2017年4月9日日曜日

セブン-イレブンのチャージ減額後の希望的観測

 今日は、セブン-イレブン本部が1%のチャージ減額を発表した後のコンビニ業界の動きを展望したいと思います。

 たとえ1%とはいえ、チャージを減額することは加盟店の経営環境の改善新規オーナーの獲得という面から見てプラスに働くことは間違いありません。今回の本部の措置を歓迎しないセブン-イレブンのオーナーさんはほとんどいないでしょう。

 今回のセブン-イレブンの措置に対抗して、ファミリーマートローソン本部がロイヤリティ(フィー)を下げることは考えにくいと思います。最近、この2社は親会社である商社の資本を増強し、経営陣にも商社出身の役員を送り込んで財務体質の強化に取り組んでいるように見えるからです。

 ロイヤリティの減額は本部の収益に大きな影響を与えてしまいます。では、他にどのような選択肢があるでしょうか。

 私が考える起死回生の一手は、深夜営業を選択制にして実質的なロイヤリティの減額を実現させることです。

 セブン-イレブンの場合、24時間営業をすることでチャージは2%が減額されます。

 仮に、ファミリーマートやローソンがロイヤリティを変えずに深夜営業を選択制にすれば、実質的に2%のロイヤリティを減額したときのメリットを加盟店と新規加盟希望者は感じるはずです。

 今の加盟店にとってはロイヤリティの減額によって収益が得られることよりも深夜営業廃止による人件費削減と人手不足問題の改善のメリットの方が大きいのです。

 もし、ファミリーマートやローソンのオーナーさんに「ロイヤリティの2%減額と深夜営業廃止のどちらを選びますか?」と質問したら、圧倒的に深夜営業廃止を選ぶオーナーさんの方が多いのではないでしょうか。

 ファミリーレストラン等の深夜営業廃止に対する世間の評価を見ても、チャージ(ロイヤリティ)の減額よりも深夜営業廃止の方がチェーン本部に対する印象は良くなる気がします。

 いずれにしても、今回のセブン-イレブンのチャージ減額はコンビニ業界内での勢力争いに再び火をつけたと言ってもよいでしょう。

 そして、この業界内での動きが加盟店の厳しい現状を改善する方向に大きく流れることを願わずにはいられません。

2017年4月7日金曜日

セブン-イレブンが9月からチャージを減額

 昨日、セブン&アイ・ホールディングスはセブン-イレブン・ジャパンが加盟店から徴収するチャージを9月から当面1%減額すると発表しました。

 今までにセブン-イレブン本部が複数店経営のインセンティブとして実質的なチャージ減額を決めたことはありますが、加盟店に対して一律に減額をするのは今回が初めてです。

 私は以前から本部がチャージを減額する可能性は低いと見ていましたので、今回の発表にはかなり驚きました。

 実際に経営陣がどういう判断で今回の措置に踏み切ったのかはわかりませんが、いずれにしても、加盟店が置かれている厳しい現状に本部が強い危機感を持っていることは確かでしょう。

 1%の減額とはいえ、今後さらなるチャージの減額を招くことにもなりかねない措置ですので、決断の背後には何か大きなものがあるのではと推測しています。

 今回のチャージ減額はコンビニ業界内での勢力図にも影響を与えることになる可能性があるため、今後はセブン-イレブン以外のチェーンの動きにも目が離せないところです。

2017年4月5日水曜日

人手不足に効く特効薬は

 現在の深刻な人手不足の状況はコンビニだけでなく、小売、飲食、サービス業をはじめとしてほぼすべての業界にわたっています。

 ただ、その中でもコンビニ加盟店がひときわ厳しい状況にあるのは確かでしょう。

 しかし、前回の記事でも紹介したように、個々のお店を見ればそれほど人手不足に困っていないお店もあります。

 私が半年間お手伝いをさせていただいたお店のオーナーさんに先日お会いした時にも「20数年来コンビニ経営をやっているが今が一番心にゆとりがある」とおっしゃっていました。

 そのオーナーさんを見ていつも思うことは従業員さんに対する気持ちや配慮がつねに感じられることです。

 私は経営者がつねに考えるべきことは従業員さんの物心両面にわたる幸せの追求だと思っていますが、働く者の待遇を追求する世の中の風潮が強くなる中でますますの重要性が増しているような気がしてなりません。

 お給料等の待遇面での改善が求められることは言うまでもありませんが、「の視点なしには人手不足の問題は解消しないのではないでしょうか。

 まことに残念ながら、人手不足に効く特効薬はないのです。

2017年4月4日火曜日

人手不足に悩まないお店

 先日、私が2年半前まで店長を務めていたお店に立ち寄った際、ちょっとうれしい話を聞きました。

 最近、そのお店では学生アルバイトさんを採用したとのことですが、彼女がそのお店でアルバイトをしたきっかけはお兄さんの勧めがあったからというのです。

 そのお兄さんというのは、彼が高校1年生だった時に私がそのお店で採用した元アルバイトさんなのです。

 彼はお店が3年目に入って売り上げが急激に伸びてとても忙しかった時期に、もう1人の高校生と一緒に頑張ってくれた思い出深い青年です。その彼の勧めで妹さんがお店に入ったことを聞いてうれしく思いました。

 実は、私が採用したお兄さんお姉さんの勧めで妹さん弟さんが同じお店でアルバイトを始めたケースはこれで3例目です。

 ちなみに、当時私が採用したパートさん方に退職者もほとんど出ておらず、逆に人件費がかさんで困っている様子でした。

 現在の人手不足の時代に何とも贅沢な話ですが、そこに人手不足の時代を乗り越えるヒントがあるような気がします。

2017年4月2日日曜日

投資家の認識が変える本部政策

 2日前の日経新聞に興味深い記事がありました(3月31日付・20面「銘柄診断」)。

 セブン-イレブン全店で日用品を値下げするとの前日の発表を受けて、セブン&アイ・ホールディングスの株価が一時反落したことを掲載しています。

 記事では、ヤマトホールディングスが法人客向けの値上げを材料に株が買われたことと対照的な書き方をしています。

 興味深いのは最後に書かれている次の部分です。
 背景には人件費上昇によるフランチャイズ(FC)加盟店の収益環境悪化がある。値下げでお得感を打ち出し、客数を底上げする狙いだ。だが、うまく販売増につながらないようだと、加盟店はむしろ苦しくなってしまう恐れがある。(中略)人手不足という構造問題を抱え、上値は重くなっている。

 この記事を書いた記者は、人手不足という構造問題を抱え人件費上昇によって加盟店の収益環境が悪化している中でその問題を考慮しない本部政策は株価を下げる要因になると見ているのです。

 この記者の認識はとても真っ当なものと思われますが、最近のセブン-イレブン本部が打ち出している施策(TVCMで顕著)はフライヤー商品お届けサービス500円以上で配送料無料)など、加盟店の負担が増すものばかりです。

 上記の記者のような認識が投資家の間で広がっていけば、株価上昇圧力によって本部は加盟店の収益環境を改善する施策を打ち出さざるを得ない状況になるかもしれません。

 間近に迫った株主総会とその後の動向が気になるところです。