2015年4月28日火曜日

マクドナルドから学ぶもの

 日本マクドナルドの業績がなかなか改善してきません。前年に対しての売り上げが落ち続けています。

 昨年夏以降の食肉加工工場での期限切れ肉の出荷問題や、異物混入事件が大きなダメージとなったように見えますが、一部の専門家の中には他の要因を指摘する人がいます。

 それは、前社長の原田氏が直営店のFC(フランチャイズチェーン)化を進めたことによるものです。

 原田社長の時代にマクドナルドは業績を大きく伸ばしました。経営手腕を評価する声はもちろんありますが、経営数値上の業績向上は、直営店のFC化を進めたことによるところが大きいとも指摘されています。

 コンビニ業界とも共通しますが、FC本部から見れば、自ら直営店を運営するよりもFC店を活用したほうがより大きな収益が得られるのです。

 好調な業績を背景に、原田氏のトップマネジメントが強力なものになっていき、最後にはそのマネジメント自体が原因となって、現場を疲弊させた結果が業績悪化を招いたのだと私は見ています。

 また、別の要因もあると考えています。「名ばかり店長」の処遇をめぐって訴訟が起こされたように、労務管理上の問題が会社の多くのトラブルの下地になっているのではないかということです。

 「名ばかり店長」の問題で訴訟が起きたのは2000年(平成12年)のことです。それから15年近く経って、今や会社の危機といえるほどの業績悪化に見舞われています。店舗のFC化を進めてしまった今、労務管理上の課題に取り組むには大変なコストと労力が必要でしょう。

 翻って、私たちコンビニ業界はどうでしょうか。FC店比率はマクドナルド以上に高いものとなっています。

 これからのマクドナルドの業績改善への道のりは、コンビニ業界にとっても、非常に有効なモデルケースになるのではないでしょうか。

 最近、あるFC本部と一部の加盟店との間で労務管理に関するトラブルが発生しています。現在のマクドナルドのような危機が15年後の私たちの業界で起こらないことを切に祈ります。

2015年4月21日火曜日

望ましいFC加盟店契約を考える

 今日は、「より望ましいFC加盟店契約」について書きたいと思います。

  1. 契約期間の延長
  2. ロイヤリティ(チャージ)体系の見直し
  3. 労務管理に関する事項についての本部支援
以上の3点について述べます。

契約期間の延長


 現在、FC契約期間は最も長いチェーン(セブン-イレブン)で15年となっています。この15年を最低ラインとして、できる限り長期にわたって安心して経営ができる環境をつくることが望ましいと考えます。
 その際、「契約更新」可否の判断について、本部と加盟店オーナーの双方が実質的に対等な立場で交渉できる契約内容が望まれます。
 また、中途解約契約解除にあたっては、当事者の一方に有利・不利とならないよう、違約金等は公正に定める必要があります。

ロイヤリティ(チャージ)体系の見直し


 現在の各チェーンのロイヤリティ体系には、社会環境や経済情勢の変化に対応して見直す仕組みがありません。契約時の条件によって、固定的なロイヤリティ体系が決定されます。
 物価上昇率や平均給与額、年金額等の経済指標に連動させたロイヤリティの改定基準を定める等の対応が望まれます。
 また、深夜営業については一定の基準を設けた上で、深夜営業の実施について加盟店オーナーの選択制とする等の柔軟な対応が望まれます。

労務管理に関する事項についての本部支援


 現在は、労基法に定めがある年次有給休暇の取得や、社会保険加入等の社会的要請に加盟店が十分に応えられる状況にありません。
 また、最低賃金水準を十分に上回り、他業界と比較しても遜色がない程度に加盟店従業員の賃金・待遇を保つための措置が望まれます。
 労務に関する諸法令を加盟店が遵守するための標準的な収益モデルを試算し、それをロイヤリティに反映させる、あるいは一定の補助を加盟店に対して行う等の措置が望まれます。


 本部と加盟店は共存共栄の理念の下、車の両輪となって、ともにお客様の利便性と満足度向上のために歩みを進めて行かなければ、業界の末永い繁栄は築かれないと思います。お店の疲弊がやがて業界の更なる発展を妨げる原因となることを強く危惧します。

 毎日、多くのお客様と接しているのはお店の従業員さんです。従業員さんの待遇改善を実現するとともに、長期的視点で従業員さんの育成とレベルアップを図ることがお店の、そして業界の発展・繁栄のための大きな原動力になるものと考えます。

2015年4月18日土曜日

東京都労働委員会がファミリーマートに団交命令

 東京都労働委員会がファミリーマートに対して、FC加盟店店主らで組織する労働組合との団体交渉に応じるよう命じた件が報道されています。

 加盟店店主を事業者と見るか、労働組合法上の労働者と見るかで、都労委の判断とファミリーマートの認識との間に大きな隔たりがあるようです。

 労働委員会による同様の命令は、昨春の岡山県でのセブン-イレブン・ジャパンに対するものに続いて2例目ということです。今後も同様の事案は増えていくことでしょう。

 この件で連想されるのは、以前に『名ばかり店長』として物議をかもした、マクドナルドの店長が起こした裁判です。この裁判では、マクドナルドの店長が労基法上の管理監督者に当たるのかが争点になりました。

 この裁判から引き伸ばして考えてみますと、今回のファミリーマートの件は、「加盟店店主は経営者に当たるのかどうか」が争点になるとも捉えられるでしょう。

 一言でいえば、加盟店店主は『名ばかりオーナー』なのかということです。

 「管理監督者」にまつわる他の裁判では、役職の名称にとらわれず、実態に即して判断されることが多かったようです。

 今回の件でも同様に、加盟店店主が実態として、「経営者としての業務内容や責任の範囲のほかに、経営上の重要事項についてどの程度の裁量や権限が任されていたのか、あるいは本部からの制約や干渉を受けていたのかがポイントとなるでしょう。

 そして、私が考える重要なポイントの1つは、「実態として、加盟店店主がどの程度の収益を上げられているのか」、あるいは、「その収益に対して、実際に加盟店店主がどのくらいの時間働いているのか」です。

 加盟店店主の収益を時給換算したときに、従業員さんやアルバイトさんなどと比較してさほど高くない、あるいは下回っているような実態があるとしたら、それは「経営者」「労働者」の定義をめぐることよりももっと大きな問題として、FCビジネスそのものの問題がクローズアップされるはずです。

 今回の件については、今後も注意深く見守りたいと思います。

2015年4月8日水曜日

ローソンと佐川の業務提携

 佐川急便を傘下に持つSGホールディングスとローソンが業務提携して新会社を設立することが報じられています。

 お客様がネットで注文した商品を佐川さんが店舗に届け、それをお弁当やおにぎりなどの自店で販売している商品と一緒にお店がお客様宅へ届けるというサービスを提供するようです。

 このサービスは双方の会社にメリットが期待できるからこそ開始されるものだと思いますが、お店の立場からすると、デメリットの方が気になるのではないでしょうか。

 サービスの詳細がまだわからないのですが、恐らく、お客様宅への配達はすべて店舗が行うものと思われます。配達にかかるコストについて、どのような形でお店に利益還元や支援が行われるのかが気になります。

 宅配における一番の問題は、お客様宅が留守だったときの再配達にかかる時間的・金銭的なコストです。

 再配達を避けるために、お届け時間帯を絞ってタイムリーに商品をお届けしようとすると、お店にかかる負担は増大するでしょう。

 今回の業務提携では、佐川さんは配送料金を下げてもトータルのメリットは計算しやすいと思いますが、ローソンさんの方は加盟店の収益まで考えると、そのメリットは不透明な部分が多いような気がします。

 私の個人的意見としては、楽天と日本郵便が始めた「郵便局のロッカーで24時間いつでも荷物が受け取れる」サービスのようなものがコンビニとの親和性が高いように思われます。

 ローソンの新社長の玉塚氏は、ユニクロの社長だった時から私が注目している経営者です。今回の新サービスの開始にあたって、玉塚氏が加盟店に対してどのような対応を行っていくかについては、今後も注目していきたいと思います。

2015年4月6日月曜日

ごみに関する悩み

 普段、お店が悩んでいることの1つに「ごみ」の問題があります。お客様がお店に持ち込むごみのことです。

 最近は、店頭にごみ箱を設置しないお店が多くなりましたが、私がいたお店を含め、まだ店頭に設置しているお店は多いと思います。

 できることなら店頭からは撤去したいというお店がほとんどなのではないでしょうか。ごみの片付けにかかる労力と費用は、年々増しているような気がします。

 しかし、お店には店頭ごみ箱を撤去することを躊躇してしまうそれなりの理由があるでしょう。

 1つは、店頭ごみ箱の撤去に伴って来店客数が減ってしまう恐れがあることです。実際に撤去を実施したお店の売り上げに影響があったという話も耳にします。

 もう1つは、お客様からのお店に対する印象が悪くなるという懸念です。お店の都合を優先してお客様の都合を考えていないと、お客様に受けとられてしまう心配があります。

 新店舗などオープン当初からごみ箱を店頭に設置していない場合は、こうした心配が起こりにくいのですが、何年ものあいだ店頭にごみ箱を設置していたお店にとっては、店頭ごみ箱をどうするかは大きな悩みの1つなのです。

 これに対処するには、個々のお店の対応とするのではなく、チェーンを超えてコンビニ業界全体として取り組む必要があるように思います。各チェーンが足並みを揃えて、店頭ごみ箱の撤去とごみの減量化に取り組めば、お店の大きな悩みの1つが解決することになるでしょう。

 現状を考えれば、売り上げ規模の一番大きなチェーンが音頭をとって進めていかなければ、実現は難しい気がします。

2015年4月2日木曜日

冷凍食品の利便性と可能性

 私は日常生活の中で、冷凍食品をよく利用します。

 私が感じる冷凍食品の魅力は、

  • いつでも食べたい時にレンジアップして食べられる
  • 保存性が良い
  • 1食分として考えたときの価格が安い
  • 味が良い商品が多い
  • 保存料などの食品添加物が少ない

などが挙げられます。

 スーパーマーケットなどは、どこでも冷凍食品の売り場は広くとられています。また、主食系以外に、副食系や調理素材系の商品まで幅広く品揃えされています。

 私が在籍していたチェーンでは、冷凍食品には比較的重点が置かれていたように思いますが、コンビニ業界全体としては、どちらかというと、売り場スペースを含め、アイスクリームに重点が置かれがちなような気がします。冷凍食品と比較して、アイスクリームの販売金額の方がはるかに大きいからでしょう。

 しかし、私は、お店にとっての冷凍食品が持つ潜在価値はとても大きいものだと考えています。

 まず、商品の性格上、冷凍食品は比較的お店から近いところに住んでいるお客様が購入されます。また、デイリー商品の品揃えを補完する(弁当などが品切れした時に代替となり得る)機能を持っています。さらには、上記で述べたような商品自体の魅力があります。

 品揃えを充実させることにより、近隣のお客様のリピート購入が期待でき、お店の中の他の商品と補完し合いながら、販売金額を直実に伸ばしていける可能性を持っているのが冷凍食品だと言えるでしょう。

 販売金額の小さなカテゴリーを伸ばすには根気強さとこだわりが必要かもしれませんが、成果が出るほどになれば、他店と差別化する上での大きな商材になるかもしれません。