヤリティ体系には、社会環境や経済情勢の変化に対応して見直す仕組みがありません。契約時の条件によって、固定的なロイヤリティ体系が決定されます。
 物価上昇率や平均給与額、年金額等の経済指標に連動させたロイヤリティの改定基準を定める等の対応が望まれます。
 また、深夜営業については一定の基準を設けた上で、深夜営業の実施について加盟店オーナーの選択制とする等の柔軟な対応が望まれます。

労務管理に関する事項についての本部支援


 現在は、労基法に定めがある年次有給休暇の取得や、社会保険加入等の社会的要請に加盟店が十分に応えられる状況にありません。
 また、最低賃金水準を十分に上回り、他業界と比較しても遜色がない程度に加盟店従業員の賃金・待遇を保つための措置が望まれます。
 労務に関する諸法令を加盟店が遵守するための標準的な収益モデルを試算し、それをロイヤリティに反映させる、あるいは一定の補助を加盟店に対して行う等の措置が望まれます。


 本部と加盟店は共存共栄の理念の下、車の両輪となって、ともにお客様の利便性と満足度向上のために歩みを進めて行かなければ、業界の末永い繁栄は築かれないと思います。お店の疲弊がやがて業界の更なる発展を妨げる原因となることを強く危惧します。

 毎日、多くのお客様と接しているのはお店の従業員さんです。従業員さんの待遇改善を実現するとともに、長期的視点で従業員さんの育成とレベルアップを図ることがお店の、そして業界の発展・繁栄のための大きな原動力になるものと考えます。

2015年4月18日土曜日

東京都労働委員会がファミリーマートに団交命令

 東京都労働委員会がファミリーマートに対して、FC加盟店店主らで組織する労働組合との団体交渉に応じるよう命じた件が報道されています。

 加盟店店主を事業者と見るか、労働組合法上の労働者と見るかで、都労委の判断とファミリーマートの認識との間に大きな隔たりがあるようです。

 労働委員会による同様の命令は、昨春の岡山県でのセブン-イレブン・ジャパンに対するものに続いて2例目ということです。今後も同様の事案は増えていくことでしょう。

 この件で連想されるのは、以前に『名ばかり店長』として物議をかもした、マクドナルドの店長が起こした裁判です。この裁判では、マクドナルドの店長が労基法上の管理監督者に当たるのかが争点になりました。

 この裁判から引き伸ばして考えてみますと、今回のファミリーマートの件は、「加盟店店主は経営者に当たるのかどうか」が争点になるとも捉えられるでしょう。

 一言でいえば、加盟店店主は『名ばかりオーナー』なのかということです。

 「管理監督者」にまつわる他の裁判では、役職の名称にとらわれず、実態に即して判断されることが多かったようです。

 今回の件でも同様に、加盟店店主が実態として、「経営者としての業務内容や責任の範囲のほかに、経営上の重要事項についてどの程度の裁量や権限が任されていたのか、あるいは本部からの制約や干渉を受けていたのかがポイントとなるでしょう。

 そして、私が考える重要なポイントの1つは、「実態として、加盟店店主がどの程度の収益を上げられているのか」、あるいは、「その収益に対して、実際に加盟店店主がどのくらいの時間働いているのか」です。

 加盟店店主の収益を時給換算したときに、従業員さんやアルバイトさんなどと比較してさほど高くない、あるいは下回っているような実態があるとしたら、それは「経営者」「労働者」の定義をめぐることよりももっと大きな問題として、FCビジネスそのものの問題がクローズアップされるはずです。

 今回の件については、今後も注意深く見守りたいと思います。

2015年4月8日水曜日

ローソンと佐川の業務提携

 佐川急便を傘下に持つSGホールディングスとローソンが業務提携して新会社を設立することが報じられています。

 お客様がネットで注文した商品を佐川さんが店舗に届け、それをお弁当やおにぎりなどの自店で販売している商品と一緒にお店がお客様宅へ届けるというサービスを提供するようです。

 このサービスは双方の会社にメリットが期待できるからこそ開始されるものだと思いますが、お店の立場からすると、デメリットの方が気になるのではないでしょうか。

 サービスの詳細がまだわからないのですが、恐らく、お客様宅への配達はすべて店舗が行うものと思われます。配達にかかるコストについて、どのような形でお店に利益還元や支援が行われるのかが気になります。

 宅配における一番の問題は、お客様宅が留守だったときの再配達にかかる時間的・金銭的なコストです。

 再配達を避けるために、お届け時間帯を絞ってタイムリーに商品をお届けしようとすると、お店にかかる負担は増大するでしょう。

 今回の業務提携では、佐川さんは配送料金を下げてもトータルのメリットは計算しやすいと思いますが、ローソンさんの方は加盟店の収益まで考えると、そのメリットは不透明な部分が多いような気がします。

 私の個人的意見としては、楽天と日本郵便が始めた「郵便局のロッカーで24時間いつでも荷物が受け取れる」サービスのようなものがコンビニとの親和性が高いように思われます。

 ローソンの新社長の玉塚氏は、ユニクロの社長だった時から私が注目している経営者です。今回の新サービスの開始にあたって、玉塚氏が加盟店に対してどのような対応を行っていくかについては、今後も注目していきたいと思います。

2015年4月6日月曜日

ごみに関する悩み

 普段、お店が悩んでいることの1つに「ごみ」の問題があります。お客様がお店に持ち込むごみのことです。

 最近は、店頭にごみ箱を設置しないお店が多くなりましたが、私がいたお店を含め、まだ店頭に設置しているお店は多いと思います。

 できることなら店頭からは撤去したいというお店がほとんどなのではないでしょうか。ごみの片付けにかかる労力と費用は、年々増しているような気がします。

 しかし、お店には店頭ごみ箱を撤去することを躊躇してしまうそれなりの理由があるでしょう。

 1つは、店頭ごみ箱の撤去に伴って来店客数が減ってしまう恐れがあることです。実際に撤去を実施したお店の売り上げに影響があったという話も耳にします。

 もう1つは、お客様からのお店に対する印象が悪くなるという懸念です。お店の都合を優先してお客様の都合を考えていないと、お客様に受けとられてしまう心配があります。

 新店舗などオープン当初からごみ箱を店頭に設置していない場合は、こうした心配が起こりにくいのですが、何年ものあいだ店頭にごみ箱を設置していたお店にとっては、店頭ごみ箱をどうするかは大きな悩みの1つなのです。

 これに対処するには、個々のお店の対応とするのではなく、チェーンを超えてコンビニ業界全体として取り組む必要があるように思います。各チェーンが足並みを揃えて、店頭ごみ箱の撤去とごみの減量化に取り組めば、お店の大きな悩みの1つが解決することになるでしょう。

 現状を考えれば、売り上げ規模の一番大きなチェーンが音頭をとって進めていかなければ、実現は難しい気がします。

2015年4月2日木曜日

冷凍食品の利便性と可能性

 私は日常生活の中で、冷凍食品をよく利用します。

 私が感じる冷凍食品の魅力は、

  • いつでも食べたい時にレンジアップして食べられる
  • 保存性が良い
  • 1食分として考えたときの価格が安い
  • 味が良い商品が多い
  • 保存料などの食品添加物が少ない

などが挙げられます。

 スーパーマーケットなどは、どこでも冷凍食品の売り場は広くとられています。また、主食系以外に、副食系や調理素材系の商品まで幅広く品揃えされています。

 私が在籍していたチェーンでは、冷凍食品には比較的重点が置かれていたように思いますが、コンビニ業界全体としては、どちらかというと、売り場スペースを含め、アイスクリームに重点が置かれがちなような気がします。冷凍食品と比較して、アイスクリームの販売金額の方がはるかに大きいからでしょう。

 しかし、私は、お店にとっての冷凍食品が持つ潜在価値はとても大きいものだと考えています。

 まず、商品の性格上、冷凍食品は比較的お店から近いところに住んでいるお客様が購入されます。また、デイリー商品の品揃えを補完する(弁当などが品切れした時に代替となり得る)機能を持っています。さらには、上記で述べたような商品自体の魅力があります。

 品揃えを充実させることにより、近隣のお客様のリピート購入が期待でき、お店の中の他の商品と補完し合いながら、販売金額を直実に伸ばしていける可能性を持っているのが冷凍食品だと言えるでしょう。

 販売金額の小さなカテゴリーを伸ばすには根気強さとこだわりが必要かもしれませんが、成果が出るほどになれば、他店と差別化する上での大きな商材になるかもしれません。

2015年3月30日月曜日

アップルCEOの全資産寄付に思うこと

 先日、アップルのCEO(最高経営責任者)、ティム・クック氏が全資産を寄付する考えであるとの報道がありました。全資産は約143億円と試算されているようです。

 大富豪のビル・ゲイツ氏(マイクロソフト創業者)をはじめ、アメリカには高額の寄付をする実業家が多いようです。大学を創立したり、財団基金を設立したりする実業家もアメリカには多いと聞きます。

 アメリカには寄付の文化が根付いているのでしょう。また、多くの企業では当たり前のようにボランティア休暇が取られているなど、個人の所得に関係なく、他人に奉仕することに高い価値観を社会全体が持っているようです。

 日本とアメリカとでは宗教的なバックグラウンドが異なるからかもしれませんが、最近は日本でこのような話をあまり耳にすることがありません。しかし、近代の日本には大学や基金を創設する実業家が多くいました。以前の記事で紹介した藤原銀次郎氏もその1人です。

 「他人への奉仕の仕方にはいろいろあると思います。そのやり方によって、恩恵を受ける人の規模や分布も変わるでしょう。

 私たちコンビニ業界で考えるより良いかたちとはどのようなものでしょうか。

 業界全体で、1日に来店するお客様の数は膨大なものになります。そのお客様に毎日接しているのは、ほとんどが加盟店のスタッフの皆さんです。加盟店のスタッフの皆さんが長期にわたって、安心して働ける環境をつくることが最も重要で、そのためには給与や福利厚生面の待遇というものを避けて通ることはできません。

 今や社会的インフラとも呼ばれるコンビニエンスストアの存在感はますます大きくなっています。

 その中で、加盟店のスタッフの皆さんの待遇に直接つながる恒久的な施策を本部のトップが打ち出すことがもしあるとしたら、それは、社会への影響力の面でビル・ゲイツ氏やティム・クック氏を凌駕するものとなるかもしれません。

2015年3月26日木曜日

青果の可能性

 青果の品揃えに力を入れているコンビニエンスストアはどのくらいあるでしょうか。

 本部の推奨(登録)などの理由で、ほとんど品揃えしたことがない、あるいは、品揃えしていたが売れないのでやめたというお店が多いのではないでしょうか。

 私がいたお店でも、かつて青果の品揃えをしたことがありましたが、販売に結びつかなかったため、半年ほどでやめてしまった経緯がありました。

 やはり、青果となるとお客様の目利きが鋭く、品質と価格が釣り合っていないと簡単には買っていただけないのかもしれません。そもそも、本部推奨の範囲内での品揃えに限界があるのだともいえるでしょう。

 また、商品の性格上、一度品揃えしたからには気まぐれな品揃えは許されませんし、取り止めはお客様の期待感を損なうことにもなりかねないでしょう。青果の品揃えには簡単に手を付けられないのが実情です。

 しかし一方では、だからこそ青果の品揃えが他店との差別化の上で効果的だともいえるでしょう。

 スーパーマーケットの代替とまではいかないにしても、ある程度の種類とボリューム、パッケージサイズの青果を適切な価格で提供し続ければ、一定の売り上げ規模まで成長できる可能性は高いように思われます。

 また、「無農薬」や「産地」などで付加価値を付ければ、他業態とも差別化が図れるでしょう。

 収穫量や品質、価格にばらつきが出やすい青果は、本部からすると、供給量などの面で非常に推奨がしにくい商品です。販売力の強さが、逆に不利になりやすいのが青果だといえます。

 こうしたことから考えると、青果については「ではなくのチェーンやお店にチャンスがあるのかもしれません。

2015年3月23日月曜日

スーパーの代替機能としてのコンビニ

 私が住んでいる地域の24時間営業のスーパーマーケットが今月末で2店舗同時に閉店します。同じ看板のスーパーです。

 そのうちの1店舗は私の自宅から近いため、夜遅い時間帯などに利用することがよくありますが、これからは不便を感じることが多くなりそうです。

 近年、私の住む地域では地場スーパーの進出が目立っており、業界内での競争が激しくなってきています。

 消費者の立場からすると、お店の選択肢も広がって利便性も増すように感じられますが、閉店などの理由でお店の数が減ってしまうと、かえって不便を強く感じる気がします。人は、便利なことにはすぐ慣れて当たり前のように思いますが、不便なことにはなかなか慣れないものです。

 24時間スーパーの閉店で、私以上に不便を感じる消費者はたくさんいると思います。特に、他のスーパーが営業していない夜から深夜にかけての時間帯は深刻です。

 逆に、このスーパー周辺のコンビニエンスストアにとってはチャンスが広がるといえるでしょう。

 しかし、現状の品揃えの面で見れば、スーパーを利用していたお客様を呼び込むことには限界があるといわざるを得ません。本部が推奨する商品の幅(種類)と、売り場やバックヤードのスペースの問題があるからです。

 今後は、コンビニ業界内の競合だけでなく、スーパーマーケットなどの他業態を含めた、地域としての戦略が求められるようになるといえそうです。

 そうした意味でも、特に地方でのこれからのコンビニエンスストアの形態は、大型化、ミニスーパー化の方向に進化していくのかもしれません。

2015年3月19日木曜日

限定正社員化への対応

 今日は前回に引き続き、世の中の限定正社員化への動きに対して私たちができることについて考えてみたいと思います。

 世の中の限定正社員化の動きへの対策として、まず考えられるのは、こちらも同じように限定正社員化を進めることです。いわゆる「迎撃」です。

 しかし、これはお店経営に余力がないと困難です。他企業に対抗するには給与を上げるだけでなく、休日社会保険などの福利厚生面の整備も必要になります。

 私たちの業界で限定正社員化を進める上での最大の障壁となるものは、お店の契約期間の短さ(最長のチェーンで15年)ではないかと私は考えます。契約更新があるとはいえ、限定された契約期間の中で正社員を抱えることにはトップの大きな決断と覚悟がいると思います。

 他の対抗策としては、世の中の企業のさらに上を行く「働きやすさ働きがい」を私たちが追求し、提供することです。「他の追随を許さない」ことといえるでしょう。

 例えば、以前の記事(『働く側からみたコンビニの優位性とは』 2014.12.10)で述べたように、勤務時間や休日などに融通がきく体制をお店がつくり、スタッフが働きたい時間に働けて、休みたいときに休めるといった働きやすさを提供するなどです。

 お店が持つ最大の武器は、組織が小さいことだと私は考えています。小回りがきいたり、融通がききやすかったりすることが優位な点だということです。

 小が大に勝つには、「」と同じ土俵に立たず、「ならではの優位性を生かして、得意分野で当たったほうが効果的です。大きな組織には多くの社員が必要となりますが、小さな組織は少ない人員でも精鋭で当たれば成果が出せるものです。

 私たちにとっては、この「少数精鋭」が最も重要なキーワードかもしれません。

 同時に、お店のトップが直接、全スタッフと日々接することができるという小さな組織の最大のメリットを生かし、スタッフを育てつつ、スタッフ自身の「働きがい」も追求していくならば、どのような環境下でもお店は繁栄し続けていけるものと信じています。

2015年3月16日月曜日

限定正社員化の動きに関して

 このところ、小売業やサービス業を中心に、非正社員を限定正社員化する動きが活発になっています。

 東京ディズニーリゾートは希望するスタッフ全員を正社員にすると発表しましたし、ユニクロでも限定正社員の数を増やしていくことがすでに報道されています。

 「限定正社員」とは、勤務地や仕事内容、勤務時間などを限定して働く正社員をいいます。現在は、国内の正社員のうち約1割が限定正社員だということです。

 以前の記事(『人に投資するということ』 2014.12.16)にも書きましたが、少子化を背景に、特に若い世代の人材を確保するために、多くの企業がこうした動きを加速させているのでしょう。一言でいうと、「人材の囲い込み」に企業が動いているということでしょう。

 こうした動きを受けて、私たちの業界にも今後、影響が出てくることが予想されます。

 1つは採用面、もう1つは給与などの待遇面で、業界を超えてさまざまな企業と競合するようになっていく可能性があります。

 まず、採用面においては、限定正社員の候補になる人と、私たちの業界で働くスタッフあるいは働くことを希望する人とがかなりの部分で重なることによる競合が起こりえます。

 そのため、スタッフが採用しにくくなることはもちろんですが、場合によってはお店のスタッフが他の企業へ流出してしまう可能性が出てくるかもしれません。

 また、待遇面ですが、限定正社員は正社員と比べてやや待遇面が劣るとはいえ、非正社員と比べれば給与や福利厚生の点で厚待遇となるのが普通です。

 限定正社員が増えてくれば世の中全体の給与水準が上がるため、コンビニ業界の水準とはますます差が大きくなり、採用がしにくい状況にさらに拍車がかかるでしょう。

 こうした世の中の変化に対して私たちはどうすればよいか、今できることは何かについて次回に考えたいと思います。

2015年3月12日木曜日

経営統合の報道で感じる違和感

 このところ、ファミリーマートとユニーグループHDの経営統合の件がテレビや新聞等で報道されています。

 新聞記事(日本経済新聞)を見た限りでは、今までのところ、フランチャイズ・ビジネスに関する記述はどこにもありません。

 記事を読んでいると、コンビニチェーンはフランチャイズ・ビジネスの上に成り立っていることが忘れられているように感じます。まるで各チェーンが1社で成り立っているような錯覚を覚えるのです。

 コンビニチェーンが直営店のみで成り立っているレギュラーチェーンであるのなら記事に違和感は全くないでしょう。しかし、直営店の数はごくわずかで、そのほとんどが独立した事業主が経営する加盟店であるのが実態です。

 例えば、「セブン-イレブン・ジャパン」というのは本部の会社名であって、本部の収益のほとんどは加盟店からのチャージ(ロイヤリティ)で成り立っているわけですが、このことは一般の人が記事を読んでも、恐らくは思い浮かばないでしょう。

 2つのチェーンの看板が1つになるというのは大変なことです。

 加盟店契約ロイヤリティのこと、同じ地域内でチェーン間に競合状況がある場合はどうするかなど、チェーン統合には多くの課題があるでしょう。

 事業会社(本部)の経営統合をどうするかという課題よりも、加盟店の統合に関する課題のほうが重要度も、収益に与えるインパクトも大きいはずです。

 テレビや新聞等のマスコミには、加盟店の実情をもっと掘り下げて報道してほしいと強く感じますが、大事な広告主であるチェーン本部を刺激するような報道は腰が引けてしまうのかもしれないと、少し皮肉めいた気分にもなってしまいます。

2015年3月11日水曜日

シフトリーダーを応援するブログを開設

 このたび、シフトリーダー(時間帯責任者)向けのブログを新たに開設しました。

 当ブログの妹分となる、『シフトリーダーを応援するブログ』です。

 主に、作業割り当ての考え方など仕事の技術のレベルアップを目的としたブログで、時間帯の中心となって働くリーダーをメインターゲットに、できるだけわかりやすい内容にしていく予定です。

 シフトリーダーをはじめとするスタッフの皆さんのトレーニングにも活用していただけるブログを目指します。あわせてご覧いただけると幸いです。

 当ブログと並行して書いていきますので、今後もよろしくお願いいたします。

2015年3月9日月曜日

スポーツの世界から考えるトップマネジメントの形

 先週の記事で、お店スタッフをチームとして捉えると、サッカーチームの考え方や動きと共通する部分があることを書きました。

 今日は、スポーツの世界における指導者のポジションから、私たちコンビニ店舗でのトップ(主体者)のマネジメントの形を考えてみたいと思います。

 スポーツの世界では、競技種目によって試合中の指導者(監督など)のポジションは異なります。

 野球では、監督は基本的にベンチに座っていて、選手への指示はコーチ経由で出すことが多いように思います。しかし、判定をめぐる問題などでトラブルが起きたときにはグラウンドに走り寄る姿も見られます。野球で面白いのは「選手兼監督」といって、試合に出てプレーをする監督がいることです。

 サッカーバスケットなどは、監督はピッチやコートの外に立って直接選手に声をかける姿がよく見られます。ラグビーは特殊で、監督は観客と一緒に観覧席に座っていて、試合中は完全に選手と離れた場所にいます。

 スポーツでは、監督のポジションは競技種目のルールによって決まってしまいますが、コンビニ店舗での主体者のポジションはどこに置こうと自由です。ですが、お店における主体者の役割主体者自身の考え方によって、ポジションは自然と決まってくるのかもしれません。

 直接現場でスタッフに対して細かく指示を出さないと気が済まないタイプの主体者は、野球でいうところの選手兼監督に近いと言えるでしょう。

 普段の業務はすべてスタッフに任せようとする一方で、日頃のトレーニングや指導に注力するタイプの主体者は、試合を選手に任せて見守るラグビー監督のようだと言えるかもしれません。

 実際のお店では、野球サッカー、バスケットあたりのポジションをとっている主体者が多いでしょう。

 私が理想としていたのは、なぜかラグビー監督のポジションでした。自分の力の無さを省みず、ラグビー監督になろうとして、もがき苦しんでいた店長だったと言えるのかもしれません。

 試合中に直接選手に指導することもできず、選手を信頼するしかない一方で、チームや選手自身の動きや成長を少し離れた場所で確認するラグビー監督の心境は、今の私には少し理解ができるかもしれません。

2015年3月6日金曜日

コンビニチェーン2社の経営統合の報道を受けて

 本日、ファミリーマートと、サークルKサンクスを傘下に持つユニーグループ・ホールディングスの経営統合に向けた交渉が近く始まるとの報道がなされました。

 この2社には以前にも経営統合のための交渉をした経緯があるようですが、もし経営統合が実現すると、店舗数ではセブン-イレブンを若干上回り、売り上げ規模ではローソンを抜いて2位に躍り出ることになります。

 本部としては、統合によって経営の効率化を図ることで、コンビニ業界内での地位を上げようとする狙いがあるものと思われます。報道では、「生き残りを図る」という表現が目立ちます。

 規模を拡大することで、商品開発や物流などのコストが下がり、結果として経営が効率化する(収益が上がる)という本部の狙いは十分に理解できます。しかし、それは加盟店に直接(お金以外の要素も含めて)利益をもたらすものとならなければなりません。本部を含め、収益はすべてお店の現場から生まれているからです。

 具体的には、より販売力のある商品が開発されるようになったり、お店が仕入れる商品の原価率が下がったり、さらには本部に対するチャージ(ロイヤリティ)が低減されたりすることなどが期待されます。

 加盟店にとっては、チャージ(ロイヤリティ)が下がるのが最も望ましいのですが、チャージが下がることで加盟店に対する本部のサポート力が弱まる懸念もあります。本部がこれを選択することはまず無いでしょう。

 私が考える望ましい本部政策の1つは、加盟店の経営の自由度をより高めることです。

 例えば、地方の一部の店舗で深夜営業を休止するなどです。首都圏や都市部とは違い、地方の多くの店舗では深夜時間帯の売り上げは非常に少なく、お店の収益を圧迫しています。

 一定の基準を設けた上で深夜営業の実施を加盟店の任意選択とするなどは、店舗経営の自由度を高めるとともに、経営体質を強化するだけでなく、労働強化の低減にもつながります。

 セブン-イレブンを追いかけて規模の拡大を目指すよりも、加盟店の経営体質強化のために本部の経営資源を振り向けたほうがチェーンとしてのイメージ向上につながり、ひいては加盟希望者の増加にもつながり、結果的にはチェーンとしての売り上げ、店舗数の増加に寄与するのではないでしょうか。

 経営戦略には、「トップの戦略」と「2番手以下の戦略」があります。2番手以下の企業は、トップとは同じ土俵に立たず、トップが真似できない独自路線を追求することが戦略上、効果的であるように思われます。

2015年3月5日木曜日

チーム・マネジメントの考え方とサッカーとの共通点

 私が理想と考えるマネジメントの形の1つとして、「チームによるマネジメントがあります。

 これは、同じ時間帯で働くスタッフを1つのチームとして捉え、作業割り当てを含めたすべての業務をチームが主体となって自律的に進めていくというものです。トップダウンのマネジメントとは対極にあるものと言えるでしょう。

 例えば、同じ時間帯で働くスタッフを1つのサッカーチームとして考えてみるとどうでしょうか。

 ここで、ある架空のサッカー(に類する)ゲームを例に考えてみます。お店のスタッフをサッカーチーム、お客様サッカーボール、レジカウンターをゴールとしてみます。敵のチームはいない代わりにボール(お客様)は複数個あります。

 チームのメンバーは、売り場(ピッチ)補充・品出しや清掃、発注などの仕事を進めなければなりません。ただし、スタッフがいないレジカウンターにお客様(ボール)がいらしたらゴール、すなわち失点です。通常のお客様の動きと同様に、どのくらいの数のボールがいつゴールを狙うかはわかりません。

 要するに、常にお客様の動きに注意を払っていないとお客様をお待たせしてしまう、かといって、レジカウンターの中でお客様を待ち続けていては品出しなどの仕事がはかどらないという現実の状況を1つの架空ゲームとして捉えなおしてみるのです。

 このような状況下で仕事を効率的に進めながら、しかもお客様をお待たせしないようにするためには、スタッフはどのような作業分担で、またどのような配置で仕事をすればよいのでしょうか。

 この考え方そのものが、効率的な作業割り当ての実現に直接つながるものと言えるでしょう。

 その際、スタッフ同士の連携、各スタッフのポジションやフォーメーションはとても重要なポイントになると思いますが、これはサッカーチームにおいても同じことが言えます。

 お店のスタッフに求められる動きや考え方は、サッカーの試合で選手に求められるものとよく似ているのです。

 私がお店にいたときには、このような例え話を時々スタッフにしていました。お店での仕事の進め方をスポーツの世界でのことに置き換えてみると、少しは興味深く感じられるのでないでしょうか。

2015年3月2日月曜日

健康診断のお話

 突然ですが、皆さんは定期的に健康診断などを受けていらっしゃるでしょうか?

 労働安全衛生法という世間ではあまり知られていない法律があるのですが、実はその法律ではスタッフ採用時とその後、1年に1回(深夜勤務者は半年に1回)の健康診断が事業主に義務付けられています。

 この法律は、健康診断にかかる費用などを事業主が負担したり、有給で健康診断を受けさせたりすることを義務付けているというのではなく、労働基準法と関連して、「職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする」趣旨です。

 お恥ずかしい話ですが、私がお店にいたときには自分の受診はさておき、スタッフに対して健康診断の受診を積極的に勧めるようなことは全くしていませんでした。完全に各人の自主性に任せてしまっている状態でした。

 私自身はといえば、自治体の健康診断に申し込みはするものの、忙しさにかまけていつも健康診断をパスする、その繰り返しでした。

 やはり、健康のことを考えれば、法律の規定はともかく、学校で受診できる学生以外の全スタッフにはきちんと健康診断を受けさせるべきと自身の反省をこめて言わなければなりません。

 そこで一番の問題は、健康診断を受けるために開くシフトの穴をどう埋めるかということです。健康診断は当日だけ時間を空けておけばよいというものではなく、食事の制限など前日からの準備が必要なのが厄介です。

 スタッフについては人のやりくりで何とかなるかもしれませんが、お店主体者のシフトの穴を埋めるのは大変です。

 やはり、お店でできることには限度がありますので、こういうときには本部の支援が望まれるところでしょう。

 「年に1日はお店主体者に『健康診断のための休日』を取ってもらうために、本部から応援者を派遣する」などのサポートがあればとても助かります。費用面での補助があればさらに良いでしょう。

 お店に対する今後の本部支援のあり方は、法律の条文にもあるように、お店で働く人の健康と安全を確保し、快適な職場環境の形成を促進するものがより望まれるのではないでしょうか。

2015年2月26日木曜日

お店の役割に徹するということ

 人事異動などにより本部担当の方が替わることがありますが、店長として私が最初に必ずお願いしていたことがあります。

 それは、お店の役割本部の役割をそれぞれがきちんと果たすように努めましょうということです。これはすべてのフランチャイズ・ビジネスの基本の考え方と言えるでしょう。

 具体的には、本来はお店がやるべきことを本部の方にお願いするようなことはできる限りしない一方で、発注業務などのお店に100パーセントの責任がある仕事については、お店の主体性を尊重してほしいなどといったことです。

 少し理想的過ぎて、生意気に思われるかもしれませんが、これについては常に意識していました。

 たばこのキャンペーンの時などに、営業やアシスタントの方が訪問され、特設台のセッティングの提案をしてくださるような場合でも、できる限り自店で対応するようにしていましたし、営業の方には、たばこケース内の商品の陳列には一切手を加えないようにお願いしていました

 発注や品揃えはもちろん、商品をどのように陳列するかという決定の権限はお店にあり、陳列に手を加えさせることは、お店の権限の一部を外部の方に渡すことになると考えていたからです。本部担当者やお取引先の方々には、うるさい店長だと思われていたに違いありません。

 本部担当者の提案を受けて、売り場の陳列変更を実施する場合などでも、提案をそのまま受け入れるのではなく、発注担当者を中心に、自店としてのより良いかたちを検討するという手順を踏んだ後に実施することを心がけていました。面倒くさい店長だと思われていたことでしょう。

 お店の役割と本部の役割を明確にしてそれぞれがきちんと果たすということは、お互いに甘えが許されないということでもあります。

 ですが、本部の方と協力して取り組んで成果を上げたときは、そうした関係にある場合のほうが喜びや達成感はお互いに大きいと私は考えています。

 逆に、うまくいかなかったときには、本部担当者のせいにすることもできず、自己責任ということでの納得感があります。そのほうがお店は成長するのではないでしょうか。

 「フランチャイズ・ビジネスの光と影」などと言われることがあります。確かに複雑な問題もあるかもしれませんが、まずはお店と本部の役割分担の明確化と徹底が重要だと感じています。

2015年2月23日月曜日

本部担当者がお店に勝てないこと

 私がかつて本部社員としてお店を担当していた時に、「これだけはお店に勝てないと感じることがありました。お店と本部との競争や勝負などの物騒な話ではありません。

 それは、お店の人は毎日お客様と直に接していて、販売の現場を見ているということです。つまり、本部担当者よりもお店のほうが、お客様がどの商品をどのように買っているかをよく知っているのです。よりお客様に近いところにお店がいるという言い方もできるでしょう。

 今日は、発注品揃えについて、本部担当者との有効なコミュニケーションのあり方を考えてみたいと思います。

 本部担当者がお店を訪問する時には、新規商品や重点商品などの各種販売データ(PCに入っていることが多いと思います)を事前に用意した上で、売り場やお店のデータを確認します。

 例えば、地域で売れている商品があれば、その商品がどのように陳列されているか、販売状況はどのように推移しているかをお店で売り場とデータを見ることによって確認します。

 特に、地区や担当店舗の平均販売数と比較して差が大きい場合は、重点的にチェックしてアドバイスすることが担当者の重要な仕事の一つとして位置づけられるでしょう。

 この確認作業を通して、担当者からは「もっと陳列のフェースを広げましょう」とか「手書きのPOPを付けましょう」、あるいは「品切れが多いのでもっと発注数を増やしましょう」といったアドバイスを受ける場合が多いと思います。

 こうした仕事の進め方は、ある程度は効果がありますが、限界もあります。

 例えば、他店では売れていないが、そのお店では特に売れている商品が見過ごされてしまう可能性があります。そして、そういう商品にこそお店の売り上げを上げる鍵となるものが多いのです。

 この「他店では売れていないけれども当店では売れている」商品をよく分析し、当店で売れる理由を考える中に、売り上げ向上のヒントがあるかもしれません。

 この理由を考えるプロセスにおいて、本部担当者の知見に加えて、現場を踏まえてのお店の意見や見方がとても重要になるのです。

 この時に、本部担当者とどのようなコミュニケーションがとれるかによって、売り上げ・利益への効果は大きく変わるかもしれません。

 お店の現場を踏まえた意見や見方を引っ込めて、本部担当者のアドバイスに従って実施してもうまくいかなかった経験は誰にもあるでしょう。

 お客様と直接会話し、販売の現場を毎日見ているお店の人々は、もっと自信をもってよいと思います。少なくとも、発注業務は100パーセントがお店の責任と役割なのですから。

2015年2月21日土曜日

メール便廃止に思うこと

 3月末をもってヤマト運輸さんのメール便が廃止になると報道されています。

 お客様からみると、メール便は安価なうえ、とても便利なサービスです。私もお店にいた頃には、お客様のメール便への認知度が増してきていることを感じていました。

 「信書」をめぐる取り扱いで、ヤマト運輸さんが以前より総務省から指摘を受けていたことは知っていましたが、今回、メール便廃止の決断をされたことについては、個人的にとても残念に思っています。

 私が尊敬する経営者の一人に、ヤマト運輸元会長の小倉昌男氏がいます。もう10年ほど前にお亡くなりになられましたが、晩年は私財をなげうって、障がい者の自立支援のための事業に取り組んでいらっしゃいました。

 小倉さんといえば、「宅急便」サービスをスタートさせ、会社の確固たる基盤をつくられた方として有名です。

 以前に読んだ小倉さんの著書の中に、宅急便サービスの開始をめぐって小倉さんが当時の運輸省や郵政省と対立し、苦労をされたことが書かれていました。政府の規制を取り払って宅急便サービスを始めるために、小倉さんは壮絶ともいえる経験をなさったのです。

 その当時の状況と、現在のヤマト運輸さんの状況が私にはどうしてもダブって見えてしまうのです。

 今回の件は、ヤマト運輸さんにとっての、単なる一つのサービスの取り扱いをめぐる事案を超えた、会社のビジョンや経営理念にも通じる重大事として私は注目しています。

 最後に、私が読んだ小倉さんの著書を紹介します。この著書は、アメリカのMBAなどで優れたケーススタディとして取りあげられるほどの評価を受けた内容が含まれた経営書です。私はこの本を読んで、ヤマト運輸という会社が好きになりました。

 『小倉昌男 経営学』(小倉昌男・著、日経BP社)

2015年2月20日金曜日

外国人の存在の大きさと将来性

 春節を迎えた中国人が日本で大量に消費をしていることが話題になっています。

 円安を追い風に、中国の富裕層が一度に何百万円もの買い物をする姿がクローズアップされていますが、台湾などからのツアー客が四国など地方に観光で訪れている様子も紹介されていました。

 先日、息子と長野の白馬(八方尾根)にスキーをしに行ったのですが、このスキー場では外国人の姿がとても目立ちます。

 シーズンを通してスキー場の近くに滞在している外国人が多く、近隣のスーパーマーケットでは大量に買い込む外国人の姿もよく見られます。

 実際に白馬でスキーをすると感じることですが、自然景観の素晴らしさには感動すら覚えます。標高の高いところにいると、ここは本当に日本なのかという感じさえします。

 直接、外国人スキーヤーに尋ねたわけではありませんが、おそらく大多数の外国人がその景観とスキー場のスケールの大きさを理由に白馬を選んでいることでしょう。

 つまり、白馬は土地そのものに魅力があり、外国人を引き寄せるものを持っているのです。白馬に限らず、まだあまり知られていない魅力ある地は、国内にたくさんあるでしょう。

 「観光」という面でみても、日本には潜在的な価値がたくさんあるように思います。

 人口減少の局面に差し掛かった現在、経済面でも日本国内における外国人の存在感は今後も増すばかりでしょう。

 コンビニ業界としては、地方を含め、どのように外国人に絡めて需要を取り込んでいくかが鍵となるかもしれません。

 業界の繁栄のためには、首都圏に住む日本人も含めて、それぞれの地方の魅力をどのように引き出し、アピールするかが重要だと思いますが、それにはどうしても行政の力を借りる必要があるように思います。

 5年後に東京五輪を控え、今後はますます東京に注目が集まっていくことが予想されますが、今必要なことは地方の魅力の掘り起こしのような気がしてなりません。

2015年2月19日木曜日

感動的なプレゼンテーション

 昨日、たまたま観たテレビ番組(『スーパープレゼンテーション』、NHK Eテレ)で感動的なプレゼンテーションに遭遇しました。

 あの山中伸弥教授がお勧めするプレゼンで、オーストラリアの人気歌手メーガン・ワシントンさんがTEDで話したものです。

 わずか10分弱の短いスピーチでしたが、とても感動的で、素晴らしいものでした。

 人の心を打つスピーチとはどういうものかを、その真摯で、かつユーモアを交えたプレゼンを通して彼女から教わったような気がします。

 ここでは詳細を述べません。私に騙されたと思って、一度ご視聴ください。

 メーガン・ワシントン 『なぜ人前で話す恐怖の中で生き続けるのか

2015年2月16日月曜日

年金のお話

 今、私が取り組んでいる勉強は、「年金」の科目に入りました。

 まだ概要をつかんでいるところですが、お店経営にもつながる新たな発見がありましたのでご紹介します。

 「国民年金」は原則として20歳以上60歳未満の全国民が強制加入となる制度ですが、将来に年金をもらうためには、年金保険料を通算25年分以上納める必要があります。これを25年要件といいます。

 経済的な理由などで、年金の未納期間があるためにこの25年要件を満たすことができないといって、将来の年金受給を諦めてしまっている方もなかにはいらっしゃると思います。

 しかし、政府はいろいろな特例措置というものを設けて、無年金者を減らす対策をしています。

 例えば、25年要件を満たすために、65歳あるいは70歳まで年金を納めることができる「任意加入の特例制度があります。

 また、30歳未満の若年者には国民年金保険料の納付を猶予(免除)してもらえる制度もあります。この制度を利用すれば、納付を猶予(免除)してもらった期間も25年要件の期間に算入され、同じ保険料を納めていない未納とはまったく異なる扱いになるのです(猶予期間に応じて、将来受け取る年金額は少なくなります)。

 その他、所得に応じて、保険料の全額または一部(4分の3、半額、4分の1)を免除してもらえる制度もあります。

 厚生年金に加入しているお店・事業所であれば、国民年金の保険料分も含めて給与天引きとなりますので心配はありませんが、私がいたお店のように、個人事業主経営で、国民年金の納付が各従業員に任されている場合には、スタッフへのフォローが必要かもしれません。

 特に、私たちコンビニ業界には給与面で比較的不安定な若年者が多い現状を考えれば、上記のような制度をスタッフに周知して、将来の無年金者を出さないような対応がトップには求められると言えるでしょう。

 気になるスタッフには、一度、年金の納付状況についてヒアリングをしたほうがよいかもしれません。

2015年2月12日木曜日

質問の重要性

 受験勉強等において、習得の仕方に2つのタイプがあるそうです。

 1つは、教科書(参考書)をひたすら読んで記憶していくタイプ、もう1つは、問題集などを使って理解を進めていくタイプです。

 前者は、教科書の端から読んでいっても記憶していける天才型後者は教科書と問題集を往復しながら記憶していく問題演習型ともいわれるようです。

 天才型の人間はごくわずかで、ほとんどの人は問題演習型だそうです。もちろん、私も問題演習型の人間です。

 私が現在取り組んでいる試験勉強でも、問題集の果たす役割はとても大きいものとなっています。教科書を端から読み進めていっても理解は進まないので、問題集を使って、いわゆるクイズ形式で正誤の解答を確かめながら進めていきます。

 「自分が出した答えと、実際の正解とのズレを一つひとつ自分で確かめるところに意味があり、理解が進むのです。

 お店のスタッフへのマネジメントやトレーニングにおいても、こうしたことには共通する部分があるでしょう。

 仕事の指示を出す側がスタッフに対してどのように接するかを考えたときに、正解的なことを一方向で指示するのか、あるいは質問を通してスタッフ自身に問いかけさせながら、双方向のコミュニケーションをとるのかによって、スタッフ自身の成長や仕事の成果に大きな開きが出てくるのかもしれません。

 私自身は勉強に関しては問題演習型ですが、過去の仕事においては、意識しないうちに天才型を追い求めていたような気がします。

 今振り返ってみても、過去の自分のやり方に対する反省点が次々と浮かび上がってくるようです。

2015年2月9日月曜日

理解することの重要性

 資格試験に向けた準備の中で、先日から「無料Web講座」というものを使い始めました。

 どんなに丁寧に書かれている教科書であっても、下地となる知識をほとんど持たない私が精読したところで、覚えたことが頭の中に定着していかないのは当然のことかもしれません。

 しかし、プロ講師の講義を聴いた後で教科書を読んだり問題を解いたりしていくと、今までとは理解の進み方が全く違ってくるのです。

 講義を聴くためには、それなりの時間が必要になります。その時間を加えると、学習時間は2倍くらいに増える感じがします。

 最近の参考書には、試験に出やすい重要ポイントをコンパクトにまとめているものがあり、時間をかけて分厚い基本書を使うよりも、こういった本をしっかりとマスターしたほうが効率的なのでは、とつい思ってしまいます。

 しかし、私の場合はたとえ時間がかかっても、最初に理解をしてから勉強を進めたほうが結果として、はるかに効率的なのです。

 この余計にかかる時間と手間を惜しむか否かで、合格へ近づくかどうか、大きく分かれるような気がします。

 こうしたことを、例えば新人スタッフのトレーニングに置き換えて考えるとどうなるでしょうか。

 効率的に習得を進めようとして、マニュアルに従って正解的なことを教えようとするよりも、「お店での仕事の進め方やマニュアルが、なぜこうしたやり方になっているのか」などを最初に教えたほうがスタッフの仕事への理解が進み、応用もきくようになって、結果として仕事ができるスタッフに成長する可能性が高くなるのではないでしょうか。

 ただ、これには手間と時間がかかります。

 もうひとつの観点として、理解をする上での「質問」の重要性があるのですが、これについては次回に書きたいと思います。

2015年2月5日木曜日

廃棄率から考える「単品管理」

 私が在籍していたチェーンで、最も重要なこととして常に取り上げられていたテーマは「単品管理」です。

 「単品管理」という用語は、本部社員やお店の主体者には馴染みのあるものですが、お店のスタッフを含め、一般の人々にとっては、やや難しい響きを持つ言葉です。
 
 ですので、私はお店の発注担当者に対して、この言葉を使ったことが一度もありませんでした。しかし、表現自体はともかく、この単品管理の考えは、お店の利益を確保する上でとても重要なものです。

 そこで、今日は「廃棄率」という数字から、より良い単品管理のあり方を考えてみたいと思います。

 なお、廃棄率についての考え方は、今月の記事(『不良品(廃棄)データを見る際のポイント』 2015.1.22)に書いていますので、ご参照ください。

 お店の契約タイプチェーンによって、お店の利益の出方は異なりますが、ここでは例として、仮にデイリー商品の廃棄率が20%を超えると(チャージやロイヤリティを含んだ上でのお店の最終利益が)赤字になるという前提で考えてみることにします。

 例えば、ある商品を10個発注して2個が廃棄廃棄率20%)になったときに、お店の儲けがゼロになるという設定です。これを損益分岐点という言い方もできるでしょう。

 廃棄率が20%になるパターンをいくつか挙げますと、

 商品A   発注15個  廃棄3個
 商品B   発注10個  廃棄2個
 商品C   発注5個   廃棄1個

となりますが、発注数が4個以下になると、廃棄を1個出しただけでお店の利益は赤字になってしまいます。廃棄率が20%を超えるようになるからです。

 そうなると、発注数が4個以下の商品は、お店利益を確保するためには、廃棄をゼロにする、つまり「売り切る」しかないのです。

 しかし、この「売り切ることは、売り場で品切れの状態をつくることでもあります。「機会ロス」を発生させる原因にもなるわけです。

 「単品管理」というのは、究極的には、一つひとつの商品の発注を適正にして、どの商品(単品)からもきちんと利益を出すことだと私は解釈しています。

 お店の実際の利益の中身を見ると、売れ筋商品などの販売数が多い上位ランクの商品から生み出されている利益がほとんどで、販売数が少ない下位ランクの商品の大部分からは赤字が出ているのが現状です。

 これを改善する方策としては、単品当たりの販売数を高くして、単品ごとの廃棄率を下げることが重要ですが、これを実際にお店で実現するには、かなりの長い時間と労力が必要となるでしょう。

 しかし、利益はどのようにしたら確保できるのか、その理論と仕組みを理解しておくことはとても重要だと思います。

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廃棄率についての考え方は、姉妹ブログ『シフトリーダーを応援するブログ』にも載せております。よろしければあわせてご覧ください。(2015.9.8 追記)

2015年2月2日月曜日

ベストセラーの経済書が投げかけるもの

 最近、700ページものボリュームのある経済書ベストセラーになっているそうです。

 フランスの若き経済学者、トマ・ピケティ氏の著書、『21世紀の資本』です。

 私も書店でこの本を手に取ってパラパラとページをめくりましたが、私には難しすぎて触手が動きませんでした。そのうえ、値段が6,000円近くすることもあって、受験勉強中の身としては、今は購入するという選択肢はありません。

 ピケティ氏の主張する経済理論は、今までの経済学の常識を覆す内容となっていて、各界からも賛否両論が沸き起こっているようです。

 私は、ピケティ氏の理論を詳しく調べたわけではないので、いい加減なことは言えませんが、彼の主張について、私なりに次のような勝手な解釈をしています。

 それは、『今は、労働者の収入が増えるよりも、資本家の収益が増えるの方が大きい時代である』というものです。当ブログでの「廃棄率」の話題と同様に、ここでも「」が重要なポイントとなっています。

 例えば、労働者の収入が3%増えるとしたら、資本家の収益は15%増えるということです(数字は適当に書いています)。これをグラフで表現するなら、労働者の線の傾きよりも資本家の線の傾きの方が大きくなっているイメージでしょうか。

 この2つの立場での収益率の差によって、時間が経つにつれて、どんどん両者の間の格差が大きくなっていくということをピケティ氏は言っているのだと私は解釈しています。

 この「資本家労働者」を、「経営者従業員」あるいは「政治家国民」に置き換えてみると、納得できるような気がします。

 また、これを「大企業中小・零細企業」、「正社員非正社員」などに置き換えてもよいでしょう。

 そしてさらに、ここで書くことが非常にはばかれるのですが、それを「本部加盟店」に置き換えて考えてみると、さらに深い納得感を覚えてしまいます。

 こうして考えてみますと、ピケティ氏の主張は、表現は難しくても、言っている内容自体は世の中を見渡してみれば、至極当たり前のような感じがしないでもありません(ちなみに、ピケティ氏が自身の主張を、数世紀にわたる膨大なデータを示しながら行ったことが評価されているようです)。

 私は逆に、ピケティ氏の主張への反論を聞いてみたい気がします。

 ピケティ氏は著書の終わりに、格差是正の対策として、「あるもの」を主張しているようですが、これについては私がブログで書くテーマの範疇を超えていますので、もし興味がおありでしたら、著書などをあたってくださるようお願いします。

2015年1月30日金曜日

不良品(廃棄)に対する考え方

 今日は、お店の主体者や発注担当者にとって最も関心が高く、また悩みも大きい不良品(廃棄)について考えてみたいと思います。

 不良品というものは、本当に嫌なものです。「不良」という言葉自体にも、何か感じの悪い響きがあります。

 どれだけ不良品を出してもお客様は喜ばないばかりか、お店の利益を減らし、また、廃棄物としてゴミとなってしまうことにも何か後ろめたさのようなものを感じさせます。

 できることなら、不良品は限りなくゼロに近づけたいというのがお店で働く人の共通の思いでしょう。でも、現実はそううまくはいきません。

 そこで今日は、できるかぎり不良品を良いものにすることはできないかを考えたいと思います。

 私は、不良品は出るものではなく、出すもの」と考えています。また、不良品には「意味のある」不良品と、「あまり意味のない」不良品の2種類があると思っています。

 私が考える2種類の不良品の定義は次のようなものです。

意味のある不良品

  • お店として戦略的・政策的に取り組んでいるカテゴリーやアイテムから出た不良品
  • 発注担当者が情報に基づいて仮説をもって取り組んだ結果、出た不良品
  • 発注担当者の意思や意欲(売りたい、おすすめしたい)をもって取り組んだ結果、出た不良品

あまり意味のない不良品(無駄な不良品)

  • 事前にきちんと情報をとらなかったことが原因で出た不良品
  • 発注担当者の意思や仮説を伴わずに出た不良品
  • 前週や前年のデータ、過去の経験をベースにして発注した結果、出た不良品
  • 不良品となる理由を考えずに出し続けている不良品
  • 本部担当者の情報やアドバイスのみに従って発注した結果、出た不良品

 不良品に対しては、目先の売り上げを上げるための短期的な視点ではなく、中長期的な視点が必要です。

 1か月、半年、あるいは1年先のお店の品揃えをどうしていくか、また、自分の担当カテゴリーの商品をこの先どう伸ばしていくか、といった視点が重要でしょう。

 経営者の視点でみると、不良品は広告宣伝費の性格をもった経費であり、未来の売り上げをつくるための一つの「投資」とも言えます。

 「投資」をした以上は、必ず「回収」をしなければ、ただお金をドブに捨ててしまうようなものだと言っても言い過ぎではないでしょう。

 そのためにも、不良品については、まずお店の主体者がきちんと計画を立てて、毎月のカテゴリー別の不良品金額の予算を明確にすることが重要でしょう。

 そして、その予算を前提にして、発注担当者の皆さんとよく話し合うことが最も重要だと言えるでしょう。

 出た不良品を前にして、主体者と発注担当者の間で前向きな会話ができるようなら、それが理想の姿かもしれません。

2015年1月28日水曜日

横綱・白鵬の報道に思うこと

 今月の大相撲初場所で、横綱・白鵬が33回目の優勝を飾り、あの大横綱・大鵬の優勝記録を抜き、歴代トップとなりました。

 最近は、モンゴル出身の逸ノ城をはじめとする若手力士の登場で相撲界はにぎわいを見せていて、私もこのところ数場所は時々、テレビ観戦しています(子供の頃は相撲観戦が大好きでした)。

 数年ぶりに一場所15日間を通して「満員御礼」となり、相撲人気も復活してきているようです。

 ただ、この数日間は、白鵬自身の発言が物議を醸しています。

 白鵬が優勝を決めた取り組みの判定をめぐって、「物言い」がついて「取り直し」となりました。取り直しの相撲で白鵬が勝って優勝を決めたのですが、後日、白鵬がこの判定に対して審判団を批判するような発言をしたとのことです。

 今、相撲界ではあの朝青龍(モンゴル出身の元横綱力士)が巡業を休んでモンゴルでサッカーをした件以来の騒ぎとなっているようです。

 発言自体の詳細は知らないのですが、一部、人種にからむ発言もあったようで、この騒ぎは当分収まりそうにありません。

 私は白鵬の肩を持つつもりはありませんが、気持ちがわからないでもありません。何せ、誰も成し遂げなかった偉業と、過去の成績、他の力士を寄せ付けない圧倒的な強さ、風格等、どれをみてもピカイチなのです。

 これで天狗になったり、驕り高ぶる気持ちが出てきたりしてもおかしくはないでしょう。

 この白鵬の状況には、世に知られる大実業家や経営者、政治家、スポーツ選手など、名声を得た人物を取り巻く状況と共通するものがあります。

 世間にもてはやされるような状況の中で、謙虚に、自分を見失わずにいられるのは並大抵のことではないでしょう。

 ときに自分より格下の人気力士に嫉妬するような行動を土俵の上で見せたり、偉大な記録を成し遂げた直後に思わず調子に乗ったような発言をしてしまったりする白鵬に、私は人間臭さを感じ、かえって親近感すら覚えるような気持ちになったのは意外なことです。

2015年1月27日火曜日

オンデマンドの快適さとコンビニサービスとの接点

 現在、私は今夏の社労士試験に向けて準備をすすめていますが、この資格の専門講師がホームページ上でアップしている無料Web講座なるものを見つけ、早速今日から視聴をスタートしました。

 分厚いテキストと未知の試験領域を前に、毎日悪戦苦闘していますが、さすがにプロの講師の講義を聴くと、今までとは理解のし易さに大きな違いを感じます。

 YouTubeHuluをはじめ、ユーザーが自分の好きな時間に好きなだけ視聴ができる動画提供サービスが人気を集めていますが、テレビ放送などとは違って、視聴する時間の制約を受けないこのオンデマンドのサービスはとても快適です。

 都合の良い時間に視聴するための録画も必要ありませんし、動画の画面上で観たい場所へ移動もできて、とても便利です。デメリットは、必ずしも自分の観たいコンテンツが提供されるとは限らないこと、それに、ネットにつながっていなければ視聴できないことくらいです。

 最近は、多くのテレビ局でドラマを中心にオンデマンドサービスを提供しているようです。

 有料サービスとなっているものがほとんどのようですが、おそらく、多少のお金を払っても利用したいユーザーは増えていることでしょう。

 この「多少のコストがかかっても、便利で快適な方を選択・優先するという考え方をする消費者は、これから増えていくことはあっても、減ることは考えにくいでしょう。

 そこには、コンビニエンスストアを利用する消費者の心理と共通するものがあるように感じられます。

 スマートフォンやタブレットなどの携帯情報機器の便利さ、快適さと、消費者が求める便利で快適なサービスが合わさったときに、莫大な利益を生み出す可能性のある大きな市場が今後も期待されるのでしょう。

 そのような意味でも、一部のチェーン本部が推し進めている「オムニチャネル」といわれるサービスは、今後最も注目されるものなのかもしれません。

2015年1月26日月曜日

今日の出来事

 今日は、昨年10月まで私が店長を務めていたお店のスタッフの皆さんにお会いし、食事をする機会がありました。

 今日お会いした9名の皆さんのほとんどとは、3か月ぶりの再会となりました。

 私がお店を離れてからの3か月の間に、お店でどのような変化があったかを興味深く感じながら、皆さんと楽しくお話しすることができました。

 意外にも、私が予想していたよりもお店の中での変化はあまりないように感じられました。売り上げの伸びはもちろんのこと、シフトや発注体制、それにスタッフの皆さんの元気な様子はほとんど変わっていませんでした。

 これは、私にとって、とても嬉しいことです

 なぜなら、私がお店を離れた後に、売り上げだけでなく、スタッフの皆さんの働く環境や意欲が悪化するようなことがもしあれば、それは後任の店長さんの問題ではなく、きちんとしたお店の体制を構築せずにお店を去った私自身の責任となるからです。

 まだ3か月しか経っていないとはいえ、現状でお店の体制等にあまり変化がないということは、少なからず、私自身がお店でやってきたことが間違ったものではなかったと、自分に都合の良い解釈ができるからでもあります。

 もう一つ楽しいことは、私たちはもう、職場の上司、部下という関係ではなく、全く対等な人間関係の中で、お一人、お一人と接することができるということです。

 職場でのそれぞれの立場というものから全く離れて、お互いに自由に会話できることがこれほど楽しいことだとは思いませんでした。

 今日の会食は、一人の元職場仲間として、これからもときどきお店を訪れたいと感じさせる出来事となりました。

2015年1月23日金曜日

繰り返すことの大切さ

 私は現在、今夏の社会保険労務士(社労士)試験に向けて、学習に取り組んでいます。

 この試験に合格するために必要な勉強時間は、およそ800~1,000時間と言われています。試験範囲は膨大で、しかも正確な知識を要求される暗記系の試験となっています。

 基本テキストだけで1,000ページ近くある上に、その他、過去問題集などの教材も必要となります。試験科目は、労働基準法を初めとして、労災や雇用保険などの労働保険、健康保険や国民年金・厚生年金などの社会保険、それに労働と社会保険に関する一般常識が加わります。

 労働基準法の一部を除いて、基本的な知識をほとんど持たない私にとって、毎日の勉強はそれこそ苦行のようなものとなっています。

 初めて目にする用語や独特の表現に面食らうのはもちろんですが、それにも増して、年齢から来る記憶力の衰えでしょうか、前に学習したことがなかなか頭の中に定着しないのです。

 どの試験にも共通する学習方法のポイントとして、「繰り返すことの重要性が挙げられています。一度学習したところを日をおいて、その後に何度も繰り返すことで知識の定着が図れますと、様々な試験対策本にも書かれています。

 この「一度やったことをその後に何度も繰り返す作業自体が、私にとっては苦痛以外の何ものでもありません。

 しかし、これをやらないでは試験に合格できるはずもなく、そうした意味でも、試験勉強は私にとって二重の苦しみ苦行そのものとなっているのです。

 私が使っている基本テキストの最初のページに、『この試験はコツコツ努力すれば必ず合格が可能である』と書かれています。

 この「コツコツ努力する」ことの大切さは、勉強に限らず、仕事やスポーツなどの世界でもよく言われることです。

 苦行を耐え忍んでコツコツと繰り返しの学習を続けていくために、今の私に必要なのは合格への執念と強い気持ちだろうと感じています。

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 これまで平日には毎日、ブログ記事を書いてきましたが、勉強時間確保のため、今後しばらくは不定期に書いていきたいと思います。よろしくお願いします。

2015年1月22日木曜日

不良品(廃棄)データを見る際のポイント

 お店の利益確保を考える上で、不良品(廃棄)の管理は最重要テーマです。

 今日は、不良品のデータを見る際のポイントについてお話しします。

 前回の記事で述べたことと同様に、不良品データでも、「金額比率の両方を見ることが重要です。具体的には、「廃棄金額」「廃棄数廃棄率を一緒に見るということです。

 私たち、特に発注担当者にとって最も気になるデータは廃棄金額」と「廃棄数」でしょう。

 しかし、お店利益の観点から考えれば、重視しなければいけないのは廃棄率」です。ここで例をあげますが、話を単純化するために、チャージ(ロイヤリティ)は除いて考えることにします。

 ABという2つのおにぎりがあり、ともに仕入れ値は70円、売値は100円とします。

 ある期間中に、おにぎりAを100個発注し、90個販売しました。廃棄数は10個です。

 同じ期間に、おにぎりBは50個発注し、40個販売しました。廃棄数は10個です。

 この場合、廃棄金額(売価)は1,000円、廃棄数は10個で、どちらも同じですが、「廃棄率」で見ると、おにぎりAは10%おにぎりBは20%となります。

 粗利額(売上総利益)最終利益額はそれぞれ、おにぎりAは2,700円と2,000円おにぎりBは1,200円と500円になります。

 ここで注目していただきたいのは、下線を引いた最終利益額の差です。おにぎりBに対してAは、粗利額(販売数)では2.25倍ですが、最終利益額では4倍と差が大きくなります。

 ここに大きな盲点があるのです。

 廃棄金額や廃棄数の大きさに目を奪われて、見た目はその数字が小さい商品から損失を出している事実に気づかないことがあるのです。

 これが、不良品データを見る際には「廃棄率」もチェックしないといけない理由です。

 このことをデイリー商品の発注担当者が理解できれば、逆に、売れ筋商品など、販売数が多い商品の品切れが少なくなるかもしれません。

 「廃棄率」を重視し過ぎると、発注担当者が販売数の少ない商品をどんどんカット(発注休止)してしまうという危険性がありますが、こうしたことを理解した上で、データを有効に活用できればお店利益の確保に大きく貢献するでしょう。

2015年1月21日水曜日

データを見る時のポイント

 お店には、本部が用意し、いつでも誰でも見ることができるデータがたくさんあります。

 ストアコンピュータハンディ型発注機器で参照できるデータのほか、本部の担当者が用意してくださる資料もあるでしょう。

 お店では、目前の仕事に振り回されて、データをじっくり見るというようなことはなかなかできないのが現状です。

 しかし、数ある業界の中で、コンビニ業界の情報システムは最先端を行っていると言われます。各チェーン本部は情報システムに多額の投資をしており、その投資はお店からのチャージ(ロイヤリティ)で賄われていると言ってもよいでしょう。データは使わなければ損です。

 今日は、各種データを見る時のポイントをお話しします。特に、デイリー商品の発注担当者にはこれを理解してもらうことが重要だと思います。

 データは、金額比率を一緒に見ることが重要です。

 私たちは、データを見る時に「伸び率前年比を重視してしまいがちです。販売数が「何パーセント伸びた」とか、「何倍になった」とかに目が行きがちです。

 例えば、ある商品群(カテゴリー)で、A商品B商品があるとします。

 取り組み販売金額が、A商品は5万円B商品は2万円だったとします。

 取り組み伸び率(取組前比)が、A商品は120%B商品は150%になりました。

 この結果を見ると、B商品の伸び率の大きさに目が行きがちですが、伸びた金額で見ると、どちらも1万円の増加で同じとなるのです。

 「伸び率だけでなく金額も一緒に見る、伸びた金額を実際に計算してみる、といったことがデータを見る際にはとても重要なのです。

2015年1月20日火曜日

損益計算書を読む時のポイント

 今日は、損益計算書(P/L)を読むときのポイントを1つだけお話ししたいと思います。

 毎月、本部から経営資料が届いて損益計算書を見る時に、皆さんは最初にどの部分をチェックするでしょうか。

 おそらく、「純利益」(最終利益)の数字を見る方がほとんどでしょう。では、その次に見る数字はどの部分でしょうか

 私が損益計算書を見る時に、最も重視しているのは「売上比の項目に出ている数字です。

 多分、ほとんどのチェーンで、各項目の数字の横に、売上合計額から見た比率が出力されているはずです。

 この「売上比」はチェーン契約タイプによって基礎となる数字が変わってくるため、他のお店と横並びで単純比較する目的ではあまり有効ではありません(本部担当者にとっては非常に活用できる数字です)。

 しかし、自店の経営状況のどこに問題があるかを把握するためには、売上比が最もわかりやすい数値なのです。

 例えば、7~8月の繁忙期の損益計算書と、1~2月の閑散期の損益計算書を比較しようとした場合、売り上げ自体の数字に差があるため、金額を横並びで比較しても良い分析ができません

 しかし、「売上比で比較すれば、売り上げ自体の金額に差があっても、有効な分析ができます

 この売上に対する比率で数値を見ることは、他の経営資料を読むときにも役立ちます。また、特にデイリー商品の発注において、データを検証する時にも有効です。

 今度、経営資料などを見る時には、ぜひこの売上比を意識してみてください。

2015年1月19日月曜日

経営資料を理解するために必要なこと

 前回の記事で、2つの経営資料の重要性について書きました。

 今日は、経営資料を理解するために必要なことについて考えてみたいと思います。

 皆さんはP/L(損益計算書)B/S(貸借対照表)について、基礎から勉強した、あるいは教わった経験はありますでしょうか。私は、本部社員時代に初めて勉強しました。

 自身のチェーンにおける経営資料の仕組みについては、社内に昇格・昇級試験というものがあったために必要に迫られて学習しましたが、私は一般社会で使われる経営資料にも興味がありましたので、自分でも独自に本を読んだりして学んでいました。

 その中で、コンビニの経営資料の仕組みが一般で使われるものとはかなり異なることがわかりました。

 皆さんもご存知の通り、特に廃棄(不良品)や品減り(棚卸減耗費)などの会計処理の方法がコンビニは特殊なのです。

 一般に考えられる店舗経営よりもコンビニエンスストアは、利益をきちんと生み出すためには、かなりシビアな経営が求められるのです。

 これを確かめる簡単な方法は、あるデイリー商品の廃棄数が1個増えるごとに、お店の最終利益がどのように変化するかを実際に計算することです。

 まず重要なことは、自店の経営資料(初めは損益計算書だけでいいと思います)を確認し、各項目の数字がどこから来て、他の項目とどのようにつながっているか、ある項目の数字が変化した時に、他の項目の数字がどのように変化するかを見る(手計算する)ことです。

 特に、粗利益率、売上総利益額、チャージ(ロイヤリティ)率、総収入額、給料(人件費)、不良品原価、不良品原価率、営業費合計額、純利益額について、相互関係を把握することが重要です。

 経営資料を読むことに慣れない方は、最初は苦痛を感じるかもしれませんが、何度も繰り返して見ていくうちに、だんだんとわかるようになってきます。その意味では、少し発注と似たところがあるかもしれません。

 最後に、私が経営資料を理解する上で、参考になった書籍を紹介します。

 『人事屋が書いた経理の本』(協和発酵工業・著、ソーテック社)

2015年1月16日金曜日

年間計画の重要性

 このブログの最初の記事(ごあいさつ)でも述べましたが、私が店長として最もこだわっていたことは、予算の達成です。

 毎年1月のオーナーを交えたミーティングでは、私は年間の行為計画書(A4用紙1枚)とともに予算計画表P/LB/Sをベースとした毎月の数値予算)を提出していました。

 1年間の行為計画をもとに数字としての予算を立てるのではなく、毎月の予算計画をベースとして、年間の運営計画(行為計画)を立てるというのが私のやり方です。

 数字としての予算が先にあって、その予算を達成するために何をすべきかを考えて言葉で表現したものが行為計画になるという考え方です。予算が主行為計画が従とも言えます。

 私が本部社員(店舗経営相談員)と加盟店店長を経験する中で、最も重視した資料は損益計算書(P/L)と貸借対照表(B/S)です。特に本部社員時代には、この2つの経営資料の重要性について徹底的に叩き込まれました

 加盟店店長として仕事をした時に、その経験がどれほど役に立ったか計り知れません。私にそれを叩き込んでくださった元上司が私がいたお店のオーナーなのですが、その経験が店長としての私の仕事を助け、後に予算達成という形を通して、オーナーにお返しする結果となったことに不思議さを覚えます。

 どの業界、どのお店にも共通することですが、経営はP/L、B/Sに始まり、P/L、B/Sに終わると言えます。

 P/L、B/Sは店長にとっては通信簿です。経営者にとってはP/L、B/Sの数字はお金そのものです。

 自動車や飛行機で言えば、経営資料は計器類と同じです。メーター(経営資料)を見ないで車(お店)を運転(経営)すれば、車(お店)の異常に気付かずにトラブルを招いたり、ガス欠(資金ショート)を起こしたりしてしまうかもしれません。飛行機なら乗客の命の安全にもかかわるでしょう。

 年初めの月にあたり、今年の予算計画と運営方針について、じっくりと考えてみてはいかがでしょうか。

2015年1月15日木曜日

最近の異物混入事件に思うこと

 今年に入って、異物混入事件で世の中が騒がしくなっています。

 以前からも時々、異物混入のニュースはテレビ等で報道されることはありましたが、最近は少し異常とも思えるほどの発生件数、報道での取り上げられ方になっているように感じます。

 おそらく、発生件数が増加しているのは、マクドナルドなどでのケースによって消費者が過剰反応し、今までならあまり表に出て来なかったようなケースが表面化したというのも理由の1つでしょう。

 それぞれのケースで異物混入が起こった原因は異なると思いますが、どのケースでも共通している原因の1つとして、私は製造現場や店舗での職場環境に注目しています。

 職場環境として大きく捉えると、以下の3点が気になります。

  1. 従業員の待遇(給与、休日、勤務時間の長さ、交替制などの勤務形態)
  2. 従業員に対する経営者や現場の管理・監督者のマネジメントの仕方、接し方
  3. 上記2項目から来る、従業員の仕事に対するモチベーション

 これらの要素はすべて「」に関わることです。

 経営資源として、「ヒト」、「モノ」、「カネ」、「情報」があげられます。衛生管理1つ考えてみても、工場設備・機械としての「モノ」だけでなく、「ヒトの知恵や手も使わずにはそれを徹底することもできません。

 たとえ、工場の設備が最新式で異物混入が防げる対策がとられても、最後には「人」の目や手を介さないことには、こうした事件・事故は無くせないでしょう。

 こうしたことを考えますと、あらためて経営資源としての「の重要性を実感します。

 大きな設備や機械を持たないサービス業や私たちコンビニ業界は、他のどの業界よりもヒトのウェイトが高くなることを考えれば、職場環境をどう築くかはとても重要なテーマと言えるでしょう。

 上記職場環境の1点目の「従業員の待遇」については、企業や店舗を取り巻く環境(下請けなどのポジション、取引条件など)によって、自社では改善が困難な場合があります。

 そうしたところから考えると、今すぐにできることとして、2点目に挙げたトップや管理者のマネジメントのあり方がとても重要であると言うことができるでしょう。

2015年1月14日水曜日

屋根瓦式の教育法とは

 「屋根瓦(やねがわら)式教育法」という人材育成の方法があるのをご存知でしょうか。

 例えば、私たちコンビニで考えますと、高校1年生の時に入社したアルバイトさん(Aさん)が、1年経って2年生になった時に、新しく入った高校1年生のアルバイトさん(Bさん)の教育担当になります。

 そして、さらに1年が経過して高校2年生になったBさんが新しく入ったCさんの教育担当になるというように、常に新しいスタッフが新人の教育を担当するといったやり方を屋根瓦式教育法と呼びます。

 そうした教育のかたちが屋根瓦の形状に似ていることから名づけられたようです。

 この教育方式の最大のメリットは、新人を相手にして教えることによって、「教わるスタッフ以上に、教えるスタッフ自身が成長することです。

 「教えることには、実際にやった人でないとわからない難しさがあります

 私自身もお店にいた時には、この屋根瓦式を意識して、スタッフに教育担当をやってもらっていましたが、実際にスタッフに感想を聞いてみると、皆、異口同音に「教えるのは案外難しい」と言います。

 学校での授業とは違って、ビジネスの現場では、ただ教えればよいのではなく、相手が仕事をできるようになるように教える必要があります。この違いはとても大きいです。

 「仕事ができるようになってもらうには、自分はどうすればいいのか」「どのように教えれば理解してもらえるのかを自ら考えて実行する中に、スタッフが成長する大きな要因があるのです

 実際にこの教育法を試した私の経験では、もちろん個人差はありますが、高校生などの若いスタッフほど成長の度合いが大きいと感じました。

 この教育方式には、通常のやり方以上に主体者自身の関与が求められます。形式だけを真似ても、かえって教えられるスタッフの質が上がらない恐れがあることには注意が必要でしょう。

2015年1月13日火曜日

責任者が求められる時間帯

 一日の中で、時間帯責任者の存在が重要となる時間帯はどこでしょうか。

 お店の状況によるとは思いますが、やはり、夕方から夜の時間帯、それに土日、祝日が挙げられるでしょう。

 多くのお店では、早朝から夕方までの時間帯と深夜時間帯については、ある程度、スタッフが固定できていると思います。

 日中の時間帯には、5年、10年あるいは20年選手といったベテランのスタッフがいらっしゃるお店も多いでしょう。深夜時間帯についても、安定してシフトに入ってくださるスタッフがいるお店が多いと思います。

 そうなると、これらの時間帯を除いた夕方から夜まで、それにベテランのスタッフがお休みすることが多い土日、祝日のお店の状況が大きくクローズアップされることになります。

 お店でお客様からのクレームや事件が発生する可能性が高いのはこの時間帯・曜日ですし、お店の接客サービスや売り場などのレベルが低下しやすい時間帯でもあります。

 また、これらの時間帯・曜日は売り上げや客数納品量も多く、仕事量があるため、さらに責任者の存在の重要性が増すことになります。 

 ですので、土日や祝日にも勤務できるベテランのスタッフは、お店のトップから見れば、この上なく有り難い存在なのです。

 お店での私の一番の悩みは、これらの重要な時間帯・曜日ほど、長期にわたって安定してシフトに入ってもらえるスタッフが採用しにくいことでした。

 この対策として、以前のブログ記事で述べたように、意欲のあるスタッフの待遇(時給から固定給へ)を変えたり、時間帯責任者の育成に努めたりすることにしたのです。

 ずっと昔から言われ続けていることですが、夜の時間帯のお店の状況が売り上げや客数、ストアロイヤリティに与える影響は、これからもますます大きくなっていくでしょう。

 そのためにも、これらの時間帯・曜日のシフト体制をどのように築くかが重要な鍵になると言えるでしょう。

2015年1月12日月曜日

時間帯責任者(シフトリーダー)を育成するメリット

 時間帯の中心となって指揮できる責任者(リーダー)を育成するメリットとは、どのようなものでしょうか。

 スタッフの人数や採用形態(固定給者の人数など)、勤続年数などによって、時間帯責任者の必要性はお店ごとに異なると思います。また、マネジメントに対するトップの考え方の違いもあるでしょう。

 スタッフに仕事を任せることを良しとせず、トップ自らがお店全体を見て、スタッフに細かく指示を出すスタイルをとる経営者は世の中にたくさんいらっしゃいます。このタイプの経営者には、ビジネスマンとして有能な方が比較的多いような気がします。

 また、仕事をできるだけスタッフに任せて、トップはスタッフのフォローに回ることに専念するスタイルをとる経営者も多いでしょう。このタイプの経営者には、対人関係に優れ、人を上手に使って組織的に仕事を進められる方が多いといった印象があります。

 以上のように、お店のスタッフの状況や、トップの経営方針・考え方によって、時間帯責任者の必要性は異なると思いますが、私としてはどのような場合でも、時間帯責任者を育成するメリットは大きいと考えています。

 私自身のお店での経験を振り返って、そのメリットを挙げますと、

  • 時間帯責任者に仕事を任せることにより、トップ自身の時間的・精神的負担が軽くなる
  • お店全体として、仕事の質・量ともに、今までより多くのことが達成できるようになる
  • 時間帯責任者が成長するだけでなく、それに関わるスタッフも一緒にレベルアップする
  • スタッフが自分たちで考えなければいけない場面が多くなることで、スタッフ自身の仕事に対する主体性が強化される

 一方、デメリットとしては、トップと時間帯責任者との密なコミュニケーションが求められること、トップ自身に我慢や忍耐力が求められることなどが挙げられるでしょう。

 新たな商品やサービスが増え続ける一方のコンビニ業界にあって、これらに対応していくためには、否応なく、お店での組織力を生かした体制をつくる必要に迫られます。

 その対応策として、時間帯責任者に相当するスタッフを育成することの重要性は、今後も増すばかりかと思います。

2015年1月9日金曜日

シフトリーダー制における注意点

 今日は、シフトリーダー制をとる上で重要なこと、注意点について、2点挙げたいと思います。

 一つは、主体者(オーナーさんや店長さん)とシフトリーダーとの関係、もう一つは、シフトリーダーとスタッフとの関係に分けて書きます。

主体者とシフトリーダーとの関係

  • シフトリーダーを務めることの意義や、お店での役割をきちんと理解してもらう
  • 本人に期待することや目標について個人的に話し合う機会を多く設ける
  • シフトリーダーの仕事の責任範囲を明確にする
  • 主体者が決定すべきシフト、予算作成などのお店利益に直結することを丸投げしない
  • 上記以外の仕事についてはシフトリーダーに任せてできるだけ口出しをせず、フォロー役に回る(我慢が必要です)
  • 仕事の進め方などについてスタッフから質問や相談があった場合は、必ずシフトリーダーにも関与させる(シフトリーダーの顔を立てる)
  • シフトリーダーとして困っていることや悩みを遠慮なく打ち明けてもらえるような関係を築くように努める

シフトリーダーとスタッフとの関係

  • シフトリーダーとスタッフとはあくまで対等であって、仕事上の役割が異なるだけだという認識をもってもらう(上下の関係ではないことを理解してもらう)
  • シフトリーダーは指示する者、スタッフはリーダーの指示を受けて動く者、という形をつくらない
  • シフトリーダーとスタッフとの連携だけでなく、スタッフ同士の連携も重視する
  • スタッフの状況については今まで以上に注意を払う

 私が特に注意が必要だと思っているのは、後者(シフトリーダーとスタッフとの関係)の方です。

 どのような人でも、シフトリーダーに任命されれば、その責任の重さや使命感にかられて、本人が気づかないうちにスタッフに対して上から目線になったり、押し付けがましくなったりするものです。店長を任された私にはその気持ちが痛いほどにわかります。

 だからこそ、スタッフの様子や状況を細かいところまで見る必要があるのです。

 お店を良くするために始めたシフトリーダー制が、結果としてスタッフの人間関係に問題を起こさせてしまう危険性があることを主体者は十分に認識する必要があると言えそうです。

 ちなみに、私の場合は、時間帯責任者の育成に努めてはいましたが、シフトリーダーなどの特別の肩書や役職を設けたことは一度もありませんでした(私自身に上記のような対応ができる度量がないからです)。

2015年1月8日木曜日

スケジュール管理の重要性

 毎日の仕事の優先順位は、様々な状況や条件によって変化します。

 コンビニの仕事には、検品や鮮度管理など、実施する時間がある程度決まっている仕事(定時業務)がありますが、他の多くの仕事はレジ接客や品出し、清掃など、実施すべき時間が決まっていないもの(非定時業務)です。

 一言でいうと、コンビニの仕事は定時業務と非定時業務の組み合わせなのですが、この2つの要素のボリュームや割合は常に一定ではなく、いろいろな条件で変化します。

 そしてこれが、事前にきちんと仕事のスケジュールを組んだり、業務をスタッフに割り当てたりして、仕事を効率的に進めるのを難しくしている理由です。

 特に、平日と週末の売り上げの差が大きいお店や、天候・気温や近隣行事などの影響を受けやすいお店は、仕事量(客数や納品量など)の変化が大きくなるため、一層難しくなります。

 これに対応するために重要となるのがスケジュール管理です。

 以前に特別発注で注文した催事商品が突然納品されて、検品や品出しに予定外の時間がかかってしまい、スタッフが大変な思いをした、あるいは、商品の片づけが終わらずに翌日に作業が繰り越してしまい、他のスタッフの顰蹙を買ったなどということはなかったでしょうか。

 これはスケジュール管理とシフト管理のミスによる不具合です。

 こうした不具合や不手際を起こさせないための対策はいろいろと考えられますが、まずは主体者がスケジュール管理をきちんとして、このスケジュールをもとに最適なシフトを組むことが第一でしょう。

 次に対策として考えられるのが、私が在籍していたチェーンでいうところの「シフトリーダー制」を導入し、各時間帯の中心となって指揮するリーダーを配置して、主体者を支えるというものがあるでしょう。

 このシフトリーダー制の考え方自体については、私は全く同意するものですが、その導入の際には、見落としてはいけない重要な観点があると考えています。

 これについては、次回に書きたいと思います。

2015年1月7日水曜日

仕事の優先順位のつけ方

 仕事においては、優先順位のつけ方はとても重要なものです。

 前回の記事で紹介した本(『7つの習慣』)の中に、仕事の優先順位を考える上で、とても参考になる考え方が書かれています。

 それは、重要事項を優先するために時間管理のやり方を見直すというものです。

 仕事を「重要度」と「緊急度」の2つの要素で捉えて、それぞれ「高い」「低い」の度合いを考えることで仕事内容を4つの領域に分けます。これを著者は『時間管理のマトリックス』と呼んでいます。

 すると、仕事は優先順位の高い順に、

  1. 重要度(高) 緊急度(高)
  2. 重要度(高) 緊急度(低)
  3. 重要度(低) 緊急度(高)
  4. 重要度(低) 緊急度(低)
の4つの領域に分けられます。

 ここで大事なポイントは、上記の2番目と3番目の順序です。

 私たちは得てして、本来は優先順位が上のはずの「重要度は高いが、緊急度は低い仕事(2番目領域)よりも、目前の緊急度は高いが、重要度は低い仕事(3番目領域)の方を優先させてしまいがちなのです。

 いい例が、店頭ごみのチェックを怠った結果、レジ混雑時であってもごみの片づけを優先せざるを得なくなり、お客様をお待たせしてしまう場合などです。

 本来の正しい優先順位に沿った仕事をするためには、計画性観察力が求められます。特に、売り場でメインとなって働くスタッフにこの優先順位の考え方を理解してもらうことができれば、仕事の効率性は飛躍的に高まり、お店は利益が生み出しやすい体質になります

 以前の記事にも書きましたが、このためには、高校生を含めたすべてのスタッフへの地道なトレーニングが必要となるでしょう。

2015年1月6日火曜日

私の座右の書

 今日は、私が座右の書としている本をご紹介します。

 それは、『7つの習慣』という、現在ではとても有名になった本です。基本書のほかに、ティーンズ向けやまんが版、それにテーマを絞った複数のバージョンがあります。

 書店ではビジネス部門のベストセラーの上位に常にランキングされています。

 この本が初めて日本で出版されたのは、今から約20年前の1996年です。すぐに話題となり、当時はまだ30歳前後だった私も購入しました。

 500ページ近くあるボリュームのため、最初は全部読み切れませんでした。しかし、ビジネスマンとして、人として重要なことが書いてあることだけは印象に残りました。

 次にまたこの本を手に取った時には、最後まで読み切った記憶がありますが、それは購入して数年後だったような気がします。

 社会人として、また一人の人間としていろいろな経験を積んだ後に読むと、同じ本であっても、以前に読んだ時と感じ方が違うことはよくあります。この本がまさにそうでした。

 その後、この本を何度も読み返してきましたが、読むたびに新たに学ぶことや気づくことがあります。本当に良い本とはこのようなものを言うのでしょう。

 特にこれから社会人になる方や若いビジネスマンには一番にお奨めできる本です。私がお店にいた時に、卒業して社会人になるスタッフの何人かにプレゼントしたこともあります。

 発売から20年近くが経った今でも、この本が売れ続けていることに嬉しささえ感じるこの頃です。

 『7つの習慣 成功には原則があった!』(スティーブン・R・コヴィー・著、キングベアー出版)

 ※現在では「完訳」版に切り替わり、文章の表現も若干変わっているようです。

2015年1月5日月曜日

箱根駅伝を観て思うこと

 今年の箱根駅伝は、圧倒的な強さで青山学院大学が初優勝しました。

 今回は往路・復路ともほぼすべてをテレビで観戦しましたが、こうしたスポーツ番組を観る時に、いつも私が注目していることがあります。

 それは、指導者と選手との関係、特に選手に対する監督の指導方法や接し方と、実際に選手が発揮するパフォーマンスとの関係です。

 伝統校のような実績のあるチームには、どちらかというと指導経験が豊富で選手に対して厳しく指導する年配者が多いイメージがある一方で、急速に力を伸ばしているチームや、選手が本番で予想以上のパフォーマンスを発揮するチームには、選手に対して優しく接するタイプの指導者が多いような気がします。

 非常に乱暴な言い方になりますが、前者の指導者のタイプは、選手に対してどちらかというと上から目線で、後者のタイプは選手と横並び目線だとも言えるでしょう。別の見方をすれば、前者は選手を鼓舞するタイプ、後者は選手の力を引き出すタイプと言えるかもしれません。

 後者のタイプで思い浮かぶ指導者には、なでしこジャパンの佐々木監督がいます。佐々木監督は選手からは「ノリさん」、場合によっては「のりお」と呼び捨てにされることもあると、どこかで聞いた覚えがあります。

 今回優勝した青学の原監督は指導歴11年だそうですが、テレビでのインタビューやエピソードを見る限りでは、後者のタイプの指導者のように思われました。

 今回の箱根駅伝を観て一番印象に残ったのは、青学のどの選手も、楽しそうに、のびのびと走っていたことです。選手へのインタビューでも、「楽しく走れました」と答えた選手が多くいたのには驚きました。また、他のチームと比べて、青学には襷(たすき)をつないだ後に倒れこむ選手が少なかったように思います。

 後続の2位のチームとのタイム差が大きかったとはいえ、独特の緊張を強いられる駅伝という競技にあって、「楽しく」走れるというのは並大抵のことではないはずです。

 優勝の呼び声が高く、実績のあるチームが力を出し切れずに優勝を逃す一方で、監督も驚くほどのパフォーマンスを選手が発揮して目覚ましい成果を出す姿を目の当たりにすると、今さらながらに奥深いものを感じずにはいられません。

 こうしたことをお店におけるトップマネジメントのやり方と重ね合わせてみると、いろいろと考えさせられることが多いような気がします。

2015年1月2日金曜日

藤原銀次郎の『自己完成の十カ条』

 藤原銀次郎氏は、戦前に王子製紙の初代社長を務め、「製紙王」と呼ばれた長野県出身の大実業家です。

 著書の中に『自己完成の十カ条』というものがありますので、ご紹介します。

  1. 仕事をかならず自分のものにせよ
  2. 仕事を自分の学問にせよ
  3. 仕事を自分の趣味にせよ
  4. 卒業証書は無きものと思え
  5. 月給の額を忘れよ
  6. 仕事に使われても人には使われるな
  7. ときどきかならず大息を抜け
  8. 先輩の言行を学べ
  9. 新しい発明発見に努めよ
  10. 仕事の報酬は仕事である

 「仕事の報酬は仕事」という言葉は有名ですが、これを最初に言った人が藤原氏のようです。

 藤原氏は政治家でもあり、戦前に内閣の商工大臣や国務大臣、軍需大臣を歴任しているのですが、私は実業家としての藤原氏に興味を惹かれます。

 藤原氏のエピソードや著作を読むと、有能なビジネスマンであることはもちろんですが、なかでも人材の発掘や育成にいかに藤原氏が力を注いだかがよく伝わってきます。

 実際に、藤原氏は私財を投じて横浜に藤原工業大学(現在の慶應義塾大学工学部)を設立したほか、多くの大学や学校にも多額の寄付をしています。

 『自己完成の十カ条』を読むと、藤原氏自身の経験と実践から生まれた信念のようなものを感じます。すべてのビジネスマンにとって、何らかの指針となるのではないでしょうか。

 『私の経験と考え方 人をつくる経営法』(藤原銀次郎・著、講談社学術文庫)