2017年3月29日水曜日

1分単位で労働時間を計算しないリスク

 以前に国会でコンビニ店舗での労働時間計算について採りあげられたことがありました。

 従業員の労働時間の計算が1分単位となっていないことが問題視されたのです。

 現在はすべてのコンビニチェーンで1分単位での労働時間計算ができるようになっているはずですが、加盟店の中には未だに15分単位等で計算して賃金を支払っているケースがあるかもしれません。

 これは非常にリスクが高いと言えます。仮に従業員さんから請求があった場合にお店が対抗できる措置はないでしょう。

 1分単位で勤務時間を計算しないことの最大のリスクは、世間でブラック企業・ブラックバイトに対して厳しい目が注がれる中で、そのお店がブラック視されることです。

 ひとたびお店にブラックのイメージがつけば、スタッフの採用の面でも非常に厳しい状況になることが予想されます。一度ついたイメージはなかなか消えることはありません。

 また、スタッフが店主体者に対して不信感を持つ原因となってしまう恐れもあります。

 1分単位の計算によって人件費が増えることを回避するには、原則として残業を禁止した上で、残業を許可制にするといった方法が有効だと思います。

 そして、その措置は就業規則等の文書にきちんと盛り込んだ上で、全スタッフに周知徹底するという手続きを踏むことが重要でしょう。

2017年3月28日火曜日

重要性が高まる健康確保の対応

 人手不足が深刻化する中で、最も懸念されることは長時間労働等によって心身の健康が損なわれることでしょう。

 どうしても人手不足のしわ寄せはオーナーさんご夫妻店長さんそして社員の方々に来るかたちになります。

 そのような中で、長時間労働等による過労が原因となって従業員さんの心身の健康に変調を来たすようなことになれば、健康確保措置安全配慮義務の点からお店主体者が責任を問われる事態になりかねません。

 主体者ご自身の健康管理もさることながら、従業員さんの労働時間や休日等については適切な管理が今まで以上に強く求められると言えるでしょう。

  • 定期的な健康診断の受診
  • 計画的なシフトスケジュールの作成、調整
  • 作業割当による効率的な業務の実施
  • 従業員さんとの密なコミュニケーション

 これらはどれも重要事項となるはずです。

 今は忙しくてそれどころではないという声が聞こえてきそうですが、今一度、現状を見直してみることを強くおすすめします。

2017年3月27日月曜日

自店ホームページ開設のすすめ

 新年度を目前に控え、スタッフ募集を考える上では重要な季節を迎えました。

 学生アルバイト(特に新入生)を募集するためには、ゴールデンウィーク明け頃までが最も重要な時期といえるでしょう。

 今日は、自店ホームページの開設による募集について紹介します。

 まず、jimdoなど無料で開設できるツールを使って自店のホームページを作ります。メインページにはお店の紹介やスタッフが働いている様子の写真などを載せて自店のイメージを印象づけると良いでしょう。

 本部が用意している求人サイトでは個店の写真でなくチェーン共通の写真を使っているのをよく見かけますが、これではあまり意味がないように思われるからです。

 メインページにスタッフ募集の告知応募フォームへのリンクを張ります。応募があった場合は指定したメールアドレスに連絡が来るように設定できます(jimdoの場合)。

 次に、自店ホームページのアドレスを載せた名刺はがきサイズのチラシを作り、お客様に配布します。アドレスをQRコード化して掲載すればアクセス率が高まると思います。

 自店ホームページ開設の最大のメリットとして、お店主体者やスタッフの生の声を載せたり、担当者のおすすめ商品などを紹介したりするなど、お店からの情報発信がしやすいことが挙げられるでしょう。

 ブラックバイト問題に関連し、世間ではアルバイト先としてコンビニを不安視する傾向にありますが、店主体者からのメッセージやスタッフの生の声を掲載することでそうした不安を少しでも払拭できるのではないかと思います。

 あるお店の支援で私も実際にホームページを開設したことがありますが、思ったよりも楽に開設できました。ただ、更新等それなりの手間が継続してかかりますので、お店主体者が実施することが望ましいと思います。

2017年3月21日火曜日

固定残業代制度を導入する目的

 人手不足が深刻化する中で、加盟店のオーナーさん、店長さんにかかる負荷が今後さらに増していくことが懸念されます。

 その中で私が危惧することは、いわゆる「雇われ店長」の労働環境悪化によって発生する労務トラブルです。具体的には、残業代や割増賃金の支払いをめぐるトラブルです。

 以前、マクドナルドの店長が起こした裁判によって「名ばかり店長」「名ばかり管理職」の存在が大きくクローズアップされました。マクドナルドの店長は「管理監督者」には当たらず、残業代を支払わないのは違法だとして過去2年分の未払い残業代等を支払うよう裁判所は命じました。

 コンビニの雇われ店長が管理監督者と認められる可能性はほとんどありません

 残業代(1日8時間・週40時間超)、深夜割増賃金、休日割増賃金を正しい勤怠管理のもとに支払っていれば何も問題はありません。

 しかし、残業代、割増分を含めて固定給で支払っている場合には非常にリスクが高いと言えるでしょう。

 このリスクを回避するための1つの方法が固定残業代(定額残業代)制度の導入です。

 導入にあたっては注意点がありますが、弁護士や社会保険労務士が解説しているサイトがありますので参考にされることをおすすめします。

2017年3月19日日曜日

経営リスク管理としての就業規則作成

 ある加盟店オーナーがアルバイトさんに対して罰金を課したことで書類送検された等、最近は労基法がからむ事件がニュースになっています。

 深刻な人手不足の状況にあって、急な欠勤はお店にとって非常に困る事態であることは確かです。これを防ぐためにオーナーさんが取った方法が実は労基法違反であったというのが事件の真相かもしれません。

 世間のブラック企業批判の風潮が強まる中で、労働者の立場に立った見方や労働者擁護の意見は今後さらに増えていくことが予想されます。

 それとともに、何かあったら監督署(労基)に駆け込まれたり、場合によっては裁判に訴えられたりといった事態が増えることも懸念されます。

 こうしたことをできるだけ起こさないようにするための1つの方法として、就業規則を作成し、お店の中のルールを明確にすることが重要となるでしょう。

 就業規則は従業員との個別の労働契約の上位に来るものです。

 個々の労働契約を変えることなく、就業規則を作成することですべての従業員の労働契約の中身を変えることもできます

 作成にあたってはいくつか注意点がありますが、また別の機会に書きたいと思います。

2017年3月15日水曜日

目標は50人!

 現在、私は生計を維持するために某加盟店で週3日の深夜アルバイトをしながら、今年8月の社労士事務所開業に向けた準備をしています。

 今、私がお店で取り組んでいることは床のクリンリネス常連のお客様の好みのたばこを覚えることです。

 昨年10月からお店で働き出して以来、約40名のお客様のたばこ銘柄を覚えました。来店したお客様の顔を見た瞬間に銘柄を思い出し、お客様から言われる前にさっと用意するのです。

 その中で私が嬉しく感じた瞬間は、お客様がプロだなと言って感心してくれた時です。

 こうしたことを積み重ねていくと、お客様との心理的な距離が近くなり、接客そのものがとても楽になります

 常連のお客様の人数には限りがありますので、覚えられるたばこが無限に増えていくわけではありませんが、今は50名のお客様のたばこ銘柄を覚えることを目標にしています。

2017年3月7日火曜日

ヤマトが未払い残業代を調査

 宅配最大手のヤマト運輸がドライバーなど7万人を対象に未払い残業の実態について調査しているとの報道がありました。

 未払い残業代は1人あたり100万円程度になるケースもあるとのことで、会社が支給する未払賃金の総額は数百億円にも上る見込みともいわれています。

 ヤマト運輸については、以前の記事(メール便廃止に思うこと)でも書きましたが、創業家2代目の小倉昌男さんを尊敬している私にとっては今回の件はショッキングなことであり、とても残念に思っています。

 この件を受け、昨今のますます強まるブラック企業批判の風潮に乗って、会社の経営陣に対する厳しいコメントがネット上でも非常に多く見られます。

 そこで、1つの懸念が私の頭の中で大きく膨らんできました。

 それは、サービス残業や割増賃金の不払いが日常的に起きているお店があるのではないかということです。

 もし、退職した従業員等から未払い残業代等の請求があった場合には、最低でも過去2年にさかのぼり支払わざるを得ません。監督署(労基)やユニオンに駆け込まれたり、最悪のケースで提訴されたりすれば、金銭的にも精神的にも大きな負担を強いられることになります。

 そこでまず第一におすすめしたいことは、現在の賃金の支払い状況が労基法に照らして問題がないか点検することです。問題があれば早急に改善が必要でしょう。

 また、その際には、合法的な方法でお店の人件費をできるだけ増やさないことが重要となります。必要に応じて専門家等のアドバイスを受けた方が良いでしょう。

2017年3月5日日曜日

ミスタードーナツが店内調理を取りやめ

 先日、ミスタードーナツの一部の店舗で店内調理を取りやめるとのニュースがありました。

 ミスタードーナツの売りのひとつは店内調理にあったはずです。これを変えるということは、会社としての大きな決断があったのでしょう。

 これはセブン-イレブンをはじめとするコンビニがドーナツに力を入れたことと無関係ではないでしょう。

 ミスタードーナツ側は否定していますが、コンビニがドーナツへ取り組んだことの影響は少なからずあったはずです。

 しかし、コンビニがドーナツに力を入れたことでドーナツ市場は拡大したのでしょうか? 以前よりもドーナツ全体の味のレベルは上がったのでしょうか?

 今、ほとんどのセブン-イレブンではドーナツ什器がカウンターから下ろされ、以前のような売り込みはなされていません。

 ミスタードーナツでも店内調理廃止という消費者からみれば改悪ともいえる結果となりました。

 適度な自由競争は商品やサービスの質を上げたり、市場を拡大したりして消費者の利便性や満足度を向上させるものですが、行き過ぎた競争はただ企業を疲弊させるだけで、利益が上がらないばかりでなく、肝心の消費者の利便性や満足度を損なう結果になるのかもしれません。

 振り返ってコンビニ業界の過当競争の現状をみれば、暗い未来を想像してしまうのは私だけではないはずです。