2017年12月27日水曜日

『しんさいニート』から学ぶもの

 以前、テレビの情報番組で紹介されて気になっていた漫画『しんさいニート』。

 作者のカトーコーキさんが体験した東日本大震災での被災、精神的虐待、うつ、ニート生活を自ら描いた漫画です。

 先日、書店で見かけたので買って一気に読みました。300ページを超える大作。

 被災によって1人の青年の人生が大きく変わってしまう過程が生々しく描かれています。

 こういうことは誰にでも起こり得るということを強く感じさせられます。

 読んでいて感じるのは作者カトーコーキさんからの強いメッセージ性

 読む人によってそのメッセージは様々な伝わり方をするでしょう。それほどまでに広く深いテーマがそこにはあります。

 私が印象に残ったのは主人公(カトーコーキさん)が東京で就職した先の美容室の職場環境です。

 徒弟制度の名残りがある美容業界。オーナーやチーフの下で働く職場環境はコンビニと共通する部分があります。

 スタッフが成長しながら生き生きと働ける職場とはどういうものか。いろいろと考えさせられました。

 興味がおありの方には是非読んでいただきたい1冊です。

2017年12月17日日曜日

飽和に近づくコンビニ業界

 セブン-イレブンの既存店売上高は今年の10月、11月と2ヶ月連続で前年を割り込みました。既存店売上高の前年割れ自体、数年ぶりのことだと思います。

 今後、セブン-イレブンは新たに沖縄県に出店予定ですが、業界全体としてはもう飽和に近づいたのではないでしょうか。

 私が今、一番脅威に感じているのは食品を強化しつつあるドラッグストアです。

 私の住む街でも弁当や惣菜を強化してきているドラッグストアが店舗数を増やしています。そこでは公共料金の支払いも可能です。

 医薬品の取り扱いや価格の安さで優位に立つドラッグストアが出店攻勢を強めれば窮地に立たされるコンビニは増えていくでしょう。

 その時にコンビニ各社がどのような対策を打てるか。

 それをじっくり考える時間はあまり残っていないような気がします。

2017年11月25日土曜日

最近すごく驚いたこと

 現在私がアルバイトをしている加盟店に半年ほど前に採用された40代の男性がいます。

 この男性(Aさん)はハローワークの紹介で採用されたそうですが、採用した店長さんの話では「今までの採用基準だったらAさんを採用していなかったかもしれない」とのことでした(Aさん、ごめんなさい!)。

 実際、採用された後のAさんに対するスタッフの皆さんの評価もあまり芳しくないものばかりが私の耳にも入ってきました。

 先日、初めてAさんと一緒に仕事をする機会がありました。

 私もAさんにいろいろ教えなければいけないなと、少し身構えながら2人で仕事を進めていました。

 2時間ほど経ったところでAさんに15分の休憩に入ってもらいました。彼の休憩後、私がバックルームに入ると1枚のA4用紙が置いてありました。Aさんがご自身で書いたメモです。

 そのメモを見て私は驚愕しました。

 それまでの2時間に私がAさんに教えた内容、私が作業しているのを見てAさんが気づいたことなどが10項目ほどの箇条書きになってきれいに整理されて書かれてあるのです。それもわずかな休憩時間にです。

 そのメモの中に私がお話ししたものと違ったものはありませんでしたし、何よりもその記憶力と、受け止めたことを頭の中で整理して的確に文章にまとめる彼の能力に驚いたのです。

 Aさんのその能力を生かせる仕事をお店で用意することができれば、彼は誰もが驚くパフォーマンスを見せるかもしれません。

 人手不足時代の採用と育成のあり方について考えさせられる出来事でした。

2017年11月20日月曜日

未払い賃金請求が最長5年へ

 昨日の日経新聞1面に掲載された記事です。

 厚生労働省は、労基法で現在は2年となっている賃金の請求期間を延長し、最長5年を軸として調整する方針とのことです。

 例えば、残業代の未払いがあった場合には現在なら2年前まで遡っての請求が可能ですが、法案が成立して施行されれば5年前まで遡って請求できることになります。

 万一、未払い賃金をめぐって訴訟等が起これば、その金額は莫大なものとなり会社経営に深刻なダメージを与える事態になるでしょう。

 今はトラブルが起きていなくても安心はできません。

 2019年度に改正が見込まれている労働基準法の議論とあいまって、未払い賃金の問題がクローズアップされるようになると今まであまり認識していなかった従業員まで広くその意識が高まることになるからです。

 自店の労務管理の見直しの必要性が急速に高まっているといえるでしょう。

2017年11月11日土曜日

社会保険未加入事業所への対応が強化

 先日、私が所属する県社労士会の支部長さんから会員の社労士宛てにメールが来ました。

 メールによりますと、「社会保険の未加入事業所に対する対応につきまして、平成29年度後半は年金事務所(日本年金機構)が今までより強力に加入促進の指導を行う」とのことです。

 数回の加入催告をしても加入手続きを行わない場合は年金事務所が立入検査をし、最大2年間遡って職権により加入させるそうです。

 今までに社会保険加入の催告を受けたことがある場合は、次に催告を受けた時にはすぐに加入手続きをすることを強くおすすめします。

2017年11月4日土曜日

ファミマの澤田社長がカンブリア宮殿に出演

 11月2日のテレビ東京系番組「カンブリア宮殿にファミリーマートの澤田社長が出演しました。

 サークルKサンクスとの経営統合を行った上田前会長の後を受けた澤田社長には注目してきましたが、番組を見て私の澤田さんに対する印象は大きく変わりました。

 「ファミチキ先輩」のプロモーションやパフォーマンスなどで派手な印象を持っていましたが、一つひとつの施策は非常に戦略的で論理的なものとなっていると感じました。

 ファミチキのプロモーションがなぜあんなに派手なのか、それには戦略的な裏付けがあることもわかりました。

 かつてユニクロの柳井さんに社長を要請されたほどの実力を備えていることが垣間見えた感じです。

 澤田さんと懇意だというユニクロの元社長の玉塚さんローソンをすでに去りました。澤田さんの今後はどうでしょうか。

 プロ経営者という非常に難しい立場を超えて、コンビニ業界を大きく変える原動力としての澤田さんに期待したいと思います。

2017年10月31日火曜日

ファミマが深夜営業休止の実験をスタート

 大きなニュースが入ってきました。

 まずは日経ビジネスONLINEの記事をご覧ください(現在は無料の会員登録をしないと全文が読めないようです)。

 記事によりますと、すでにファミリーマートの一部店舗で深夜営業をやめているようですが、詳細は不明です。

 現時点ではファミリーマート本社もこの件について公式にアナウンスしていませんが、24時間営業の見直しに着手していることは間違いないでしょう。

 私も1ヶ月ほど前から「ファミリーマートが10月から直営の一部店舗で実験的に深夜営業をやめる」という推測情報をネット上で確認していました。その情報は「ガセ」ではなかったことになります。

 ファミマ本社がこの実験に取り組む背景には直営店を含む深刻な人手不足の現状があることは確かでしょう。これまでに発表されてきた数々の施策と符合します。

 いずれにしても、今回の施策がコンビニ業界における深夜営業是非の議論に火をつけ、大きな流れを作るきっかけになると思います。

2017年10月14日土曜日

私が不機嫌になる時間

 現在、私は某コンビニ加盟店で深夜アルバイトを継続中ですが、仕事中に不機嫌になる時間があります。

 それは鮮度チェック後の廃棄商品の処理をしている時間です。

 販売期限が過ぎた商品の登録処理をしながら思いを馳せるのは、これらの商品の一生」です。

 原材料が作られる姿、工場で商品となって形になっていく過程、トラックに載せられ運ばれる姿、お店での検品と陳列の作業、そして誰にも買われず売り場から下げられ、ごみとなって捨てられていく姿・・・

 お客様に買われることを期待されて売り場に並べられたのに、それが叶わないと「不良品」という汚名を着せられてごみ扱いされ、捨てられていく商品たち。

 廃棄商品に関わった人手や労力がすべて無駄になったという空虚感を覚えます。

 売上を上げるため、お客様の満足度を上げるために廃棄商品が出るのは仕方ないという考えはそろそろ改める時期が来ているのではないでしょうか。

2017年9月17日日曜日

ファミマ店舗間 店員「シェア」

 今日のタイトルは今朝の日経新聞1面に掲載された記事の見出しです。

ファミリーマートは直営や系列のコンビニエンスストアで、パートやアルバイトの店員が自らが所属するのとは別の店舗でも働けるようにする。短期間の人手を求める店舗の情報を他店舗の店員に紹介して引き合わせる仕組みを立ち上げる。都内の直営40店、店員約100人を対象に実験を始めた。

 記事では、来年度をめどにフランチャイズ加盟店を含めた全店での適用を目指すとしています。

 深刻化する人手不足への対応策の一環だと思いますが、直営店はともかく、加盟店でこの仕組みを適用するにあたっては様々な課題があると思います。

 直営店内での「シェア」であれば、雇用主は本部ですのでスタッフの総労働時間の管理を一元化することは容易でしょう。しかし、加盟店となると各店舗のオーナーとの雇用契約となりますので労務管理は複雑化します。

 例えば、週40時間を超えた労働時間には割増賃金を支払う必要がありますが、そのためには複数の店舗での勤務実績を一元的に管理しなければなりません。

 そして最も懸念されるのは、このシェアの仕組みの適用がスタッフの過重労働につながるのではないかということです。

 部屋を共有するシェアリングビジネスが最近注目を集めています。車や部屋はいくら使っても壊れる心配はありませんが、人は酷使するとすぐに壊れます。

 人を「シェア」するという発想には違和感を覚えずにはいられません。

2017年9月14日木曜日

人手不足時代の採用で大切なこと

 業界を取り巻く深刻な人手不足の状況では、以前なら採用を見送った人でも、今では基準を下げて人員を確保しなければならないケースがどうしても増えてきます。

 そうした場合に問題となるのが採用後の教育・トレーニングです。

 採用したスタッフをマンツーマンで指導する責任者や教育担当者を付けられれば良いのですが、シフトに余裕のあるお店はそう多くはないでしょう。

 トレーニングが行き届かないことでミスやクレームが発生したり、教育担当者自身のストレスや負担が増えたりする結果になりがちです。

 しかし、仕事のすべての面で基準に満たない人はいないと思います。誰でも必ず何か光るものを持っているはずです。

 その光るものを大事に育てながら、できないことをできるようにしようと労力をかけるのではなく、できない部分をお店全体でカバーする仕組みを作ることが大切だということを最近、あるお店を見て感じているところです。

2017年9月13日水曜日

働き方改革の影で

 最近、36協定を結ばずに時間外労働をさせたとして書類送検される事件の報道が増えています。

 現在、政府が力を入れている「働き方改革」の重要テーマの1つが長時間労働の是正です。

 長時間労働是正の議論とセットになって必ず登場するのが36協定です。

 36協定については以前の記事で紹介しましたので詳細は割愛しますが、36協定がクローズアップされるにつれて働く人の認知度が上がり、問題意識を持つ人が増える可能性があります。

 それにともなって、お店の労務管理に対して疑問を持つスタッフが増加したり、最悪の場合には労務トラブルに発展したりする危険性もあります。

 人材流出のリスクや採用への影響も懸念されますので、36協定は早急に締結し、労働基準監督署に届け出をすることをおすすめします。

2017年9月4日月曜日

求められる「平準化」

 コンビニの現場では夏の繁忙期が過ぎ、息つく暇もないまま、おでんセールなどのキャンペーンで大忙しの状況が続いています。

 働く側から見ると、毎日の仕事量はできるだけ一定のほうが負担がかからないというのが正直なところです。

 キャンペーンがあると、その期間のお店の仕事量は増えますし、食品製造や配送に携わる人の仕事量も当然増えます。

 現在の人手不足の状況では、この仕事量の変化に合わせて必要な人員を確保するのは難しくなっています。仕事量の増加には現状の人員で対応するしかなく、それは働く人の負担が増す結果となります。

 キャンペーン等で売上を上げることはとても重要ですが、働く人の環境を整えることも求められる世の中です。

 お店でできることには限りがありますが、自店でできる範囲でキャンペーンに取り組むことを考えたり、発注を適正にして納品時の仕事量をコントロールしたりするなど、仕事の平準化を図ることが大切だと思います。

2017年9月2日土曜日

アルバイト希望者の半数が応募前にしていること

 パート・アルバイトに関してのある実態調査によると、外食・小売業では応募者の約半数(49.8%)が事前にお店を下見しているとのことです。

 これは驚くべきデータです。

 応募する前に下見をしてお店の雰囲気を確認したり、スタッフが働いている様子を見たりすることで、自分がここで働いてよいのかを判断している人が多いということを意味するからです。

 つまり、ごまかしは効かないということです。

 お店が家から近いことや勤務時間、時給等の条件も重要ですが、このお店で安心して長く働けそうかということも応募者にとってはとても大事な要素なのです。

 採用する側はこのことをよく理解し、お店の雰囲気作りや良好なコミュニケーション、十分な教育体制を実現するための努力をする必要があるということなのでしょう。

(データ出所:中原淳・パーソル総合研究所(2015)「アルバイト・パートの採用・育成に関する実態調査」、n=5,468)

2017年8月28日月曜日

良いおもてなし・悪いおもてなし

 日本が世界に誇る「おもてなし」。

 しかし、おもてなしの名のもとに行われる過剰サービスは時として、サービスを提供する側とされる側の双方に負担を強いることがあります。

 例えば、淹れたてコーヒーの提供をセルフではなく、スタッフが作って提供することにこだわっているコンビニチェーンがあります。

 時間帯にもよると思いますが、こうした提供方法は注文されたお客様だけでなく、他のお客様をお待たせすることにもなり、サービスレベルを低下させる原因になりかねません。これは悪いおもてなしと呼ばれる危険性があると思います。

 では、良いおもてなしとはどのようなものでしょうか。

 常連のお客様の
  • 好みのたばこの銘柄を覚えてサッと出す
  • 割り箸、スプーン等の付属品のご希望を覚えておく
  • 弁当等の温めについてのご要望に合わせる(温めの可否、熱め・ぬるめ等)
  • 袋詰のご希望を覚えておく
などは、お客様に喜ばれるだけでなく、対応するスタッフの負担も軽くなります(覚えるまでが大変ですが)。

 お客様とお店スタッフの双方が楽になるようなサービスの提供の仕方を追求するのも、おもてなしの大事な要素なのではないでしょうか。

2017年8月5日土曜日

業務効率化と働きやすさの両立の具体例

 私が自分の仕事を通して実現したいと考えていることの1つが「仕事の効率化によるお店利益確保従業員さんが働きやすい環境の両立です。

 深夜時間帯を1名のスタッフで回す「深夜ワンオペ店舗はかなりの数に上ると思います。

 私も深夜ワンオペで働いた経験を持っていますが、外部の人にはわからない過酷な実態というものがそこにはあります。

 例えば、セブン-イレブンの場合は午前1時に日付管理と時間管理の鮮度チェックを実施しますが、これは定時業務ですから自分の都合で他の時間帯に実施するというわけにはいきません。

 1人で鮮度チェックを実施しながらお客様の対応をすることは想像以上に負荷がかかるのが現状です。

 この1人にかかる負荷を分散するために、私が加盟店店長時代に実施していたことは、日付管理商品の鮮度チェックを複数のスタッフがいる時間帯に前倒しで行うというものです。

 夜の時間帯のスタッフが翌日午前1時で鮮度切れになる商品(商品名と日付)をメモに記入します。もちろん、この時に商品は売り場から下げません

 深夜のスタッフは午前1時の鮮度チェックの時にはこのメモを見ながら該当商品を売り場から下げるだけとなります。これだけでも負担はかなり減らせます。

 お店全体の仕事量は変わりませんが、特定の作業を深夜スタッフから夜のスタッフに移行することで特定のスタッフにかかる負荷を減らすことができます(作業の平準化の一例です)。

 これが本来の作業割当の考え方です。実は、上記のような工夫ができる余地というのはかなり多くあります。

 今の限られた人員でより楽に、効率良く仕事を進めることができればスタッフの皆さんが働きやすい環境となります。人件費が増えて利益を圧迫することもありません。

 人手不足の時代だからこそ、こうした対応がお店に求められると言えるでしょう。

2017年8月4日金曜日

ファミリーマートの不可解な新制度

 ファミリーマート本社が8月1日付けのニュースリリースで「エクセレントトレーナー制度」という新たな制度を導入すると発表しています。

 この制度は現在店舗に勤めている優秀なストアスタッフを対象に、フランチャイズ契約者の推薦を経て、ファミリーマート本社が地域限定社員として登用するというものです。

 登用された地域限定社員は居住地の近隣直営店に「QSCトレーナー」として配属されるとのことです。

 そもそも、優秀なスタッフをフランチャイズ契約者が自ら手放すとは思えませんし、推薦をする理由というのが思い浮かびません。

 ただ、「直営店に配属」ということから想像すると、直営店での人手不足の問題が背景にあるのかもしれません。

 これは見方を変えれば、本社による加盟店からの人材の引き抜きとも捉えられるわけですが、恐らくそうせざるを得ない事情が本社の側にあるのでしょう。

 ユニーとの統合の件が絡んでいると推察しますが、今後の動きには注目していきたいと思います。

2017年8月1日火曜日

社労士としての新たな歩みを始めました

 本日、社会保険労務士として登録され、新たなスタートを切ることとなりました。

 ホームページを新たに開設しましたので、ご覧いただけると幸いです。

 ホームページを作成するにあたって最も悩んだことはサービス内容と料金体系についてです。特に料金体系については4月から検討を始め、最終的に決まるまでに3ヶ月もかかってしまいました。

 社労士の一般的な顧問契約では訪問サービスはオプション料金となるのが通常です。

 今回、社労士サービスをオーナー様、店長様にご利用いただきやすくするために、店舗訪問を標準サービスとしつつ、料金を低価格に抑えることにしました。

 私の営業地域内では初回面談は無料です。

 契約の話は脇に置いて、お話をする(品定めをする)だけでも結構ですので、ぜひご利用ください。お待ちしております。

2017年7月10日月曜日

加盟店にこそ求められる「休み方改革」

 今朝の日経新聞1面にセブン&アイ・ホールディングスの休み方改革」の取り組みが掲載されています。

 セブン-イレブン・ジャパンをはじめとするグループ会社8社で、部署ごとに一斉休暇をとる仕組みを導入し、働き方改革と併せて生産性の向上を目指すとのことです。

 小売業における有給休暇の消化率は全産業の中でかなり低いとのデータがありますが、今回の取り組みには労働環境を整えることで社員の離職率を低下させようとする狙いが見え隠れします。

 本部社員の労働環境を整えることはとても喜ばしいことですが、それが加盟店の経営環境改善にストレートにつながるとは思えません。むしろ、加盟店へのサポート力が低下する懸念があります。

 現在の加盟店が置かれている厳しい経営環境下では、本部社員よりもまず加盟店を優先して対策を打って欲しいと思うのは虫が良すぎる考えでしょうか。

 現在のセブン&アイ・ホールディングスの利益の源泉はどこにあるのかを考えれば、答えは自ずと見えてくるのではないかと思います。

2017年7月1日土曜日

社労士事務所開業まであと1ヶ月

 社会保険労務士としての新たなスタート予定日が8月1日に決まりました。

 サービス内容や料金体系も決まり、現在ホームページを作成中です。

 料金については業界の相場と比較してかなり抑えた設定にしています。

 社労士の専門分野である労働保険・社会保険の事務手続きについても、業界の相場を超えて幅広く標準サービスに組み込みました。

 顧問サービスには定期訪問、相談業務、事務手続きがセットになったお得感のあるプランを用意しました。契約数限定、地域限定の看板サービスです。

 ご興味のある方は「お問い合わせ」ページよりお気軽にお問い合わせください。

2017年6月30日金曜日

コンビニが迎えた“静かな危機”

 今日のタイトルは6月27日付けのNHK NEWS WEBの特集記事のタイトルそのものです。

 記事では、コンビニ業界に静かに忍び寄る危機に対して各社がどのような対策に乗り出しているかを紹介しています。

 スポンサー契約のしがらみがないNHKならではの切り口で書かれていますが、もう一歩踏み込みが足りない印象を拭えません。

 ただ、記事の締めくくりで書かれている次の部分は印象に残りました。

日本社会全体が人手不足に直面する中、働く場として魅力的でなければ企業としても産業としても成長を持続することはできないはずです。利便性やサービスを向上させながら、コンビニがより多くの人が働きたいと思える職場になることができるのか。それが日本の小売り・サービス産業が更に成長できるかの1つの試金石になるのかもしれません。

  本部に対策や改善を求める一方で、現在の職場環境を従業員さんにとっていかに魅力的なものにするかを考え、実行していくかがお店にも求められるということなのかもしれません。

2017年6月6日火曜日

受動喫煙の問題について

 最近、受動喫煙に関する報道や記事をよく目にします。

 その中で、コンビニ店舗前に設置している灰皿が受動喫煙の被害を受ける場所としてよく挙げられます。

 名古屋ではコンビニ店舗の経営者が近隣住民から「受動喫煙をさせられない権利」を侵害されたとして訴訟を提起された事例もあるようです。

 本来、コンビニ店舗の前に灰皿を設置しているのはお客様ご来店時のたばこの始末やポイ捨て防止のためですが、灰皿前が喫煙スペース化しているのが現状です。

 また、自動車内の大量の吸い殻を灰皿に捨てるようなマナーの悪いお客様もいらっしゃいます。

 時代の趨勢からみて、やはり灰皿の撤去はやむを得ないのではないでしょうか。

 その際、個店ごとに判断するのではなく、地域やチェーンで統一して対応するのが望ましいと思います。

2017年6月5日月曜日

労基法における休日とは

 休日については労働基準法第35条に規定されていますが、今回は休日に関して2つの注意点を書きたいと思います。


1. 休日は0~24時の暦日単位で与えるのが原則


 休日は連続で24時間以上休ませればよいと考えがちですが、労基法では休日は暦日で与えるのが原則とされています。

 ただし、8時間3交替勤務制を敷いている工場等で規則的な勤務体制となっており、かつ就業規則で定められている場合には連続24時間以上の休憩を休日としてもよいという例外があります。

 勤務時間帯が固定されておらず、1週間の中で昼勤→夜勤のようにシフトが変わるスタッフがいる場合には注意が必要です。


2. 法定休日に出勤させた場合には3割5分以上の割増賃金が必要


 休日出勤での割増賃金は週に1日の法定休日に対して支払わなければなりません。

 例えば、土・日が休みのスタッフの場合で、法定休日を日曜日としているケースでは土曜日に出勤させたとしても休日割増は不要です。

 また、法定休日に出勤させた場合に8時間を超える労働時間があっても割増率は1日を通して3割5分以上となりますが、深夜割増は別途必要です(最大で6割以上の割増率となります)。


 以上、細かいようですが従業員さんとの無用なトラブルを防ぐためにも注意が必要でしょう。

2017年5月8日月曜日

従業員教育の徹底度が表れる場面

 私が普段、いろいろなお店を利用する際に注目していることがあります。

 それは、お店の従業員さんの釣り銭の渡し方です。

 高額紙幣で支払ったときの従業員さんの紙幣の返し方を見れば、そのお店のおおまかな従業員教育の徹底度がわかります。

 従業員教育ができているお店というのは釣り銭の渡し方1つについてもきちんと従業員さんに教えます。

 お釣りを返すときの紙幣の数え方向き5千円札の並びが正しく統一できているお店は意外に少ないものです。逆に統一できているお店には尊敬の念にも似た気持ちを覚えます。

 先日、私が現在働いているお店の学生アルバイトさんがお釣りを返している場面を見ましたら、きちんとできていました。

 誰に教わったのかを尋ねると、本部の接客研修で学んだとのことでした。

 きちんとできていない他のアルバイトさんがいるのを見て、本部の接客研修に対する私の認識が変わりました。

 それは、学ぶ意欲のある従業員さんにとっては本部が実施する研修には価値があるということです。

 従業員さんを本部の研修に参加させる場合には、事前にご本人の意欲や意思をよく確認した方が良さそうです。

2017年5月1日月曜日

社労士事務所開業まであと3ヶ月

 私が社労士登録をするために必要な事務指定講習ですが、通信課程が無事に修了し、あとは7月に実施される4日間の講習を受けるのみとなりました。

 社労士登録・事務所開業は8月1日を予定しています。

 現在、社労士事務所開業と同時にアップする予定のホームページを作成しています。

 コンビニ業界歴を生かして、コンビニに特化した社労士であることが私の最大の売りです。

 また、社労士業界ではオプションとなることが通常である定期訪問を標準サービスに組み込み、相談・アドバイス業務を主軸としたスタイルにする予定です。

 サービスの価格についても業界の常識にとらわれず、低価格を実現するつもりです。

 私が社労士として活動する際の大きなテーマの1つが「生産性の向上による利益確保とスタッフの働きやすさの両立」です。

 私が加盟店店長時代に培った「スタッフが育つ作業割当の考え方と手法をベースに、仕事の生産性を上げると同時にスタッフの定着と採用がうまく回る仕組みを提案したいと思っています。

2017年4月9日日曜日

セブン-イレブンのチャージ減額後の希望的観測

 今日は、セブン-イレブン本部が1%のチャージ減額を発表した後のコンビニ業界の動きを展望したいと思います。

 たとえ1%とはいえ、チャージを減額することは加盟店の経営環境の改善新規オーナーの獲得という面から見てプラスに働くことは間違いありません。今回の本部の措置を歓迎しないセブン-イレブンのオーナーさんはほとんどいないでしょう。

 今回のセブン-イレブンの措置に対抗して、ファミリーマートローソン本部がロイヤリティ(フィー)を下げることは考えにくいと思います。最近、この2社は親会社である商社の資本を増強し、経営陣にも商社出身の役員を送り込んで財務体質の強化に取り組んでいるように見えるからです。

 ロイヤリティの減額は本部の収益に大きな影響を与えてしまいます。では、他にどのような選択肢があるでしょうか。

 私が考える起死回生の一手は、深夜営業を選択制にして実質的なロイヤリティの減額を実現させることです。

 セブン-イレブンの場合、24時間営業をすることでチャージは2%が減額されます。

 仮に、ファミリーマートやローソンがロイヤリティを変えずに深夜営業を選択制にすれば、実質的に2%のロイヤリティを減額したときのメリットを加盟店と新規加盟希望者は感じるはずです。

 今の加盟店にとってはロイヤリティの減額によって収益が得られることよりも深夜営業廃止による人件費削減と人手不足問題の改善のメリットの方が大きいのです。

 もし、ファミリーマートやローソンのオーナーさんに「ロイヤリティの2%減額と深夜営業廃止のどちらを選びますか?」と質問したら、圧倒的に深夜営業廃止を選ぶオーナーさんの方が多いのではないでしょうか。

 ファミリーレストラン等の深夜営業廃止に対する世間の評価を見ても、チャージ(ロイヤリティ)の減額よりも深夜営業廃止の方がチェーン本部に対する印象は良くなる気がします。

 いずれにしても、今回のセブン-イレブンのチャージ減額はコンビニ業界内での勢力争いに再び火をつけたと言ってもよいでしょう。

 そして、この業界内での動きが加盟店の厳しい現状を改善する方向に大きく流れることを願わずにはいられません。

2017年4月7日金曜日

セブン-イレブンが9月からチャージを減額

 昨日、セブン&アイ・ホールディングスはセブン-イレブン・ジャパンが加盟店から徴収するチャージを9月から当面1%減額すると発表しました。

 今までにセブン-イレブン本部が複数店経営のインセンティブとして実質的なチャージ減額を決めたことはありますが、加盟店に対して一律に減額をするのは今回が初めてです。

 私は以前から本部がチャージを減額する可能性は低いと見ていましたので、今回の発表にはかなり驚きました。

 実際に経営陣がどういう判断で今回の措置に踏み切ったのかはわかりませんが、いずれにしても、加盟店が置かれている厳しい現状に本部が強い危機感を持っていることは確かでしょう。

 1%の減額とはいえ、今後さらなるチャージの減額を招くことにもなりかねない措置ですので、決断の背後には何か大きなものがあるのではと推測しています。

 今回のチャージ減額はコンビニ業界内での勢力図にも影響を与えることになる可能性があるため、今後はセブン-イレブン以外のチェーンの動きにも目が離せないところです。

2017年4月5日水曜日

人手不足に効く特効薬は

 現在の深刻な人手不足の状況はコンビニだけでなく、小売、飲食、サービス業をはじめとしてほぼすべての業界にわたっています。

 ただ、その中でもコンビニ加盟店がひときわ厳しい状況にあるのは確かでしょう。

 しかし、前回の記事でも紹介したように、個々のお店を見ればそれほど人手不足に困っていないお店もあります。

 私が半年間お手伝いをさせていただいたお店のオーナーさんに先日お会いした時にも「20数年来コンビニ経営をやっているが今が一番心にゆとりがある」とおっしゃっていました。

 そのオーナーさんを見ていつも思うことは従業員さんに対する気持ちや配慮がつねに感じられることです。

 私は経営者がつねに考えるべきことは従業員さんの物心両面にわたる幸せの追求だと思っていますが、働く者の待遇を追求する世の中の風潮が強くなる中でますますの重要性が増しているような気がしてなりません。

 お給料等の待遇面での改善が求められることは言うまでもありませんが、「の視点なしには人手不足の問題は解消しないのではないでしょうか。

 まことに残念ながら、人手不足に効く特効薬はないのです。

2017年4月4日火曜日

人手不足に悩まないお店

 先日、私が2年半前まで店長を務めていたお店に立ち寄った際、ちょっとうれしい話を聞きました。

 最近、そのお店では学生アルバイトさんを採用したとのことですが、彼女がそのお店でアルバイトをしたきっかけはお兄さんの勧めがあったからというのです。

 そのお兄さんというのは、彼が高校1年生だった時に私がそのお店で採用した元アルバイトさんなのです。

 彼はお店が3年目に入って売り上げが急激に伸びてとても忙しかった時期に、もう1人の高校生と一緒に頑張ってくれた思い出深い青年です。その彼の勧めで妹さんがお店に入ったことを聞いてうれしく思いました。

 実は、私が採用したお兄さんお姉さんの勧めで妹さん弟さんが同じお店でアルバイトを始めたケースはこれで3例目です。

 ちなみに、当時私が採用したパートさん方に退職者もほとんど出ておらず、逆に人件費がかさんで困っている様子でした。

 現在の人手不足の時代に何とも贅沢な話ですが、そこに人手不足の時代を乗り越えるヒントがあるような気がします。

2017年4月2日日曜日

投資家の認識が変える本部政策

 2日前の日経新聞に興味深い記事がありました(3月31日付・20面「銘柄診断」)。

 セブン-イレブン全店で日用品を値下げするとの前日の発表を受けて、セブン&アイ・ホールディングスの株価が一時反落したことを掲載しています。

 記事では、ヤマトホールディングスが法人客向けの値上げを材料に株が買われたことと対照的な書き方をしています。

 興味深いのは最後に書かれている次の部分です。
 背景には人件費上昇によるフランチャイズ(FC)加盟店の収益環境悪化がある。値下げでお得感を打ち出し、客数を底上げする狙いだ。だが、うまく販売増につながらないようだと、加盟店はむしろ苦しくなってしまう恐れがある。(中略)人手不足という構造問題を抱え、上値は重くなっている。

 この記事を書いた記者は、人手不足という構造問題を抱え人件費上昇によって加盟店の収益環境が悪化している中でその問題を考慮しない本部政策は株価を下げる要因になると見ているのです。

 この記者の認識はとても真っ当なものと思われますが、最近のセブン-イレブン本部が打ち出している施策(TVCMで顕著)はフライヤー商品お届けサービス500円以上で配送料無料)など、加盟店の負担が増すものばかりです。

 上記の記者のような認識が投資家の間で広がっていけば、株価上昇圧力によって本部は加盟店の収益環境を改善する施策を打ち出さざるを得ない状況になるかもしれません。

 間近に迫った株主総会とその後の動向が気になるところです。

2017年3月29日水曜日

1分単位で労働時間を計算しないリスク

 以前に国会でコンビニ店舗での労働時間計算について採りあげられたことがありました。

 従業員の労働時間の計算が1分単位となっていないことが問題視されたのです。

 現在はすべてのコンビニチェーンで1分単位での労働時間計算ができるようになっているはずですが、加盟店の中には未だに15分単位等で計算して賃金を支払っているケースがあるかもしれません。

 これは非常にリスクが高いと言えます。仮に従業員さんから請求があった場合にお店が対抗できる措置はないでしょう。

 1分単位で勤務時間を計算しないことの最大のリスクは、世間でブラック企業・ブラックバイトに対して厳しい目が注がれる中で、そのお店がブラック視されることです。

 ひとたびお店にブラックのイメージがつけば、スタッフの採用の面でも非常に厳しい状況になることが予想されます。一度ついたイメージはなかなか消えることはありません。

 また、スタッフが店主体者に対して不信感を持つ原因となってしまう恐れもあります。

 1分単位の計算によって人件費が増えることを回避するには、原則として残業を禁止した上で、残業を許可制にするといった方法が有効だと思います。

 そして、その措置は就業規則等の文書にきちんと盛り込んだ上で、全スタッフに周知徹底するという手続きを踏むことが重要でしょう。

2017年3月28日火曜日

重要性が高まる健康確保の対応

 人手不足が深刻化する中で、最も懸念されることは長時間労働等によって心身の健康が損なわれることでしょう。

 どうしても人手不足のしわ寄せはオーナーさんご夫妻店長さんそして社員の方々に来るかたちになります。

 そのような中で、長時間労働等による過労が原因となって従業員さんの心身の健康に変調を来たすようなことになれば、健康確保措置安全配慮義務の点からお店主体者が責任を問われる事態になりかねません。

 主体者ご自身の健康管理もさることながら、従業員さんの労働時間や休日等については適切な管理が今まで以上に強く求められると言えるでしょう。

  • 定期的な健康診断の受診
  • 計画的なシフトスケジュールの作成、調整
  • 作業割当による効率的な業務の実施
  • 従業員さんとの密なコミュニケーション

 これらはどれも重要事項となるはずです。

 今は忙しくてそれどころではないという声が聞こえてきそうですが、今一度、現状を見直してみることを強くおすすめします。

2017年3月27日月曜日

自店ホームページ開設のすすめ

 新年度を目前に控え、スタッフ募集を考える上では重要な季節を迎えました。

 学生アルバイト(特に新入生)を募集するためには、ゴールデンウィーク明け頃までが最も重要な時期といえるでしょう。

 今日は、自店ホームページの開設による募集について紹介します。

 まず、jimdoなど無料で開設できるツールを使って自店のホームページを作ります。メインページにはお店の紹介やスタッフが働いている様子の写真などを載せて自店のイメージを印象づけると良いでしょう。

 本部が用意している求人サイトでは個店の写真でなくチェーン共通の写真を使っているのをよく見かけますが、これではあまり意味がないように思われるからです。

 メインページにスタッフ募集の告知応募フォームへのリンクを張ります。応募があった場合は指定したメールアドレスに連絡が来るように設定できます(jimdoの場合)。

 次に、自店ホームページのアドレスを載せた名刺はがきサイズのチラシを作り、お客様に配布します。アドレスをQRコード化して掲載すればアクセス率が高まると思います。

 自店ホームページ開設の最大のメリットとして、お店主体者やスタッフの生の声を載せたり、担当者のおすすめ商品などを紹介したりするなど、お店からの情報発信がしやすいことが挙げられるでしょう。

 ブラックバイト問題に関連し、世間ではアルバイト先としてコンビニを不安視する傾向にありますが、店主体者からのメッセージやスタッフの生の声を掲載することでそうした不安を少しでも払拭できるのではないかと思います。

 あるお店の支援で私も実際にホームページを開設したことがありますが、思ったよりも楽に開設できました。ただ、更新等それなりの手間が継続してかかりますので、お店主体者が実施することが望ましいと思います。

2017年3月21日火曜日

固定残業代制度を導入する目的

 人手不足が深刻化する中で、加盟店のオーナーさん、店長さんにかかる負荷が今後さらに増していくことが懸念されます。

 その中で私が危惧することは、いわゆる「雇われ店長」の労働環境悪化によって発生する労務トラブルです。具体的には、残業代や割増賃金の支払いをめぐるトラブルです。

 以前、マクドナルドの店長が起こした裁判によって「名ばかり店長」「名ばかり管理職」の存在が大きくクローズアップされました。マクドナルドの店長は「管理監督者」には当たらず、残業代を支払わないのは違法だとして過去2年分の未払い残業代等を支払うよう裁判所は命じました。

 コンビニの雇われ店長が管理監督者と認められる可能性はほとんどありません

 残業代(1日8時間・週40時間超)、深夜割増賃金、休日割増賃金を正しい勤怠管理のもとに支払っていれば何も問題はありません。

 しかし、残業代、割増分を含めて固定給で支払っている場合には非常にリスクが高いと言えるでしょう。

 このリスクを回避するための1つの方法が固定残業代(定額残業代)制度の導入です。

 導入にあたっては注意点がありますが、弁護士や社会保険労務士が解説しているサイトがありますので参考にされることをおすすめします。

2017年3月19日日曜日

経営リスク管理としての就業規則作成

 ある加盟店オーナーがアルバイトさんに対して罰金を課したことで書類送検された等、最近は労基法がからむ事件がニュースになっています。

 深刻な人手不足の状況にあって、急な欠勤はお店にとって非常に困る事態であることは確かです。これを防ぐためにオーナーさんが取った方法が実は労基法違反であったというのが事件の真相かもしれません。

 世間のブラック企業批判の風潮が強まる中で、労働者の立場に立った見方や労働者擁護の意見は今後さらに増えていくことが予想されます。

 それとともに、何かあったら監督署(労基)に駆け込まれたり、場合によっては裁判に訴えられたりといった事態が増えることも懸念されます。

 こうしたことをできるだけ起こさないようにするための1つの方法として、就業規則を作成し、お店の中のルールを明確にすることが重要となるでしょう。

 就業規則は従業員との個別の労働契約の上位に来るものです。

 個々の労働契約を変えることなく、就業規則を作成することですべての従業員の労働契約の中身を変えることもできます

 作成にあたってはいくつか注意点がありますが、また別の機会に書きたいと思います。

2017年3月15日水曜日

目標は50人!

 現在、私は生計を維持するために某加盟店で週3日の深夜アルバイトをしながら、今年8月の社労士事務所開業に向けた準備をしています。

 今、私がお店で取り組んでいることは床のクリンリネス常連のお客様の好みのたばこを覚えることです。

 昨年10月からお店で働き出して以来、約40名のお客様のたばこ銘柄を覚えました。来店したお客様の顔を見た瞬間に銘柄を思い出し、お客様から言われる前にさっと用意するのです。

 その中で私が嬉しく感じた瞬間は、お客様がプロだなと言って感心してくれた時です。

 こうしたことを積み重ねていくと、お客様との心理的な距離が近くなり、接客そのものがとても楽になります

 常連のお客様の人数には限りがありますので、覚えられるたばこが無限に増えていくわけではありませんが、今は50名のお客様のたばこ銘柄を覚えることを目標にしています。

2017年3月7日火曜日

ヤマトが未払い残業代を調査

 宅配最大手のヤマト運輸がドライバーなど7万人を対象に未払い残業の実態について調査しているとの報道がありました。

 未払い残業代は1人あたり100万円程度になるケースもあるとのことで、会社が支給する未払賃金の総額は数百億円にも上る見込みともいわれています。

 ヤマト運輸については、以前の記事(メール便廃止に思うこと)でも書きましたが、創業家2代目の小倉昌男さんを尊敬している私にとっては今回の件はショッキングなことであり、とても残念に思っています。

 この件を受け、昨今のますます強まるブラック企業批判の風潮に乗って、会社の経営陣に対する厳しいコメントがネット上でも非常に多く見られます。

 そこで、1つの懸念が私の頭の中で大きく膨らんできました。

 それは、サービス残業や割増賃金の不払いが日常的に起きているお店があるのではないかということです。

 もし、退職した従業員等から未払い残業代等の請求があった場合には、最低でも過去2年にさかのぼり支払わざるを得ません。監督署(労基)やユニオンに駆け込まれたり、最悪のケースで提訴されたりすれば、金銭的にも精神的にも大きな負担を強いられることになります。

 そこでまず第一におすすめしたいことは、現在の賃金の支払い状況が労基法に照らして問題がないか点検することです。問題があれば早急に改善が必要でしょう。

 また、その際には、合法的な方法でお店の人件費をできるだけ増やさないことが重要となります。必要に応じて専門家等のアドバイスを受けた方が良いでしょう。

2017年3月5日日曜日

ミスタードーナツが店内調理を取りやめ

 先日、ミスタードーナツの一部の店舗で店内調理を取りやめるとのニュースがありました。

 ミスタードーナツの売りのひとつは店内調理にあったはずです。これを変えるということは、会社としての大きな決断があったのでしょう。

 これはセブン-イレブンをはじめとするコンビニがドーナツに力を入れたことと無関係ではないでしょう。

 ミスタードーナツ側は否定していますが、コンビニがドーナツへ取り組んだことの影響は少なからずあったはずです。

 しかし、コンビニがドーナツに力を入れたことでドーナツ市場は拡大したのでしょうか? 以前よりもドーナツ全体の味のレベルは上がったのでしょうか?

 今、ほとんどのセブン-イレブンではドーナツ什器がカウンターから下ろされ、以前のような売り込みはなされていません。

 ミスタードーナツでも店内調理廃止という消費者からみれば改悪ともいえる結果となりました。

 適度な自由競争は商品やサービスの質を上げたり、市場を拡大したりして消費者の利便性や満足度を向上させるものですが、行き過ぎた競争はただ企業を疲弊させるだけで、利益が上がらないばかりでなく、肝心の消費者の利便性や満足度を損なう結果になるのかもしれません。

 振り返ってコンビニ業界の過当競争の現状をみれば、暗い未来を想像してしまうのは私だけではないはずです。

2017年2月15日水曜日

36(サブロク)協定とは?

 最近、労働基準法がらみでコンビニの労務管理に関する話題を報道等でよく目にするようになりました。

 今回は、多くのお店で不備があると思われる36協定の締結について触れたいと思います。

 36(サブロク)協定とは労働基準法で定められている労働時間(1日8時間週40時間)を超えて労働者を働かせる場合や法定休日に働かせる場合に労働者代表と結び、労働基準監督署に届け出なければならない協定のことです。

 協定届を監督署に届け出ておけば時間外・休日労働をさせても使用者は罪に問われない効果(免罰的効力)が発生します。

 協定書の様式は各コンビニチェーンのマニュアルに掲載されているはずです。

 ここで大事な点は、協定届を監督署に出してはじめて時間外労働や休日労働をさせることができるということで、たとえ従業員と協定を結んだとしても、それを監督署に届け出ないまま働かせれば違法となることに注意が必要です。

 これに違反すれば6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金という厳しい罰則があります。

 1日8時間、週40時間を超える従業員がいない場合で労働契約で結んだ週1日の法定休日にスタッフを出勤させるケースがない場合にはこの36協定の締結・届け出は不要です。

 現在、政府が進めている「働き方改革」での長時間労働是正のテーマにおいても、36協定の中身がクローズアップされています。

 予期せぬ労務トラブルを防ぐためにも、こうした手続きはきちんと済ませておくことをおすすめします。

2017年1月31日火曜日

従業員に代替要員を探させることの問題点

 あるコンビニ加盟店において、風邪で欠勤した高校生アルバイトさんが代替要員を見つけられなかったためにペナルティ額が給与から差し引かれた件がネットで話題になっています。

 この件については、
  1. ペナルティの内容(減給の制裁)
  2. 賃金の全額払いの原則(控除不可)
の2つの点で違法性があると思われますが、今回は従業員さん自身に代わりの要員を探させることの問題点について書きたいと思います。


 現在の人手不足の状況で、シフトに余裕があって急な欠勤にも対応できるお店はあまりないでしょう。

 急な欠勤があればシフトの穴を埋めるのは最終的にオーナーさんや店長さんになるでしょう。ですから、急な欠勤があっても自分がシフトのフォローをしなくて済むように従業員さん自身に代替要員を探させればいいという考えが思い浮かぶのは無理もありません。

 私も店長時代に同じように考えたことがありましたが、そうした対応はとりませんでした。

 シフトの作成・決定はあくまで店主体者の仕事であり、従業員さん欠勤時のシフト調整は従業員さんの仕事ではないからです。

 従業員さんの自発的な善意によって代替要員を探してくれる場合があるかもしれませんが、お店側から従業員さんに求めることではないと思います。

 また、その場合にはその従業員さんに感謝の気持ちを伝えるとともに、その行為に対する賃金とかかった通信費はお支払いすべきでしょう。

 最近はとかくブラック視されがちなコンビニ業界です。

 お店主体者は基本的な労働法の知識は押さえておく必要があるのではないでしょうか。

2017年1月8日日曜日

新年がスタートしました

 正月が過ぎ、年間で最も売り上げの厳しい時期を迎えました。

 今年のコンビニ業界を展望しますと、慢性的な人手不足や毎年上昇する最低賃金、日本年金機構による社会保険加入の促進等、厳しい状況が相変わらず続くことが予想されます。

 今の時期は既存スタッフのレベルアップを図るとともに、新規採用のための募集について対策を打つことが重要でしょう。

 特に学生アルバイトさんを抱えるお店では卒業に伴う人員減は深刻な状況だと思います。

 最近は一部の高校などでアルバイトの許可について制限を強めている学校も多いと聞きます。お店の周辺の環境に合わせた募集が求められるようになってきているのかもしれません。

 そこで1つの注意点があります。

 昨今の「ブラックバイト」報道により、学生さんを中心として労働法に関する意識が高まってきている状況があります。

 学生を対象としたある調査では、学生アルバイトが経験した不当な扱いとして「労働条件を書面で渡されなかった」というものが上位にランクされています。

 採用時に労働契約書、労働条件通知書などを書面で取り交わすことは必須といえるのです。

 今の時代の流れとして、こうしたことを確実に行わないだけで応募者やその家族から「ブラックな職場」だと思われてしまう危険性があることには注意が必要でしょう。