2016年4月21日木曜日

潮目が変わったコンビニ業界

 本日の日本経済新聞に興味深い記事が掲載されています(『迫真迷走セブン&アイ~』)。この記事はネットでも読めるようです。

 これまででしたら日経新聞でセブン&アイのネガティブな面を書いた記事を見ることは稀でしたが、今回の騒動を機に、論調や記事のトーンが変わってきた印象を受けます。

 週刊誌をはじめとして、セブン&アイに関する記事がかなり目立つようになりましたが、首脳陣の人事をめぐる騒動に関する記事がほとんどで、加盟店の厳しい実態に迫るものはほとんど見つけることができません。

 ただ、朝日新聞などのメジャー媒体でもこうした記事が一部掲載され始めていますので、わずかながら光明が見えてきたといった状況でしょうか。

 さて、今日の日経新聞の記事では、外部からはなかなか窺い知ることのできない話(三井食品との取引削減社内に出回った怪文書など)が書かれています。

 今回の騒動に至るまでの背景に経営陣の感情が入り混じった複雑な事情があったことが推察されますが、そうなりますと「新経営陣が決まってスッキリと再出発」とはなかなか行かないかもしれません。

 今後、業界を揺るがす事件がもし起こるとしたら、社内やお取引先からの内部告発、機密文書等の流出の可能性が最も高いのではないでしょうか。

 今日の日経記事を読んで、そんな予感を抱きました。

2016年4月19日火曜日

高まるオムニセブン成功への圧力

 本日のセブン&アイ・ホールディングスの取締役会で経営陣の人事が決まったようです。

 5月の株主総会後に新たな布陣をスタートさせるとのことですが、鈴木会長の処遇を含めてまだ残されている課題もあるため、株主総会までは波乱含みの展開となるかもしれません。

 今回、セブン&アイHD副社長に昇格が決まった後藤氏オムニセブンの実質的な責任者といってよいでしょう。後藤氏は鈴木会長の懐刀としても知られる存在のようです。

 新経営陣の布陣から見ても、グループ内でのオムニセブンの位置づけはさらに高まったと言えるでしょう。

 グループとしては、「何が何でもオムニセブンを成功させなくてはならない」という状況になったと言えるのではないでしょうか。

 経営陣の人事をめぐる今回の騒動を通して、いわば「外部の目」としての大株主や社外取締役の存在感が大きくなったように感じます。

 この流れを受けて、今後の経営の舵取りにおいても、ますます株主等からの有形・無形の圧力が高まっていくことが予想されます。

 その圧力はまず間違いなく「オムニセブンの成功」にも向けられるでしょう。

 次に経営陣の人事に関して大きな動きがあるとしたら、それはオムニセブンの成否が明らかになった時かもしれません。

2016年4月17日日曜日

気になる熊本での営業停止店舗数の差

 今回の熊本地震で、小売各社が次々に救援物資を被災地に送っている様子が報道されています。その中で少し気になるニュースが流れています。

 16日(土)夕方の読売新聞ニュース(ネット)ですが、今回の地震による影響で熊本県内のローソン141店舗のうち約80店ファミリーマート163店舗のうち約80店が営業を停止しているとのことです。

 その一方でセブン-イレブンの営業停止店舗は3店との情報があり、セブン-イレブンの熊本県内での店舗数289店(3月時点)と比べて営業停止店舗数が突出して少ない状況です。

 もちろん、停電による影響出店地域の分布状況がチェーンによって異なることなどがその理由として考えられますが、それにしても大きな差が出ています。

 その他に考えられる理由として、
  • セブン-イレブンと他のチェーンとの間に店舗設備商品供給力などに差がある
  • チェーンによって被災地への物資・商品供給についての考え方に違いがある
  • チェーンによって災害発生時の店舗営業に対する考え方に違いがある
などがあるのかもしれません。

 現在のコンビニ各社の業績好調の背景には、5年前の東日本大震災後の消費者心理の変化があると言われています。

 南海トラフ地震首都圏直下型地震など、今後の大地震の発生も懸念されていますが、震災発生時のコンビニ店舗の営業のあり方やチェーン本部の被災地支援の方法・考え方については再度検討する余地があるのではないでしょうか。

 その際には、
  • 加盟店に対する過度な期待と負担増による加盟店の疲弊
  • 本部の社会的責任とフランチャイザーとしての機能・役割
  • 国や自治体の責任と役割
  • 被災者の生活の確保と安定
などの議論を踏まえていただくことを切に願います。

 終わりに、熊本地震で被災された方へお見舞いを申し上げるとともに、亡くなられた方のご冥福を心よりお祈りいたします。

2016年4月16日土曜日

セブン&アイ 首脳人事の落とし所

 セブン&アイ・ホールディングスの経営陣の人事案が固まったようです。

 報道によりますと、セブン&アイHDの社長に井阪氏セブン-イレブン・ジャパンの社長に古屋氏が就任するようです。鈴木会長は5月の株主総会後にすべての役職から外れて最高顧問に就く見通しとのことです。

 注目されるのはセブン&アイHDの副社長に後藤克弘取締役が昇格することでしょう。後藤氏は鈴木会長の次男・康弘氏が現在社長を務めているセブン&アイ・ネットメディアで社長をやっていた方のようです。

 後藤氏と康弘氏は以前からセブン&アイHDのネット事業に一緒に携わっていた経緯があります。後藤氏はオムニセブンの立役者の一人と言ってよいでしょう。

 もしも現在報道されている通りの人事が決定したら、これは世襲を意識した人事と言われても仕方ないでしょう。

 また、鈴木会長が希望していたようにセブン-イレブン・ジャパンの社長に古屋氏が就くことになるわけですから、結果的には鈴木会長の意図した通りの人事となるのではないでしょうか。

 嫌味な言い方になりますが、鈴木会長はご自身の役職と引き換えにセブン-イレブン・ジャパンの社長交代康弘氏の将来のレールを同時に確保できることになったわけです。しかも会長ご自身は最高顧問として影響力を行使できる立場を維持したままです。

 そうなると、鈴木会長のあの記者会見は何だったのかというやり切れない思いと後味の悪さが強く残ります。しかし、あの記者会見は後々まで尾を引くのではないでしょうか。

 一方、井阪氏は鈴木会長の思惑に反して昇格するように見えますが、グループ内にはイトーヨーカ堂をはじめ厳しい経営状態の会社が多いため、今後の経営の舵取り次第ではその責任を問われる事態となってもおかしくないでしょう。

 また、オムニセブンの今後の状況によっては、井阪氏がその責任まで負わされる可能性もないとは言い切れません。井阪氏は非常に難しい立場に置かれるのではないでしょうか。

 今回の騒動はこれから収束に向かっていくものと思われますが、このままでは終わらないような気がします。大株主らの今後の動きも気になるところです。

 それから、指名・報酬委員会に入っている社外取締役のお二人の去就も気がかりです。今回の件ではさぞかしお疲れになったことでしょう。

2016年4月15日金曜日

セブン-イレブンの首脳陣で鍵となる人

 鈴木会長退任後の経営陣の人事について様々に囁かれています。

 直近の報道では、セブン&アイHD社長に井阪氏セブン-イレブン・ジャパン社長に古屋氏の人事案が検討されているとのことです。

 現在の組織での序列に従えば、一見すると妥当無難なように見えますが、これはあまり良くない選択のように思われます。

 私が注目しているのはセブン-イレブン・ジャパン副社長の古屋氏の処遇です。

 先日の記者会見で鈴木会長が話していたように、古屋氏はいわば鈴木会長の懐刀」のような存在です。鈴木会長の構想や政策を現場で実現するために最も大きな役割を果たしてきたのが古屋氏だと言うことができるでしょう。

 OFC(本部担当者)さんをはじめとする本部社員にとっても、古屋氏の出す方針や指示からの影響には大きなものがあると思いますし、それはそのまま加盟店での仕事の仕方に反映される部分が大きいでしょう。

 仮に古屋氏がセブン-イレブン・ジャパンの社長になった場合、今までの政策から大きく外れたものとはならないはずです。おそらく、今までの方針や政策がさらに徹底されることはあっても、フランチャイズ・システムの見直し・修正などの論議に至るようなことはまずないでしょう。

 フランチャイズ・システムの見直しの論議に至るには、保身に走らず、強固な経営理念をもって業界を取り巻く現状を改革する気概のあるリーダーが必要です。

 それには「鈴木色」を身に纏わないリーダーが望ましいと思います。その意味では、今回の人事で古屋氏がどのポジションに就くかが大きなポイントとなるような気がします。

2016年4月14日木曜日

トップの責任のとり方 ~鈴木会長へのメッセージ~

 突然辞任を発表したセブン&アイ・ホールディングスの鈴木会長ですが、このままの状態で退任の日を迎えてしまわれるのでしょうか。

 もしそうであるとしたら、今まで築き上げてきた経営者としての鈴木会長の名声に大きな傷がつくことになるでしょう。

 先日の記者会見は、国民の生活に影響を与えるまでに業界を大きくしてこられた鈴木会長のイメージとは大きなギャップを感じるものでした。

 かつてセブン-イレブン・ジャパンの社員であった私がそう感じるのですから、世間一般の人々ならばそのギャップはさらに大きなものとなるでしょう。

 実際に、記者会見後の週刊誌報道やネットニュース口コミなどでは、かつては見られなかったようなマイナスイメージの言葉が増えているように感じます。

 その原因の多くは記者会見での鈴木会長のご発言にあるように思えてなりません。つまり、鈴木会長ご自身がセブン&アイ・ホールディングスのイメージに傷をつけたと言わざるを得ません。

 この責任をとるには、鈴木会長ご自身が先頭に立って対処していくしかないと思います。

 後継人事の決定にもきちんと関与し、グループ会社のリストラにも道筋をつけ、オムニセブンの成否を見届けてからお辞めになるべきです。

 そして、会社とコンビニ業界の末永い繁栄と発展のためにフランチャイズ・システムを再構築してからお辞めになるべきです。

 今のままでは加盟店が疲弊し、コンビニ業界が衰退に向かっていくことは必至です。

 鈴木会長に対する世間の評価はコンビニ業界の繁栄とともにあるのです。

2016年4月10日日曜日

今後のセブン-イレブンに対する不安と提案

 鈴木会長退任後のセブン-イレブン・ジャパンに対する不安として、今後の経営の舵取りへの不透明感というものがあります。

 カリスマ経営者が去った後に経営陣の統制がとれずに迷走するといったことは容易に予想がつくことでしょう。長期にわたって強烈なリーダーシップの元に率いられてきたセブン-イレブン・ジャパンなら、なおさらのことです。

 私が懸念するのは、今回の騒動で「モノ言う株主」の存在感が大きくなったことによって、今後のセブン-イレブン・ジャパンの経営がさらに株主を意識したものに傾くのではないかということです。

 つまり、「強力なリーダーに代わって株主の存在が経営陣や幹部クラスの人間に重くのしかかり、その結果、加盟店が置かれる環境がますます厳しいものになっていくのではないかという懸念です。

 これが杞憂に終わることを願いますが、こうしたことを防ぐ手段として1つの提案があります。

 それは、加盟店の実情をよく知っている本部担当者(OFCさん)やその上長(DMさん)の意見を直に経営に反映させる仕組みをつくるというものです。

 セブン-イレブン・ジャパンには「オーナー相談部」という会長直属の部署がありますが、加盟店の経営環境改善という点ではあまり機能しているようには思いません。

 透明性を高めたうえで、経営の意思決定に現場の意見を反映させる仕組みをつくることができたら、株主からの無言の圧力を経営陣は受けにくくなるかもしれません。

 この「現場重視の思想が経営陣の中にどのくらい存在しているかは、今後の人事施策にもきっと表れるでしょう。

 いずれにしても、セブン-イレブン・ジャパンは加盟店も目が離せない大事な局面に差し掛かっているといえるでしょう。

2016年4月8日金曜日

これからのセブン-イレブン・ジャパンに必要なこと

 セブン-イレブン・ジャパンにとって、鈴木会長の退任後に会社の体制をどう作っていくかは重要な課題でしょう。

 当面は井阪社長を軸として体制づくりが進んでいくものと思われますが、取締役の意見を集約して具体的な施策を決めていくことには困難が伴うでしょう。

 今までなら鈴木会長の一声で決まったことが、今後は物事ひとつ決めるにも、きちんと手順を踏まないとなかなかまとまらないといったことが予想されます。

 これからは役員をはじめ、管理職から社員までの一人ひとりが自分で情報を集め、自分の頭で考えて行動することが求められるようになるでしょう。

 「会長のご判断に任せておけばいい」とか「とにかく会社の方針に従っていればいい」といった思考に慣らされている社員には試練が待ち構えているかもしれません。


 今回の会長退任に至るまでの経緯で、「外部の目」としての社外取締役海外の大株主の存在がクローズアップされています。

 「この2つの『外部の目』が強烈なリーダーシップをもつカリスマ経営者の暴走を防いだ」という見方があるかもしれません。

 これからのセブン-イレブン・ジャパンが打つ施策には株主社員だけでなく、コンビニ業界の厳しい現状を変えて加盟店お取引先、そしてお客様のすべてがハッピーになる施策が求められます。いわば真の共存共栄の経営哲学が求められるのです。

 たとえそれによって一時的に本部の収益を圧迫することになろうとも、中長期的には業界のイメージアップと繁栄につながり、結果として株主に利益をもたらすことになるでしょう。

 今、本部に必要なことは「外部の視点で業界の現状を見据え、時代に合ったビジネスモデルへと根幹からフランチャイズ・システムを作り変えることでしょう。

 それができるチャンスは今しかないと私は思います。

2016年4月7日木曜日

セブン&アイの鈴木会長が退任へ

 セブン&アイ・ホールディングスの鈴木会長が退任する見通しとの報道が流れています。

 本日の取締役会においてセブン-イレブン・ジャパンの井阪社長を交代させる人事案が否決されたということで、これを受けての退任とみられています。

 社長交代をめぐっては様々に報道されていますが、率直に申しまして、このような形で鈴木会長が職責を離れる結果となったことが残念でなりません。とても後味の悪いような思いが残ります。

 過去に約10年間、FC会議等で毎週のように鈴木会長のお話を直接聞く機会があった私にとっては、鈴木会長の去就はとても気になります。

 今後、鈴木会長が経営にどの程度の影響を及ぼすかは不透明ですが、強力なリーダーシップを失った後の経営の舵取りは困難を極めるでしょう。

 その際に最も気になることは、「加盟店にとって良い方向に向かうのか、それとも悪い方へ向かうのかということです。

 現在のセブン-イレブンを取り巻く環境の中に溜まっている歪み(ひずみ)がもしあるとしたら、鈴木会長の退任によって、地震のように一気に会社が動くかもしれません。

 その意味では、今後の株主総会までの人事を中心とした動きには目が離せないところです。

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 鈴木会長の記者会見Ustreamで視聴しました(日経チャンネル)。正直に申しまして、非常にガッカリしました。途中で観るのを止めました。
 この会見自体が会社の価値とイメージを毀損しているような気がしてなりません。今後、物議を醸すのではないでしょうか。